FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

🍭

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「超ポジティブ」春樹が感心している左隣で、務が「どんなふうに?」と南に訊く。
「給食前でおなかすかせている男子に、わたしのおなか食べる? とか、所持品の抜き打ち検査がある時、みんなに向かって、隠し事はわたしの三段腹に早くしまって、とか言って笑い取ってた」
「それ特殊すぎて参考にならない」杏奈が呆れる。
「要は考え方次第だよね。横綱みたいに欠点を武器に変えちゃえる子もいるんだよ。あいつがネガティブに捉えたりすれば、いじめになっちゃうんだろうけど――」
 務が遮って言った。
「ちょっと待って。それってその女子次第ってこと? 小沢さんは、あれだけ鳥羽さんたちを非難していたのに、その話だと、成瀬さんの感じ方次第ってことにならない? ひどいことを言われた人たちにそれを受け入れて、自虐ネタで笑いをとれって言うの? それで居場所を得ていた彼女には申し訳ないけど、笑われているのを受け入れろって言うのは酷じゃないかな」
 そして、杏奈に視線を移し、
「杏奈も鳥羽さんたちを庇いすぎだと思う。確かにあの三人には悪気はないのかもしれないけれど、だからと言って成瀬さんが傷ついていることがおかしいなんてことにはならないし、我慢しなきゃいけないことにもならないよ。相手のことを思ってやっているのなら、なおさら相手のことに親身になってあげないと。言ってあげているなんて押しつけがましい言い方は間違っていると思うよ」
 杏奈が慌てた。
「うん、うん、そうだよね。務君の言う通りだと思う。言い方が悪くてごめんね。わたしもおかしいとは思っていたから、ナナたちにはちゃんと言っていたし。ただ、人にはそれぞれ考え方があるから、相手の言い分も理解してあげなきゃって思っただけ」
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