FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

♨️

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 春樹に呼ばれてやって来た務が加わる。
「詳しくは知らないけど、那須が近いなら、新幹線で行けるんじゃない? もし迷惑じゃなかったら、僕も行きたいな。最近、塾で机に向かいっぱなしでいるから、たまには息抜きしたいよね、根気詰めるのもよくないし」
「温 泉 いいなぁ。わたしも 入りたい なぁ」奈緒が羨ましそうに言葉を粒立てて呟く。
「酸性の温泉だったかな。十円玉を入れると変色するの。それが不思議で、何枚も試した気がする。あと、飲んでみたら、歯が溶けるって怒られた。そういえば、山の中なのに、なんでお刺身が出るの? ってお母さんに聞いたら、笑ってた。お父さんも、仲居さんの前では言っちゃいけないぞっだって」
「さすがバカ」春樹が称賛した。
「嬉しくないよ」
「杏奈も誘って五人で行こうぜ。一年の時の同窓会ってことで。連休の一部は部活休む。最後の日曜日は大会があるからさけてくれよ」
「地区のやつ? 多いよね、練習試合に毛が生えただけのやつ。あんまり多すぎて、だんだん呆れてきたよ」
 奈緒も頷く。
「うん。勝っても負けても、なんかどうでもいい、かな? ありがたみがないって言ったら変だけど、もう どうでもいい」
「まあ、そう言ってくれるなって、今後も応援頼むぜ」
 続々と教室に戻ってくる生徒たちを見やった春樹が続ける。
「お、もう少しで休み終わるか。とりあえず、なんか予定考えておいてくれよ。俺、今からA組に行って、杏奈にも声かけてくるからさ」
 そしてそのまま教室をあとにする。
「じゃあ、どうしよっか。今日バイトないから放課後時間あるけど」
 南がそう言いながら、務を見た。
「僕は、塾があるからなぁ」
「じゃあ、わたしのうちで作戦会議」と奈緒。
 南がこの言葉へ同意したことが合図となって、二人が自分の席に戻った。
 待ち遠しいのか、この子はそわそわしながら一日を過ごして、七時間目の授業が終わると同時に、南のところへぴょこぴょこ駆けて行く。そして、部活へと向かう準備をしている瑠衣と陽菜子にバイバイをして教室をあとにし、自宅へと向かった。







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