122 / 419
一年生の二学期
🎀
しおりを挟む
魚子がそれに笑いを返す。
「まあ、ドラゴンが火を吹く代わりに、桜吹雪吹くみたいなことしてるんでしょ。ほんと皇大受かっちゃうかもしれないね。応援するよ、協力はできないけど、頭悪いから」
すると、暖乃が言葉をかぶせかける。
「息抜きならいくらでも協力するよ。勉強しすぎも体に悪いから、今度どっか行こうよ、杏奈誘って」
務が暖乃から視線を逸らす。その先にいた奈緒は相変わらずバウンズしながらもそれに気がついて、視線を送り返す。
務は視線を戻すと、ゆっくりと息を吸って言った。
「今は、成瀬さんのことをなんとかしないと」
「いいじゃん、成瀬なんて」
そう言う暖乃の話を遮って、彼が話を続ける。
「これを逃したら、もう大きなイベントはないじゃない。そしたらそのまま進級してしまうから元も子もなくなって、成瀬さんの環境作りは一からやり直しだよ。うまい具合に杏奈と同じクラスになれればいいけれど、七分の一の確率でしょ。それに、今のウィップスの人気はうなぎのぼりだから、一緒いる成瀬さんに手を出せる生徒っていない。今のうちに地位の向上を図って居場所を確保しないと、卒業するまで一人になってしまうし、最悪色々されてしまうかも。だから、地域交流会でのダンスショーを成功させてやりたいんだ」
唇に人差し指の付け根の甲を添えて真剣に聞き入っていた魚子が言った。
「まあ、立役者の杏奈のことをねぎらってあげてね。なにかあげるといいよ」
務が「うん」と頷くと、三人は満足そうに笑った。
「まあ、ドラゴンが火を吹く代わりに、桜吹雪吹くみたいなことしてるんでしょ。ほんと皇大受かっちゃうかもしれないね。応援するよ、協力はできないけど、頭悪いから」
すると、暖乃が言葉をかぶせかける。
「息抜きならいくらでも協力するよ。勉強しすぎも体に悪いから、今度どっか行こうよ、杏奈誘って」
務が暖乃から視線を逸らす。その先にいた奈緒は相変わらずバウンズしながらもそれに気がついて、視線を送り返す。
務は視線を戻すと、ゆっくりと息を吸って言った。
「今は、成瀬さんのことをなんとかしないと」
「いいじゃん、成瀬なんて」
そう言う暖乃の話を遮って、彼が話を続ける。
「これを逃したら、もう大きなイベントはないじゃない。そしたらそのまま進級してしまうから元も子もなくなって、成瀬さんの環境作りは一からやり直しだよ。うまい具合に杏奈と同じクラスになれればいいけれど、七分の一の確率でしょ。それに、今のウィップスの人気はうなぎのぼりだから、一緒いる成瀬さんに手を出せる生徒っていない。今のうちに地位の向上を図って居場所を確保しないと、卒業するまで一人になってしまうし、最悪色々されてしまうかも。だから、地域交流会でのダンスショーを成功させてやりたいんだ」
唇に人差し指の付け根の甲を添えて真剣に聞き入っていた魚子が言った。
「まあ、立役者の杏奈のことをねぎらってあげてね。なにかあげるといいよ」
務が「うん」と頷くと、三人は満足そうに笑った。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる