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一年生の二学期
第五十七話 お食事会
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翌日の日曜日の朝。奈緒はいつもよりおしゃれをした。パーティードレスとしても使えそうな紺色でストレートなフルレングスのパンツスタイル。アウターはいつも通りの赤いギンガムチェックのワイシャツに、薄桃色のボアコートとふわもこマフラー。
茶色いてさげを一つ持った半身不随の少女が、待ち合わせ場所の北千束駅に到着すると、すでに南、杏奈、務、春樹の四人が待っていた。
「おはよー」と声を掛け合いながら手を振って歩む奈緒が、そばまで行くと口を開く
「おまたせー。遅刻かしら、十一時」奈緒はそう言って辺りを見渡す。
「大丈夫だよ、まだ五分前だから」南が答える。
「つーか、こんにちはなんじゃね?」
春樹が呈した疑問に、務が答えを教える。
「こんにちは、は十一時からだよ」
「あとは、あれ、だれ? ナナちゃんたち。ウィップスだ」奈緒が改札の奥をのぞき込む。
すると、杏奈が言った。
「あの子たち来れないって」
それを聞いて残念そうな顔をするこの子に続ける。
「来たいのはやまやまなんだけれど、レッスンがあるから今回は遠慮しておくって。なんとか説得しようとしたんだけれど、三人でするから気にしないでって言われて諦めちゃった。怒らせて、また成瀬さんとの関係がぎくしゃくするとなんだし。それと、みんなによろしく言っておいてだって」
「ダンスのレッスンくらい休めばいいのに」南がつっけんどんに答えた。
場の空気を和ますように、春樹が話題を変える。
「奈緒は、今日も独特なファッションしているよな。外観は女子高生だけど、内装はずいぶんとユニークじゃん」
奈緒が手を広げて答える。
「お母さんからもらった。下に着て いる ワイシャツも お母さんからもらった“くるく”。見えないけど」
くるくはシルクのことかと、誰もつっこまない。一通りの誉め言葉を浴びた奈緒は、「それ で は いき ま しょ う」とみんなを引き連れて、高架下へと向かって歩き始める。
2020年代のファンクが流れるカフェの中に入ると、奈緒が店員さんに言った。
「奥の 部屋は 空いて ます か?」
「ごめんなさいね、昨日お電話でお伝えした通り、今日は予約が入っていて使えないの」
「そうでした」そう答えて、店内を見渡していたみんなのほうに向きなおる。
「パー ティーの 予約は 五日前から だ か ら、無理でしたから、普通のお食事会です。でもいいよね、美味しいから。楽しいから」そう笑って、「どうしようか」と続ける。
茶色いてさげを一つ持った半身不随の少女が、待ち合わせ場所の北千束駅に到着すると、すでに南、杏奈、務、春樹の四人が待っていた。
「おはよー」と声を掛け合いながら手を振って歩む奈緒が、そばまで行くと口を開く
「おまたせー。遅刻かしら、十一時」奈緒はそう言って辺りを見渡す。
「大丈夫だよ、まだ五分前だから」南が答える。
「つーか、こんにちはなんじゃね?」
春樹が呈した疑問に、務が答えを教える。
「こんにちは、は十一時からだよ」
「あとは、あれ、だれ? ナナちゃんたち。ウィップスだ」奈緒が改札の奥をのぞき込む。
すると、杏奈が言った。
「あの子たち来れないって」
それを聞いて残念そうな顔をするこの子に続ける。
「来たいのはやまやまなんだけれど、レッスンがあるから今回は遠慮しておくって。なんとか説得しようとしたんだけれど、三人でするから気にしないでって言われて諦めちゃった。怒らせて、また成瀬さんとの関係がぎくしゃくするとなんだし。それと、みんなによろしく言っておいてだって」
「ダンスのレッスンくらい休めばいいのに」南がつっけんどんに答えた。
場の空気を和ますように、春樹が話題を変える。
「奈緒は、今日も独特なファッションしているよな。外観は女子高生だけど、内装はずいぶんとユニークじゃん」
奈緒が手を広げて答える。
「お母さんからもらった。下に着て いる ワイシャツも お母さんからもらった“くるく”。見えないけど」
くるくはシルクのことかと、誰もつっこまない。一通りの誉め言葉を浴びた奈緒は、「それ で は いき ま しょ う」とみんなを引き連れて、高架下へと向かって歩き始める。
2020年代のファンクが流れるカフェの中に入ると、奈緒が店員さんに言った。
「奥の 部屋は 空いて ます か?」
「ごめんなさいね、昨日お電話でお伝えした通り、今日は予約が入っていて使えないの」
「そうでした」そう答えて、店内を見渡していたみんなのほうに向きなおる。
「パー ティーの 予約は 五日前から だ か ら、無理でしたから、普通のお食事会です。でもいいよね、美味しいから。楽しいから」そう笑って、「どうしようか」と続ける。
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