FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🖼️

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 今日は金曜日だったので、お昼休みが終わるとすぐにクラブ活動が始まる。奈緒はトイレを済ませてから二人と別れ、引き続き入った体操クラブの活動に参加するために階段へと向かった。
「なおちん」
 踊場へと足を下ろした時に声をかけられて振り返ると、映画鑑賞クラブに行ったはずの瑠衣が立っている。
「どうしたの?」と奈緒が訊くと、彼女は言った。
「うん、大したことじゃないのぉ。お昼のおしゃべりの続きしようかなって思ってぇ。気になっていたけど、本人が近くにいて訊けなかったこと。小沢さんって彼氏いるのかなぁ?」
 きょとんとした奈緒を顧みずに、瑠衣が一緒に階段を下りながら続けて話してくる。
「気にならない? 高木君かなぁ? 土屋君かなぁ? それとも他校の暴走族かなぁ?」
「暴走族には入っていないと思うよ、きっと。分かんないけど」奈緒は訝しげに答える。
「どういう人と付き合うのか気になるよねぇ、中学には不良いなかったしぃ、わたしとは違うタイプの人だからぁ」
 根掘り葉掘り訊いてくる瑠衣に、奈緒は真剣に願いを述べる。
「瑠衣ちゃんは、陽菜ちゃんみたく嫌わないから、お願い。南ちゃんとも お昼 食べよう」
「それはどうかなぁ、わたしたちとは種類が違うから、小沢さんも楽しめないかもしれないよぉ。どっちかっていったらぁ、一人のほうが気が楽だって思っているかもぉ」
「そんなぁ」
 いやそうな顔をする奈緒をフォローするように、瑠衣が嫋やかに微笑む。
「別になおちんのことがきらいなわけじゃなくてぇ、こういうグループには興味がないよ。それにぃ、ひなちっちが小沢さんのこといやがっているでしょ、それなのに無理に入れたらひなちっちが可哀想だよぉ。だから、放課後とか休みの日に遊べばいいんじゃなーい?」
「でも、“えこライブ”のお集まりがある。“えこライフ”、違うかな?」
「? なんだか分からないけど、美術部のでしょ。それが終われば、いつも通りだよ」
 そう言った瑠衣は、はたと気がついて辺りを見渡す。
「そうだ、クラブいかなきゃ」
 奈緒が何かを言いかけていたのもお構いなしに、彼女は女の子走りで去って行った。


🖌️黒岩いろは✏️ と後輩たち
作画:緒方宗谷
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