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一年生の三学期
🐿️
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「うん。ひだまりと不動は、いつも支部大会の決勝であたるの。公式非公式どの大会でも」
心愛が答えると、南が驚いた。
「全部見たの? 高木のやつ、いつから出てた?」
「最初から。春大会でレギュラーに選ばれていてびっくりした。スタメンじゃなかったけど。その時すごいなって注目しちゃった」
「ふーん。ていうか、荏原地区ってなんなの?」
心愛が首を傾げて悩んでいると、代わりに杏奈が答える。
「正確には荏原区。二葉、中延から旗の台の当たりと武蔵小山駅周辺まで、昔は荏原区っていう一つの区だったみたい。今は東京二十三区だけれど、昔は三十五区あったんだって。たぶん不動は隣の品川区だったんじゃないかしら」
「へぇ、じゃあ不動は隣の旧区最強ってことか? ちなみにここは旧何区?」南が感心しながら問う。
「知らない。この辺りって、品川区と目黒区の県境にあるでしょ。だから、どっちかだったんじゃない?」
「アプリ見ると、ここって住所は五反田みたいだから、旧品川区なんじゃない? 三十五区時代に品川区があればけれど」
「分からないわよ。駅名は目黒不動尊から取ったと思うし。ほら、目黒駅って目黒区じゃなくて品川区にあるでしょ。だから、旧目黒区だったかも。旧目黒区があればの話だけど」
「ていうか、この大会なんなの? インターハイとかウィンターカップとか、公式大会にはつながらないんでしょ?」
「分からずに応援していたの? 一年生大会でしょ。ちゃんとした公式の大会よ」
心愛が黒目がちでつぶらな瞳に、三人を収める。
「この大会は小さいし公式ではないけれど、旧荏原区と旧品川区で四校ずつ選ばれて、昨日子葉高[こばこう。正式な学校名はしようと読む]でベスト4と8が決まって、今日ここで一位から四位決定戦、教化大付属で五位から八位決定戦が行われるのよ」
※この作品は全てフィクションです。
心愛が答えると、南が驚いた。
「全部見たの? 高木のやつ、いつから出てた?」
「最初から。春大会でレギュラーに選ばれていてびっくりした。スタメンじゃなかったけど。その時すごいなって注目しちゃった」
「ふーん。ていうか、荏原地区ってなんなの?」
心愛が首を傾げて悩んでいると、代わりに杏奈が答える。
「正確には荏原区。二葉、中延から旗の台の当たりと武蔵小山駅周辺まで、昔は荏原区っていう一つの区だったみたい。今は東京二十三区だけれど、昔は三十五区あったんだって。たぶん不動は隣の品川区だったんじゃないかしら」
「へぇ、じゃあ不動は隣の旧区最強ってことか? ちなみにここは旧何区?」南が感心しながら問う。
「知らない。この辺りって、品川区と目黒区の県境にあるでしょ。だから、どっちかだったんじゃない?」
「アプリ見ると、ここって住所は五反田みたいだから、旧品川区なんじゃない? 三十五区時代に品川区があればけれど」
「分からないわよ。駅名は目黒不動尊から取ったと思うし。ほら、目黒駅って目黒区じゃなくて品川区にあるでしょ。だから、旧目黒区だったかも。旧目黒区があればの話だけど」
「ていうか、この大会なんなの? インターハイとかウィンターカップとか、公式大会にはつながらないんでしょ?」
「分からずに応援していたの? 一年生大会でしょ。ちゃんとした公式の大会よ」
心愛が黒目がちでつぶらな瞳に、三人を収める。
「この大会は小さいし公式ではないけれど、旧荏原区と旧品川区で四校ずつ選ばれて、昨日子葉高[こばこう。正式な学校名はしようと読む]でベスト4と8が決まって、今日ここで一位から四位決定戦、教化大付属で五位から八位決定戦が行われるのよ」
※この作品は全てフィクションです。
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