92 / 107
降魔戦争勃発
3
しおりを挟む
中央亜大陸中部のオーストウェル王国(連邦外)との国境を成す大河にミリィたちが到着すると、既にフィーリアン連邦軍が集結していた。大河の向こうには、オーストウェルの軍隊が国旗をはためかせている。
聞いた話によると、運河を下る途中でミリオールの東南に隣接するキルメニア王国(連邦外)の軍隊が合流するらしい。三等国とはいえ、派兵してくれるのはありがたい。
「すごい光景だな」
ラングが言った。
確かに、大河に浮かぶ巨大な軍船の多さには息を飲むしかない。フィーリアンが連邦軍を結成するだけでもすごい事だが、隣国の軍隊が合流するなんて、規模がデカすぎる。もはや、世界大戦規模だ。
「あら? 第一騎士団の旗が無いわね?」
ふと気がついたミリィに、第八騎士団の団長ロンドルが言った。
「第一は参加していない。出陣するのは我々第八騎士団と、他に5つの騎士団だ」
ロンドル将軍が言うには、北に隣接すラルガルマン帝国との関係上、防衛のために結構な量の兵力を残さないわけにはいかないらしい。
もともとフィーリアンとラルガルマンは国交がない上、この度の派兵要請にも返事をよこさないらしいのだ。
「閣下・・・」と、恐る恐るラングが口を開いた。「バースは・・・!私が紹介状を書きました剣士バースは、フィーリアンに来たでしょうか」と、ラングに振り返ったロンドル将軍に訊ねる。
「ああ、来たとも。私のもとでローナイトにソードウェーブの訓練をつけてもらった。今は第一騎士団と共に、北の国境を守っておるよ。ラルガルマンに不穏な空気が出ておるからな。彼はお前のもとに来たがっていたのだかね」
サラが言った。
「人類の存亡をかけた戦いが始まろうとしているのに、何してるんですかね」
サラの言う通りだ。ラルガルマン帝国は強力な軍事大国だから、参加してくれれば大きな戦力になったはずだ。
「だが大丈夫だ。フィーリアン軍と、オーストウェル、キルメキア、ウィードの連合軍が結成されたのだから、魔王の1体くらい簡単に滅ぼしてくれる」
ロンドル将軍は、そう笑いながら言った。
王室騎士3万を含むフィーリアン連邦軍8万、オーストウェルとキルメニアはそれぞれ1万、計10万人からなる大遠征だ。
ウィード地方を死の大地に飲みこませるわけにはいかない。全ての兵士が決死の覚悟をして、ウィード王国領ムーブルへと向かった。
聞いた話によると、運河を下る途中でミリオールの東南に隣接するキルメニア王国(連邦外)の軍隊が合流するらしい。三等国とはいえ、派兵してくれるのはありがたい。
「すごい光景だな」
ラングが言った。
確かに、大河に浮かぶ巨大な軍船の多さには息を飲むしかない。フィーリアンが連邦軍を結成するだけでもすごい事だが、隣国の軍隊が合流するなんて、規模がデカすぎる。もはや、世界大戦規模だ。
「あら? 第一騎士団の旗が無いわね?」
ふと気がついたミリィに、第八騎士団の団長ロンドルが言った。
「第一は参加していない。出陣するのは我々第八騎士団と、他に5つの騎士団だ」
ロンドル将軍が言うには、北に隣接すラルガルマン帝国との関係上、防衛のために結構な量の兵力を残さないわけにはいかないらしい。
もともとフィーリアンとラルガルマンは国交がない上、この度の派兵要請にも返事をよこさないらしいのだ。
「閣下・・・」と、恐る恐るラングが口を開いた。「バースは・・・!私が紹介状を書きました剣士バースは、フィーリアンに来たでしょうか」と、ラングに振り返ったロンドル将軍に訊ねる。
「ああ、来たとも。私のもとでローナイトにソードウェーブの訓練をつけてもらった。今は第一騎士団と共に、北の国境を守っておるよ。ラルガルマンに不穏な空気が出ておるからな。彼はお前のもとに来たがっていたのだかね」
サラが言った。
「人類の存亡をかけた戦いが始まろうとしているのに、何してるんですかね」
サラの言う通りだ。ラルガルマン帝国は強力な軍事大国だから、参加してくれれば大きな戦力になったはずだ。
「だが大丈夫だ。フィーリアン軍と、オーストウェル、キルメキア、ウィードの連合軍が結成されたのだから、魔王の1体くらい簡単に滅ぼしてくれる」
ロンドル将軍は、そう笑いながら言った。
王室騎士3万を含むフィーリアン連邦軍8万、オーストウェルとキルメニアはそれぞれ1万、計10万人からなる大遠征だ。
ウィード地方を死の大地に飲みこませるわけにはいかない。全ての兵士が決死の覚悟をして、ウィード王国領ムーブルへと向かった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
彼女と一緒に異世界転生!?
藤和エイト
ファンタジー
ある日、放課後の帰り道。恋人と同時に異世界転生してしまった。
そんな中、彼女のナツミは魔王城で魔王に囚われて……。主人公のタイチは武器無し装備無しの状態で魔王討伐にラストダンジョンへの入り口を見つける。
異世界で恋人を探す旅が、いま始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる