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一年生の三学期
🐿️
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四人が俯く。
ポットから急須にお湯を入れた小太り警官は、350ミリリットル缶くらいの大きさがある湯呑にお茶を注いで戻ってきた。
「いい加減帰ったら? 容疑者には合わせられないし、なにも答えられないからね。君たち、今なにしているか分かっていないんじゃないの? 取り調べ中の我々をこんなことで釘付けにしているんだぞ。一歩間違えば、公務執行妨害になりかねないんだぞ。共犯がいたらどうすんだ。こうしている間にも第二第三の被害が出るかもしれんのに。どう責任取る気」
「責任って……」
杏奈が口を開いたが、小太り警官に睨みつけられて押し黙る。
「ないなんて言わせねーよ。少なくとも、そう言えねぇだろ。それとも言うの? 被害者に。聞いた話じゃ、共犯がいるかもしれねぇよ。お前らが邪魔しなかったら、もう落ちていて、共犯を逮捕しに行っているかもしれないんだぞ。それなのに関係ないって言えるのか、おぅ?」
最後に凄まれて、杏奈が肩をすぼめる。
奈緒が、区分けされて個室化したエリアを指さして言い返す。
「あそこにいるん で す よ ね? 会わせてくれたら いーじゃないですか」
突然、バンッという衝撃音がした。
「いいわけないだろ。調子に乗るなよ。なにさまだお前。立場分かってんのか。お前らみんな疑われてんだぞ、共犯者だってな。それ踏まえてもの言えや」
机をたたいた左手で湯呑を掴むと、熱そうに一啜りした。
憔悴しきった様子の杏奈が務越しに春樹を見やってから、隣の務を見上げる。二人は困った様子でその視線に答える。奈緒も動揺を隠せない様子で眉間にしわを寄せ、唇を震わせていた。
それを後ろ姿から見て取った務が、おずおずとした様子で彼女の左ひじに触れようとしたその時、この子が口を開いて、彼は指先をとめる。
「暑い。ここ暑い」
大きく息を吸った奈緒はそう言って、もそもそと上着を脱ごうとしだす。
ボアコートを脱いで四人のために用意されていたパイプ椅子に置くと、マフラーを外してカーディガンのフロントボタンを七つ外していく。そして、一番下に着ていた薄手のデニムワイシャツとチェックで薄い薄黄土色のチノパンだけになった。
ポットから急須にお湯を入れた小太り警官は、350ミリリットル缶くらいの大きさがある湯呑にお茶を注いで戻ってきた。
「いい加減帰ったら? 容疑者には合わせられないし、なにも答えられないからね。君たち、今なにしているか分かっていないんじゃないの? 取り調べ中の我々をこんなことで釘付けにしているんだぞ。一歩間違えば、公務執行妨害になりかねないんだぞ。共犯がいたらどうすんだ。こうしている間にも第二第三の被害が出るかもしれんのに。どう責任取る気」
「責任って……」
杏奈が口を開いたが、小太り警官に睨みつけられて押し黙る。
「ないなんて言わせねーよ。少なくとも、そう言えねぇだろ。それとも言うの? 被害者に。聞いた話じゃ、共犯がいるかもしれねぇよ。お前らが邪魔しなかったら、もう落ちていて、共犯を逮捕しに行っているかもしれないんだぞ。それなのに関係ないって言えるのか、おぅ?」
最後に凄まれて、杏奈が肩をすぼめる。
奈緒が、区分けされて個室化したエリアを指さして言い返す。
「あそこにいるん で す よ ね? 会わせてくれたら いーじゃないですか」
突然、バンッという衝撃音がした。
「いいわけないだろ。調子に乗るなよ。なにさまだお前。立場分かってんのか。お前らみんな疑われてんだぞ、共犯者だってな。それ踏まえてもの言えや」
机をたたいた左手で湯呑を掴むと、熱そうに一啜りした。
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それを後ろ姿から見て取った務が、おずおずとした様子で彼女の左ひじに触れようとしたその時、この子が口を開いて、彼は指先をとめる。
「暑い。ここ暑い」
大きく息を吸った奈緒はそう言って、もそもそと上着を脱ごうとしだす。
ボアコートを脱いで四人のために用意されていたパイプ椅子に置くと、マフラーを外してカーディガンのフロントボタンを七つ外していく。そして、一番下に着ていた薄手のデニムワイシャツとチェックで薄い薄黄土色のチノパンだけになった。
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