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一年生の二学期
🎀
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それでも逡巡する学年生徒会長が、意を決した様子でみんなを視界に納めた。
「やっぱりだめよ。詞の内容が交流会に合わないわ。子供と高齢者が中心なんだから、絶対にクレームになると思う」
ウィップスは何も答えない。魚子だけが菜緒を一瞥した。
そのまま無かったことになりそうな雰囲気が形成されるのを阻止するかの如く、言い出しっぺが一生懸命訴える。
「やる! やるの! いいの!」
「学年生徒会はなんとかなだめられると思う。でも、実行委員会や先生たちがなんて言うか……」
安奈が諭す橫で、魚子が無感動ながらも口を挟む。
「歌詞が不適切ってだけで、賛同はしてくれるんでしょ。」だんだんと楽しげになって、「成瀬の案は却下して、あたしたちで決めよう」
だが菜緒が食い下がる。
「だめぇ、じゃあ、ん、ん、ん、これぇーー」
力んだあと、落ち着いてリズムをとり始めると、上半身だけを倒立振子のように揺らし、ほよよ、といった表情で口ずさむ。
「ーーおうおうおあいつつつだったけぇ~ おつも っ っ っ から~のの~かな~」
魚子がかおりを見る。ポニーテール少女はなにも言葉を返さず、スマホをいくらかタップした。
こくはくしたのはいつのことだったっけ
おもいだせないくらいむかしにおもえるのは いつもいっしょにいたからなのかな
あのときはまださくらのはなびらがまうきせつだったから まちはこころとおなじいろをしていたよね
はじめててをつないだときのぬくもりは いまもかわらずにわたしをあたためてくれる
暖乃の表情が、すぐさま双葉のように芽吹く。
「松宮美々の『大好き』だ。さっきの曲もおんなじ人だよね。これならいいんじゃない?」
視線を投げかけられた他のメンバー二人が頷いたので、安奈は堪忍しそうな様子でまた考え込む。だか、乗り気な暖乃に押しきられる形で、実行する方向の雰囲気が作られた。
「やっぱりだめよ。詞の内容が交流会に合わないわ。子供と高齢者が中心なんだから、絶対にクレームになると思う」
ウィップスは何も答えない。魚子だけが菜緒を一瞥した。
そのまま無かったことになりそうな雰囲気が形成されるのを阻止するかの如く、言い出しっぺが一生懸命訴える。
「やる! やるの! いいの!」
「学年生徒会はなんとかなだめられると思う。でも、実行委員会や先生たちがなんて言うか……」
安奈が諭す橫で、魚子が無感動ながらも口を挟む。
「歌詞が不適切ってだけで、賛同はしてくれるんでしょ。」だんだんと楽しげになって、「成瀬の案は却下して、あたしたちで決めよう」
だが菜緒が食い下がる。
「だめぇ、じゃあ、ん、ん、ん、これぇーー」
力んだあと、落ち着いてリズムをとり始めると、上半身だけを倒立振子のように揺らし、ほよよ、といった表情で口ずさむ。
「ーーおうおうおあいつつつだったけぇ~ おつも っ っ っ から~のの~かな~」
魚子がかおりを見る。ポニーテール少女はなにも言葉を返さず、スマホをいくらかタップした。
こくはくしたのはいつのことだったっけ
おもいだせないくらいむかしにおもえるのは いつもいっしょにいたからなのかな
あのときはまださくらのはなびらがまうきせつだったから まちはこころとおなじいろをしていたよね
はじめててをつないだときのぬくもりは いまもかわらずにわたしをあたためてくれる
暖乃の表情が、すぐさま双葉のように芽吹く。
「松宮美々の『大好き』だ。さっきの曲もおんなじ人だよね。これならいいんじゃない?」
視線を投げかけられた他のメンバー二人が頷いたので、安奈は堪忍しそうな様子でまた考え込む。だか、乗り気な暖乃に押しきられる形で、実行する方向の雰囲気が作られた。
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