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ミリィ生還
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ミリィが目を覚ますと、そこはラーミの家だった。見慣れた風景が広がっている。起き上がろうとしたが、起き上がれない。王室でドミニオンと戦ったときと同じように霊力を使い果たしてしまったため、体が言うことを聞かなくなっている、とミリィは思った。
あの時と同じように、サラがそばにいる。少し違うのは、同じベッドにもぐって寝ているということだけだった。
胸に痛みが走り、見ると包帯がまいてある。
「・・・?」
訳が分からないが、グラノズンにやられたと1人で納得し、また目を閉じる。
「おや? 目がさめたかい・・・、さすがに精霊石はよく効くのう」
ラーミの声でサラが目を覚まし、涙を浮かべながらミリィに抱きつく。
「・・・で、今度は何日くらい寝てたの?」
「1日だけですよ」
「霊力を使い果たしたんじゃないのね?」
「・・・というか、一度、肉体が死んでしまったんじゃ」
「げっ!! よく蘇生したわね・・・わたし・・・」
ミリィはビビッた。
「でも怖かったぁ~! ミリィさんが、わたしたちを殺そうとするんですもん」
「はぁ? どういうこと?それ」
サラの言葉に、ミリィは眉をひそめながら言った。
「何も覚えていないんですか? 自分で自分の胸を刺したことは?」
「そんなことするわけないでしょ!?」
2人は、ミリィに事の経緯を話して聞かせた。
「胸の包帯は、グラノズンのやられたんじゃないの?」
「・・・? 何で包帯してるんですか?」とサラが逆に訊く。
「傷は完治してるんじゃが、ムードを出すために、わしが巻いたんじゃ」
2人は、何か変なものを見るような目で、ラーミを見た。
ややあって、ミリィが話を戻す。
「グラノズンはどうなったの?」
「ミリィさんのオーラを食らってグチャグチャになりながら生きてたんですけど、なぜか、かってに消滅しちゃいました。
――多分、ルーゲイルにやられたんだと思うんですけど」
エルフの子供たちが、ラングとウォーロックをつれてきた。その2人にも現人神になっていたときの事を聞き、苦笑いしながらミリィは謝る。
「そういえば、ミリィが気を失っているのをいいことに、サラがキスしてたな」とウォーロックが言うと、
「何!!?」
と、なぜかラングが叫び、みんなが振り向く。
「うぇ~、サラがファーストキスか・・・やだな・・・」
「あっ、それじゃあ同じですね♡」
サラははしゃいでいるが、ミリィは赤くなっている。
「そういえば、お城が半壊してましたよね?」とサラ。「どうなったんですかね・・・」
「やばい!! 早く帰らないと!!」
「大丈夫でしょ?」
ミリィに止められ、ラングはあっさりと帰るのを止めた。
騎士としてはどうかと思うが、ミリィは、王室よりも自分を心配してくれていると感じ、嬉しい。
あの時と同じように、サラがそばにいる。少し違うのは、同じベッドにもぐって寝ているということだけだった。
胸に痛みが走り、見ると包帯がまいてある。
「・・・?」
訳が分からないが、グラノズンにやられたと1人で納得し、また目を閉じる。
「おや? 目がさめたかい・・・、さすがに精霊石はよく効くのう」
ラーミの声でサラが目を覚まし、涙を浮かべながらミリィに抱きつく。
「・・・で、今度は何日くらい寝てたの?」
「1日だけですよ」
「霊力を使い果たしたんじゃないのね?」
「・・・というか、一度、肉体が死んでしまったんじゃ」
「げっ!! よく蘇生したわね・・・わたし・・・」
ミリィはビビッた。
「でも怖かったぁ~! ミリィさんが、わたしたちを殺そうとするんですもん」
「はぁ? どういうこと?それ」
サラの言葉に、ミリィは眉をひそめながら言った。
「何も覚えていないんですか? 自分で自分の胸を刺したことは?」
「そんなことするわけないでしょ!?」
2人は、ミリィに事の経緯を話して聞かせた。
「胸の包帯は、グラノズンのやられたんじゃないの?」
「・・・? 何で包帯してるんですか?」とサラが逆に訊く。
「傷は完治してるんじゃが、ムードを出すために、わしが巻いたんじゃ」
2人は、何か変なものを見るような目で、ラーミを見た。
ややあって、ミリィが話を戻す。
「グラノズンはどうなったの?」
「ミリィさんのオーラを食らってグチャグチャになりながら生きてたんですけど、なぜか、かってに消滅しちゃいました。
――多分、ルーゲイルにやられたんだと思うんですけど」
エルフの子供たちが、ラングとウォーロックをつれてきた。その2人にも現人神になっていたときの事を聞き、苦笑いしながらミリィは謝る。
「そういえば、ミリィが気を失っているのをいいことに、サラがキスしてたな」とウォーロックが言うと、
「何!!?」
と、なぜかラングが叫び、みんなが振り向く。
「うぇ~、サラがファーストキスか・・・やだな・・・」
「あっ、それじゃあ同じですね♡」
サラははしゃいでいるが、ミリィは赤くなっている。
「そういえば、お城が半壊してましたよね?」とサラ。「どうなったんですかね・・・」
「やばい!! 早く帰らないと!!」
「大丈夫でしょ?」
ミリィに止められ、ラングはあっさりと帰るのを止めた。
騎士としてはどうかと思うが、ミリィは、王室よりも自分を心配してくれていると感じ、嬉しい。
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