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二年生の一学期
第百話 変わる環境
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「どうしたの? ため息なんてついて」心愛が言った。
美術部員たちと出会った翌日の放課後、エコみらい とごしの一階で行われていた美術部の話し合いは和気あいあいと行われていたが、心愛は、時々これ見よがしに奈緒がつく大きなため息を見かねて声をかけてきたようだった。
待っていましたとばかりに、奈緒が顔を上げる。
「あのね、実はね、楽しかったお昼休みが、最近楽しくないの。ひみつ。ひみつだけれども」
「お昼休みって、いつものメンバーでグループ作って屋上で食べてる時のこと言ってるの?」
「ううん。二年になってから食べてない。最初の日に、南ちゃんと 務君と 屋上に行こうとしたら、前に座る瑠衣ちゃんが、一緒にご飯食べようって誘ってきたんだけど、断ったの。だって、いつも、屋上で 食べているから。そしたら、言うの。誰が? 瑠衣ちゃんが。そんなでは、お友達になれませんよ、お友達になろうねって言ったのはうそですか? そんなことを したら、またいじめられますよって。そうして、陽菜ちゃんとも一緒に 食べました。美味しかったです」
「楽しくない話は?」
思い出したように、奈緒が語り始める。
「そうだった。このままじゃ、友達が変わっちゃう。増えるのはうれしいけど、南ちゃんたちが 離れていくのは いやなの。もう一週間くらい、杏奈ちゃんや、務君と 話して いない。おんなじクラスの南ちゃんも、務君も、よそよそ し く て、わたし一人ぼっちになっちゃう」
恐る恐る一年生の彩音が言葉を挟んだ。
「その南さんて、小沢南さんですか? あの不良の」
「うわ」と左隣のこよみが小さく絶叫した。
その反応を不思議に思ったのか、奈緒が「なんで?」と、最初に声を発した一年に訊く。
「不良とバイク盗んだ人ですよね。今でも悪びれもしないでタバコ吸ってるっていう」
「えっ、そうなの?」いろはが驚いた。
慌てて奈緒が説明する。
「吸ってなよ。わたしいつも一緒にいるけど、そんなところ見たことない。誰から聞いたの?」
彩音は、こよみと顔を見合わせると、少し迷った様子を見せてから答えた。
「先生とかがそれとなく。でも噂になっていますよ」
奈緒は答えなかったが、却ってそれがまずかったのか、みんなの注目が集まる。
美術部員たちと出会った翌日の放課後、エコみらい とごしの一階で行われていた美術部の話し合いは和気あいあいと行われていたが、心愛は、時々これ見よがしに奈緒がつく大きなため息を見かねて声をかけてきたようだった。
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「あのね、実はね、楽しかったお昼休みが、最近楽しくないの。ひみつ。ひみつだけれども」
「お昼休みって、いつものメンバーでグループ作って屋上で食べてる時のこと言ってるの?」
「ううん。二年になってから食べてない。最初の日に、南ちゃんと 務君と 屋上に行こうとしたら、前に座る瑠衣ちゃんが、一緒にご飯食べようって誘ってきたんだけど、断ったの。だって、いつも、屋上で 食べているから。そしたら、言うの。誰が? 瑠衣ちゃんが。そんなでは、お友達になれませんよ、お友達になろうねって言ったのはうそですか? そんなことを したら、またいじめられますよって。そうして、陽菜ちゃんとも一緒に 食べました。美味しかったです」
「楽しくない話は?」
思い出したように、奈緒が語り始める。
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「その南さんて、小沢南さんですか? あの不良の」
「うわ」と左隣のこよみが小さく絶叫した。
その反応を不思議に思ったのか、奈緒が「なんで?」と、最初に声を発した一年に訊く。
「不良とバイク盗んだ人ですよね。今でも悪びれもしないでタバコ吸ってるっていう」
「えっ、そうなの?」いろはが驚いた。
慌てて奈緒が説明する。
「吸ってなよ。わたしいつも一緒にいるけど、そんなところ見たことない。誰から聞いたの?」
彩音は、こよみと顔を見合わせると、少し迷った様子を見せてから答えた。
「先生とかがそれとなく。でも噂になっていますよ」
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