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二年生の一学期
第百二十一話 相談し合える仲間がいること
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庭仕事の疲れからかウトウトしていた奈緒は、座椅子に座ってテレビを見ている間に、いつの間にか眠っていた。何度も声をかけてくる南に揺すられて目を覚ますと、掛けられていた毛布を見やる。窓の外はもう陽が沈んでいた。
南が奈緒に優しく声をかける。
「夕食の準備できたよ」
「あら~、わたし寝てた。手伝わなきゃ」
「いいよいいよ、お客さんなんだからゆっくりしていて。みんなにもそうしてもらってたし」
そこにおばあちゃんが大きなお盆に料理を乗せてやってきて、上がり框でスリッパを脱いでテレビのある居間に上がると、隣の居間に移動して座卓に並んだ足の無い膳の上に料理を並べ始める。
「さあ、お夕飯にしましょう。菜園の手伝いもしてくれたから、今日は予定より腕を振るいましたよ。田舎料理で華がないですけど、たんとお食べ」
春樹が感動のため息を吐く。
「謙遜しすぎですよ。めっちゃ豪華絢爛じゃないですか。こんな食膳見たことないですよ」
「これが、ごぼうの和え物カレー風味酢漬け、里芋とひき肉の煮っころがし、菜の花の胡麻和え、うどの天ぷら、たけのこ甘味噌、煮かぼちゃ、オクラ豆腐、きゅうりとベーコンパスタのマヨネーズサラダ、きゅうりとかぶのお新香、小松菜のおひたし。他にレタスと大根、トマト、カイワレ、パプリカが入ったサラダ」
それぞれが小鉢に盛られていて、料亭にでも行かなければ食べられない鮮やかさだ。
「サラダにはこれかけて」と、おばあちゃんは色鮮やかなオレンジドレッシングを勧めてきた。「仄かな酸味が爽やかで、それだけでなめても美味しいわよ」と続ける。
そこに南が戻ってきた。
「おかずだけでもこれだけあるのに、主食とメインディッシュがまだ出てないの。たけのこご飯と巻狩鍋風の汁物に、バジルののったトマトソースとチーズのハンバーグ。さらには、小さなカップに入った豆乳プリン。さっき味見したけど、蜂蜜のシャリシャリしたとこが乗っていて、甘さ控えめ」
「こんなに食べられるかな?」奈緒が目をキラキラさせながら、唾をごくり。
春樹が恍惚の眼差しをお椀の湯気の出所に向ける。
「この汁物、どんだけ具が入ってんの? 肉だけで鶏と豚?」
「猪豚」おばあちゃんが応える。
「それに何種類もの野菜ときのこ類にこんにゃく。もし家で作ったら、おかずこれだけでごはんが出てくるぞ」
「確かに、中くらいのどんぶりによそったとしたら、すんごいボリュームになりそう」務が笑った。
「キッチンの棚にうるしのお膳があるのを見つけて、わたしのアイディアで乗っけたけど、乗り切れなかった。だから、ハンバーグとデザートは別盛で」
南が奈緒に優しく声をかける。
「夕食の準備できたよ」
「あら~、わたし寝てた。手伝わなきゃ」
「いいよいいよ、お客さんなんだからゆっくりしていて。みんなにもそうしてもらってたし」
そこにおばあちゃんが大きなお盆に料理を乗せてやってきて、上がり框でスリッパを脱いでテレビのある居間に上がると、隣の居間に移動して座卓に並んだ足の無い膳の上に料理を並べ始める。
「さあ、お夕飯にしましょう。菜園の手伝いもしてくれたから、今日は予定より腕を振るいましたよ。田舎料理で華がないですけど、たんとお食べ」
春樹が感動のため息を吐く。
「謙遜しすぎですよ。めっちゃ豪華絢爛じゃないですか。こんな食膳見たことないですよ」
「これが、ごぼうの和え物カレー風味酢漬け、里芋とひき肉の煮っころがし、菜の花の胡麻和え、うどの天ぷら、たけのこ甘味噌、煮かぼちゃ、オクラ豆腐、きゅうりとベーコンパスタのマヨネーズサラダ、きゅうりとかぶのお新香、小松菜のおひたし。他にレタスと大根、トマト、カイワレ、パプリカが入ったサラダ」
それぞれが小鉢に盛られていて、料亭にでも行かなければ食べられない鮮やかさだ。
「サラダにはこれかけて」と、おばあちゃんは色鮮やかなオレンジドレッシングを勧めてきた。「仄かな酸味が爽やかで、それだけでなめても美味しいわよ」と続ける。
そこに南が戻ってきた。
「おかずだけでもこれだけあるのに、主食とメインディッシュがまだ出てないの。たけのこご飯と巻狩鍋風の汁物に、バジルののったトマトソースとチーズのハンバーグ。さらには、小さなカップに入った豆乳プリン。さっき味見したけど、蜂蜜のシャリシャリしたとこが乗っていて、甘さ控えめ」
「こんなに食べられるかな?」奈緒が目をキラキラさせながら、唾をごくり。
春樹が恍惚の眼差しをお椀の湯気の出所に向ける。
「この汁物、どんだけ具が入ってんの? 肉だけで鶏と豚?」
「猪豚」おばあちゃんが応える。
「それに何種類もの野菜ときのこ類にこんにゃく。もし家で作ったら、おかずこれだけでごはんが出てくるぞ」
「確かに、中くらいのどんぶりによそったとしたら、すんごいボリュームになりそう」務が笑った。
「キッチンの棚にうるしのお膳があるのを見つけて、わたしのアイディアで乗っけたけど、乗り切れなかった。だから、ハンバーグとデザートは別盛で」
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