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黒魔導士の実力
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伝説通りズメホスが魔王だったとしても、ズメホス自身に自我がないため、崇拝する魔導士たちが高位悪魔並みの力を得ることは不可能だろう、とウォーロックは自分の考えを述べた。
ミリィたちはその言葉に納得し、静かに深く頷く。
「さすがにこれ以上は、厄介ごとに巻き込まれたくないわね」
「ですよね」とサラ。「普通は、あんなに強い天人や悪魔と戦うことなんてないですもん」
次の日になっても牝馬の爪は襲ってこなかったため、警備の要請が来る前に、ちゃんとお弁当を持って洞窟へ行くと、見張りらしき魔導士がいる。
それを見たミリィは、頭を引っ込めてから言った。
「・・・やっぱり、力がほしいのかしら」
言い終わって、ウォーロックを見る。
「だろうな・・・」そう答えて「封印の魔法陣にもよるが、天使と戦っていた魔導士たちの力なら、たいがいの封印を破れるだろう。解けないほど強い封印なら、中身もそれなりなのかもしれないな」と続けた。
岩場の影で、4人はひそひそと相談を始めた。
「これなら、町が襲われることも当分ないんじゃないか?」とウォーロック。
「でも力を得たら襲ってきますよ」とサラが続ける。
あれやこれやと話した後、役所へこのことを伝えるため、一度町へ戻ることにした。
しかし役所の長は、それを聞いて開口一番言い放った。
「あぁ~? そんなことあるわけないだろう。いいかげんなことを言うんじゃない!」
「なっ、何それ!? 町の危機を教えてあげたのに!!」
「この国に魔王がいるわけがないだろう。そんな伝説はデマに決まっている!!」
確かにこの国にはそんな伝説が多く、大半が嘘っぱちらしい。
「そんなことよりも、監視砦がなくなって船の監視ができず大変なんだ! お前らなど相手にしてられない! 帰れ!!」
魔王伝説の慣れっこになっている長にミリィの話は全く通じず、聞こうとすらしてくれない。汗の噴出する怖い顔に押され、扉の外まで追い出された。
町を治める男爵のところに行っても相手にしてくれず、仕方なく砦長のところに戻った。役所の上の方にわけを説明してくれと頼んだが、貴族中心の役所の中で、一介の兵士出身である彼の地位は非常に低く、話しても無意味に近いらしい。
「フィーリアンでは、こんなことないのに・・・」
と、ぼやくラングにウォーロックが言った。
「ウィード公国辺り一帯は、降魔戦争や天使降臨のとき辺境だったからな。
あの時代、ウィード公国は存在すらしていなかったらしいから、仕方ないんじゃないか?」
よくこんなんで、国として存在してこれたな・・・と、ミリィは思った。
ミリィたちはその言葉に納得し、静かに深く頷く。
「さすがにこれ以上は、厄介ごとに巻き込まれたくないわね」
「ですよね」とサラ。「普通は、あんなに強い天人や悪魔と戦うことなんてないですもん」
次の日になっても牝馬の爪は襲ってこなかったため、警備の要請が来る前に、ちゃんとお弁当を持って洞窟へ行くと、見張りらしき魔導士がいる。
それを見たミリィは、頭を引っ込めてから言った。
「・・・やっぱり、力がほしいのかしら」
言い終わって、ウォーロックを見る。
「だろうな・・・」そう答えて「封印の魔法陣にもよるが、天使と戦っていた魔導士たちの力なら、たいがいの封印を破れるだろう。解けないほど強い封印なら、中身もそれなりなのかもしれないな」と続けた。
岩場の影で、4人はひそひそと相談を始めた。
「これなら、町が襲われることも当分ないんじゃないか?」とウォーロック。
「でも力を得たら襲ってきますよ」とサラが続ける。
あれやこれやと話した後、役所へこのことを伝えるため、一度町へ戻ることにした。
しかし役所の長は、それを聞いて開口一番言い放った。
「あぁ~? そんなことあるわけないだろう。いいかげんなことを言うんじゃない!」
「なっ、何それ!? 町の危機を教えてあげたのに!!」
「この国に魔王がいるわけがないだろう。そんな伝説はデマに決まっている!!」
確かにこの国にはそんな伝説が多く、大半が嘘っぱちらしい。
「そんなことよりも、監視砦がなくなって船の監視ができず大変なんだ! お前らなど相手にしてられない! 帰れ!!」
魔王伝説の慣れっこになっている長にミリィの話は全く通じず、聞こうとすらしてくれない。汗の噴出する怖い顔に押され、扉の外まで追い出された。
町を治める男爵のところに行っても相手にしてくれず、仕方なく砦長のところに戻った。役所の上の方にわけを説明してくれと頼んだが、貴族中心の役所の中で、一介の兵士出身である彼の地位は非常に低く、話しても無意味に近いらしい。
「フィーリアンでは、こんなことないのに・・・」
と、ぼやくラングにウォーロックが言った。
「ウィード公国辺り一帯は、降魔戦争や天使降臨のとき辺境だったからな。
あの時代、ウィード公国は存在すらしていなかったらしいから、仕方ないんじゃないか?」
よくこんなんで、国として存在してこれたな・・・と、ミリィは思った。
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