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一年生の三学期
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「学校に出前頼むってまずいよ。ここで受け取る気なの? 生徒会として認めるわけにはいかないかな。そもそも栄養偏ってるよ」
そう言う務に、奈緒が反問する。
「どうして? 先生だってラーメン頼んでたよ。去年見たもん。あらー、美味しそう、食べた―いって思ったわよ」
やんややんや、と問答を繰り返しているうちに、お昼休みが終わってしまった。
それから五、六時間目を経て七時間目が終わり、奈緒が帰りの準備をしていると、ハーフジップのジャージ姿をした春樹が教室に入ってきた。
それに気がついて、奈緒が声をかける。
「あれぇー、春樹君だ。今日お休みだとばかり思っていたわよ。どう したの? 体育ないのに、ジャージの格好なんかして、なにして るの? どうしていなかったの?」
「なにって、不動高校でバスケの試合やってたから。今戻ってきた」
「俺、このあと体育館に行って練習するから、これで失礼するわ」
席にいた杏奈が春樹を見上げる。
「そうだ、今、新人戦大会の期間中でしょ。がんばってる?」
「ああ、今年の決勝リーグとベスト8はうちの体育館で開かれるから、応援に来てくれよ」
奈緒が間を置かずに口を開く。
「うん、行く。南ちゃんも行こうね」
「勝った?」南が、真ん中最後尾の席から、春樹に向かって顔を出した。
「いや負けた。でもベスト8に入ったから、試合はまだ続く。十五日に五位から八位の順位決定戦がうちであるんだけど、そこで旭日[きょくじつ]学園とかと対戦しなきゃなんねーから、気合い入れねーと。近年ひだまりはどの大会でもベスト16入りがやっとだったけど、今回はベスト4目前までいけた。関東新人戦には出られなかったけど、この調子で行けば、俺らが三年の時、関東大会どころかインターハイも夢じゃねー」
「それでバスケ部みんなジャージなんだ。しかもちやほやされてる」南がクラスを見渡す。
「ライバルの不動高に勝てたからな。それに、優勝候補の躬行[きゅうこう]学園相手にいい線いけたから、一瞬とはいえ久々の関東新人戦大会が視野に入って浮足立ってんだろ。そういう俺もだけど」
奈緒が言った。
「春樹君は、三年のレギュラーにも入って いたん でしょ。今後の大会が 楽 し み だ ね」
「ああ。でもその前に一月十六日。日曜日だから忘れんなよ」
そう言った期待の一年生は、ドラム型リュックをを机に置いて体育館へと向かう。
奈緒たちは、「がんばって」と声をかけて見送った。
🏀高木春樹🏀
作画:緒方宗谷
そう言う務に、奈緒が反問する。
「どうして? 先生だってラーメン頼んでたよ。去年見たもん。あらー、美味しそう、食べた―いって思ったわよ」
やんややんや、と問答を繰り返しているうちに、お昼休みが終わってしまった。
それから五、六時間目を経て七時間目が終わり、奈緒が帰りの準備をしていると、ハーフジップのジャージ姿をした春樹が教室に入ってきた。
それに気がついて、奈緒が声をかける。
「あれぇー、春樹君だ。今日お休みだとばかり思っていたわよ。どう したの? 体育ないのに、ジャージの格好なんかして、なにして るの? どうしていなかったの?」
「なにって、不動高校でバスケの試合やってたから。今戻ってきた」
「俺、このあと体育館に行って練習するから、これで失礼するわ」
席にいた杏奈が春樹を見上げる。
「そうだ、今、新人戦大会の期間中でしょ。がんばってる?」
「ああ、今年の決勝リーグとベスト8はうちの体育館で開かれるから、応援に来てくれよ」
奈緒が間を置かずに口を開く。
「うん、行く。南ちゃんも行こうね」
「勝った?」南が、真ん中最後尾の席から、春樹に向かって顔を出した。
「いや負けた。でもベスト8に入ったから、試合はまだ続く。十五日に五位から八位の順位決定戦がうちであるんだけど、そこで旭日[きょくじつ]学園とかと対戦しなきゃなんねーから、気合い入れねーと。近年ひだまりはどの大会でもベスト16入りがやっとだったけど、今回はベスト4目前までいけた。関東新人戦には出られなかったけど、この調子で行けば、俺らが三年の時、関東大会どころかインターハイも夢じゃねー」
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「ライバルの不動高に勝てたからな。それに、優勝候補の躬行[きゅうこう]学園相手にいい線いけたから、一瞬とはいえ久々の関東新人戦大会が視野に入って浮足立ってんだろ。そういう俺もだけど」
奈緒が言った。
「春樹君は、三年のレギュラーにも入って いたん でしょ。今後の大会が 楽 し み だ ね」
「ああ。でもその前に一月十六日。日曜日だから忘れんなよ」
そう言った期待の一年生は、ドラム型リュックをを机に置いて体育館へと向かう。
奈緒たちは、「がんばって」と声をかけて見送った。
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