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一年生の二学期
🍳
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「杏奈ちゃんと一緒だ」奈緒が、黒いお皿を見て喜ぶ。
「それじゃあ、成瀬さんの歌とダンスの成功を祝して、いただきましょうか」
杏奈がそう音頭をとると、一斉に「「「いただきまーす」」」と言って食べ始める。
務が言った。
「木のスプーンていうのが和むね。普通のカレーよりもミルキーな色してるけど、ピリリとした軽い辛さがちゃんとあって美味しい」
春樹も食レポを加える。
「なんとなく直火っぽい風味があるじゃん。女性向けというか子供向けな感じもするけど、なかなかワイルドさを隠してる感じ」
「具はなんなの?」奈緒が春樹に訊く。
「人参と玉ねぎと豚肉」
「シンプルなやつだ」
「でも王道だよね。オムライスはどう?」
「あれとかこれとかそれとか もう色々入ってる。分かんないけど おい しい ね」
笑う奈緒の横で、南がチーク色のスプーンで掬い取られて形の変わったオムライスを見やった。
「小さな扇状のにんじんとグリンピースとコーンかな」
「味はあっさりしてるし、卵の味がいっぱいするし、ベーコンが美味しい」
奈緒はそう言って、サイコロ状の小さなベーコンをスプーンで転がし、
「数が少ないから残念 だ け ど、いいの かな? この くらい だから いいの かな? たまに見つけると、すごくうれしい。それに、ベーコンって すごいベーコンだよね。これ食べると、オムライスがベーコンになるもん。だから、どう言えばいいの? とても“のうこん”なお味です」
「確かに存在感あるよね」南が笑う。「味のジャンルを変えるほどのインパクトがあるよ」
「グラタンもよかったなぁ」と奈緒が羨んで、「なに入ってるの?」と訊く。
「チキンとほうれん草ときのこのマカロニグラタン」
「ペンネでしょ」杏奈がつっこむ。
「細かいこと気にしない。はふはふ。すっごい熱々。でもこの熱々がいいんだよね、なんでだろ。やけどするの分かってて止まんない。それに、この表面を覆った黒い粒粒が星みたいできれいだね。こういう焦げ方初めて見た。なんかわたしのだけ、ちょっと高級。赤いナプキンが敷いてあるし」
丸皿と楕円のグラタン皿の間のそれをつまんでそう言うと、「このグラタン皿、中は白いけど横は茶色いんだね」と付け加えた。
奈緒が訊く。
「杏奈ちゃんのパスタは、わたしのとおんなじお皿だ。どんな味?」
「それじゃあ、成瀬さんの歌とダンスの成功を祝して、いただきましょうか」
杏奈がそう音頭をとると、一斉に「「「いただきまーす」」」と言って食べ始める。
務が言った。
「木のスプーンていうのが和むね。普通のカレーよりもミルキーな色してるけど、ピリリとした軽い辛さがちゃんとあって美味しい」
春樹も食レポを加える。
「なんとなく直火っぽい風味があるじゃん。女性向けというか子供向けな感じもするけど、なかなかワイルドさを隠してる感じ」
「具はなんなの?」奈緒が春樹に訊く。
「人参と玉ねぎと豚肉」
「シンプルなやつだ」
「でも王道だよね。オムライスはどう?」
「あれとかこれとかそれとか もう色々入ってる。分かんないけど おい しい ね」
笑う奈緒の横で、南がチーク色のスプーンで掬い取られて形の変わったオムライスを見やった。
「小さな扇状のにんじんとグリンピースとコーンかな」
「味はあっさりしてるし、卵の味がいっぱいするし、ベーコンが美味しい」
奈緒はそう言って、サイコロ状の小さなベーコンをスプーンで転がし、
「数が少ないから残念 だ け ど、いいの かな? この くらい だから いいの かな? たまに見つけると、すごくうれしい。それに、ベーコンって すごいベーコンだよね。これ食べると、オムライスがベーコンになるもん。だから、どう言えばいいの? とても“のうこん”なお味です」
「確かに存在感あるよね」南が笑う。「味のジャンルを変えるほどのインパクトがあるよ」
「グラタンもよかったなぁ」と奈緒が羨んで、「なに入ってるの?」と訊く。
「チキンとほうれん草ときのこのマカロニグラタン」
「ペンネでしょ」杏奈がつっこむ。
「細かいこと気にしない。はふはふ。すっごい熱々。でもこの熱々がいいんだよね、なんでだろ。やけどするの分かってて止まんない。それに、この表面を覆った黒い粒粒が星みたいできれいだね。こういう焦げ方初めて見た。なんかわたしのだけ、ちょっと高級。赤いナプキンが敷いてあるし」
丸皿と楕円のグラタン皿の間のそれをつまんでそう言うと、「このグラタン皿、中は白いけど横は茶色いんだね」と付け加えた。
奈緒が訊く。
「杏奈ちゃんのパスタは、わたしのとおんなじお皿だ。どんな味?」
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