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気持ちを言葉にする大切さ
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ここは、天界に広がる雲海に浮かぶ喜びが満ち溢れた豊かな楽園、植物の神々が住む花の里。暖かい午後の日差しが燦々と降り注ぐ草原の真ん中に、とても大きなお城が聳え立っていました。
ノシバに覆われたそのお城の外庭を、小さな赤ちゃんが1人よちよちよちよちと歩いています。
「やーのっ、やーの!しないの!」
何かから逃げている様子でした。
右手には細いひものようなものが、クネクネしています。よく見ると白蛇でした。
うまく歩けない赤ちゃんは、手をバタつかせるものだから、白蛇の頭はあっちに行ったりこっちに来たり大騒ぎで、目が回ってしまいます。
足をもつらせてヨロヨロヨロヨロ、遂には転んでしまいました。赤ちゃんの女の子が振り返ると、大きな白蛇が頭をもたげています。うっすらと黄色い光を帯びています。妖精の様でした。
「その子をお返しなさい」
母親の様です。赤ちゃんが持っていたのはひもではなく、白蛇の赤ちゃんでした。
「やー」
泣きながら袖の先を羽毛に変えて、赤ちゃんはフワッと浮かんで落ちました。それでも、白蛇の牙から逃れた赤ちゃんは、ヨチヨチヨチチ、と歩いていきます。この子は鳥の精の様です。
段々とイバラが多くなってきました。自然にできた小さくて歪なアーチの下を何度もくぐって、大きな玉のようになったバラが植わった裏庭の端っこに到着しました。
白蛇の赤ちゃんは振り回されて、キューキュー鳴いています。母蛇は、誤って我が子を食べてしまいそうで、鳥の赤ちゃんを襲うことが出来ません。遂に鳥の赤ちゃんは、イバラの下にモソモソと入って行ってしまいました。もちろん白蛇の赤ちゃんも一緒です。
この日、蛇の里から、睡蓮の町の見学旅行の一団が来ていました。お城の一部が開放されていたので、見学に来ていたのです。この鳥の赤ちゃんの母親も旅行で来ていたのですが、2人の母親は運悪く、外庭の南側で子供とはぐれてしまったのでした。
そよ風が運ぶ微かな花の香りに誘われて、2人の赤ちゃんは裏庭の方にハイハイしながらやってきてしまったのです。
「ピヨピヨピヨピヨ、良い香り」鳥の赤ちゃんが微笑みます。
「良い鼻してるね、ひよこちゃん」
ノシバの精が言いました。
「あっちの方に行くと、バラの花が咲いているよ。
小さな花だけれど、沢山あるよ。
ちょっとだけだけど、蜜もあるよ」
甘い蜜があると聞いて、鳥の赤ちゃんは立ち上がって、裏庭の端の方にヨチヨチ歩いていきました。
同じ頃、白蛇の赤ちゃんもノシバの中をヨチヨチニョロロと、蛇の姿で這っていました。目の前には、少し癖のついた長い黒髪の赤ちゃんがモソモソしています。蛇の赤ちゃんは1匹で寂しかったので、近寄っていきました。
何かが近くにいることに気が付いた鳥の赤ちゃんは辺りを見渡しましたが、時折吹く強い風に匂いがかき消されて、どこに何がいるのか分かりません。
キューしゃーんキューしゃーん、と鳴き声が聞こえたので振り返ると、小さくて細い長い白蛇の赤ちゃんの頭が、ノシバの合間から突然現れました。
「やー!!」
鳥の赤ちゃんはビックリ仰天、ペシッと蛇を叩きました。驚いた蛇が背を向けると、ホッペを膨らませた鳥の赤ちゃんが、しっぽをつかんで振り回します。
キューキューと鳴く声を聞きつけて、白蛇の妖精がやってきました。初めは人の姿をしていましたが、我が子を見つけて蛇の姿に戻った母親は、鳥の赤ちゃんに向かって突進してきます。
シャーシャーと舌を震わせて出したり引っ込めたりする様が怖くて、鳥の赤ちゃんは逃げ出しました。握ったしっぽを放せば良いのに放さないものだから、蛇の母親は執拗に追いかけて来たのです。
蛇の母親は、イバラの中に潜ってきました。遂にしっぽを放した鳥の赤ちゃんは、ひよこの姿になって、羽をバタつかせてトゲトゲの間を登って言います。蛇の母親は追いかけようと頭を上げましたが、イバラを登っていくことが出来ません。なんせ、蛇には手足がありませんから、登るためには体をイバラに巻き付けないといけないのです。そんなことをすれば、全身怪我をしてしまいます。
蛇が追いかけてこない事に気が付いた鳥の赤ちゃんはイバラの上でうずくまり、ピヨピヨ泣いています。
その頃、ようやく解放された蛇の赤ちゃんは、キョロキョロ辺りを見ていました。イバラのドームに囲まれた土の上にバラの花びらが積もって、柔らかいベッドの様でした。
天井を見上げると、木漏れ日は入ってきません。ということは、雨が降っても雨漏りしないという事です。白蛇の赤ちゃんは、ここに住もうと決めました。
「ハルちゃん、ハルちゃん、私のハルちゃん出ておいで」親蛇が呼びました。
「うーうん、出ないの、わたし、ここに住むわ」
「何を言っているの? わたしの赤ちゃん。
あなたのお家は蛇の里ですよ」
「うーうん、わたしここに住むの」
突然のことに、親蛇はビックリして言いましたが、娘は出てきません。困り顔でトグロを巻いて何日も説得しましたが、ここは花の姫の居城です。ですから、どこよりも安全だと考えた親蛇は、娘のハルを1人暮らしさせることにしました。頭上にはひよこがいましたが、赤ちゃんとはいえ蛇の敵にはなりそうもありませんから、放って帰っていきました。
困ったのは鳥の赤ちゃんです。まだ幼すぎて、これ以上は登れません。下には、キューしゃーん、キューしゃーん、と舌なめずりをする蛇の赤ちゃんがいます。帰ることが出来ずに途方にくれました。
何日かするとお腹が空いてきましたが、下を見ると、毎日白蛇のハルが見上げていましたから動けません。更に何日か過ぎると、さすがに耐えられません。恐る恐る羽をバタつかせて、隣のツルに移動して、咲いていた花に顔を突っ込みました。ほんの少しですが、蜜を吸ったのです。
成長期の赤ちゃんには全然足りないので、行ったり来たりしながら、蜜をなめて回りました。これで何とか飢え死にしなくてすみそうです。
お腹を空かせた蛇が諦めて去るのを待つことにしたのですが、一向に去りません。蛇の様子を見ていると、小さな虫を食べているようでした。
花の里に虫は住んでいませんが、蜜や果実を貰おうとやってくる虫達の発する神気が、時々虫になりそうでならない光の粒となって、チョロチョロ飛んでいるのです。光の粒に羽と足が生えた、魂どころか命も宿っていない羽虫をパクッとしていたのでした。
それを見た鳥の赤ちゃんは諦めました。ですが悲しくありませんでした。「まー良っか」とアッケラカンとしています。この花が何か分かりませんが、とても甘くて美味しかったので、当分ここにいることにしたのでした。
「チーチーチーチー」と子供を呼ぶ声が聞こえてきます。
「お母さんだ!!」
鳥の赤ちゃんは喜んで、上を見上げました。ようやく我が子を発見した親鳥がやってきたのです。体調10cmあるかないかの黄色い小鳥です。黄金ミツスイの精でした。
「スズ、わたしのスズ、ここにいたのね、わたしのスズ。
さあ帰りましょう」
母鳥は言いました。
スズが羽をバタつかせて帰ろうとした時、ハルが見上げていることにふと気が付きました。
(わたしがここから離れたら、ここはあの子のお家になっちゃう・・・)
スズはそう思いました。
辺りを見渡すと、何輪もの花が咲いています。小さな赤オレンジの実がなっているのも見つけました。このイバラには誰も住んでいません。自分が巣を作れば、この花々は全部私の物、とスズは思いました。
(あの蛇にはあげたくないなぁ)
蛇は肉食なので、蜜も実も関係ないのですが、少しシャクに感じます。
スズは突然言いました。
「お母さん、わたしここに住むわ、ねえ良いでしょう?」
親鳥はビックリしませんでした。いつかは巣立つ我が娘です。見渡すと沢山の花が咲いていましたから、食べる物にも困りません。トゲに覆われたセキュリティーハウスです。下に蛇がいるのが気になりますが、登っては来られないでしょう。親鳥はチーチー鳴きながら、鳥の里へ帰って行きました。
一番喜んだのはハルです。そして言いました。
「ねえ、スズちゃん、わたしとお友達になってちょうだいよ」
その時ようやく分かりました。この白蛇は自分を食べようとしていたのではなく、お友達になりたかったのです。ハルの気持ちを知ることの出来たスズは、安心して暮らせるようになりました。
ノシバに覆われたそのお城の外庭を、小さな赤ちゃんが1人よちよちよちよちと歩いています。
「やーのっ、やーの!しないの!」
何かから逃げている様子でした。
右手には細いひものようなものが、クネクネしています。よく見ると白蛇でした。
うまく歩けない赤ちゃんは、手をバタつかせるものだから、白蛇の頭はあっちに行ったりこっちに来たり大騒ぎで、目が回ってしまいます。
足をもつらせてヨロヨロヨロヨロ、遂には転んでしまいました。赤ちゃんの女の子が振り返ると、大きな白蛇が頭をもたげています。うっすらと黄色い光を帯びています。妖精の様でした。
「その子をお返しなさい」
母親の様です。赤ちゃんが持っていたのはひもではなく、白蛇の赤ちゃんでした。
「やー」
泣きながら袖の先を羽毛に変えて、赤ちゃんはフワッと浮かんで落ちました。それでも、白蛇の牙から逃れた赤ちゃんは、ヨチヨチヨチチ、と歩いていきます。この子は鳥の精の様です。
段々とイバラが多くなってきました。自然にできた小さくて歪なアーチの下を何度もくぐって、大きな玉のようになったバラが植わった裏庭の端っこに到着しました。
白蛇の赤ちゃんは振り回されて、キューキュー鳴いています。母蛇は、誤って我が子を食べてしまいそうで、鳥の赤ちゃんを襲うことが出来ません。遂に鳥の赤ちゃんは、イバラの下にモソモソと入って行ってしまいました。もちろん白蛇の赤ちゃんも一緒です。
この日、蛇の里から、睡蓮の町の見学旅行の一団が来ていました。お城の一部が開放されていたので、見学に来ていたのです。この鳥の赤ちゃんの母親も旅行で来ていたのですが、2人の母親は運悪く、外庭の南側で子供とはぐれてしまったのでした。
そよ風が運ぶ微かな花の香りに誘われて、2人の赤ちゃんは裏庭の方にハイハイしながらやってきてしまったのです。
「ピヨピヨピヨピヨ、良い香り」鳥の赤ちゃんが微笑みます。
「良い鼻してるね、ひよこちゃん」
ノシバの精が言いました。
「あっちの方に行くと、バラの花が咲いているよ。
小さな花だけれど、沢山あるよ。
ちょっとだけだけど、蜜もあるよ」
甘い蜜があると聞いて、鳥の赤ちゃんは立ち上がって、裏庭の端の方にヨチヨチ歩いていきました。
同じ頃、白蛇の赤ちゃんもノシバの中をヨチヨチニョロロと、蛇の姿で這っていました。目の前には、少し癖のついた長い黒髪の赤ちゃんがモソモソしています。蛇の赤ちゃんは1匹で寂しかったので、近寄っていきました。
何かが近くにいることに気が付いた鳥の赤ちゃんは辺りを見渡しましたが、時折吹く強い風に匂いがかき消されて、どこに何がいるのか分かりません。
キューしゃーんキューしゃーん、と鳴き声が聞こえたので振り返ると、小さくて細い長い白蛇の赤ちゃんの頭が、ノシバの合間から突然現れました。
「やー!!」
鳥の赤ちゃんはビックリ仰天、ペシッと蛇を叩きました。驚いた蛇が背を向けると、ホッペを膨らませた鳥の赤ちゃんが、しっぽをつかんで振り回します。
キューキューと鳴く声を聞きつけて、白蛇の妖精がやってきました。初めは人の姿をしていましたが、我が子を見つけて蛇の姿に戻った母親は、鳥の赤ちゃんに向かって突進してきます。
シャーシャーと舌を震わせて出したり引っ込めたりする様が怖くて、鳥の赤ちゃんは逃げ出しました。握ったしっぽを放せば良いのに放さないものだから、蛇の母親は執拗に追いかけて来たのです。
蛇の母親は、イバラの中に潜ってきました。遂にしっぽを放した鳥の赤ちゃんは、ひよこの姿になって、羽をバタつかせてトゲトゲの間を登って言います。蛇の母親は追いかけようと頭を上げましたが、イバラを登っていくことが出来ません。なんせ、蛇には手足がありませんから、登るためには体をイバラに巻き付けないといけないのです。そんなことをすれば、全身怪我をしてしまいます。
蛇が追いかけてこない事に気が付いた鳥の赤ちゃんはイバラの上でうずくまり、ピヨピヨ泣いています。
その頃、ようやく解放された蛇の赤ちゃんは、キョロキョロ辺りを見ていました。イバラのドームに囲まれた土の上にバラの花びらが積もって、柔らかいベッドの様でした。
天井を見上げると、木漏れ日は入ってきません。ということは、雨が降っても雨漏りしないという事です。白蛇の赤ちゃんは、ここに住もうと決めました。
「ハルちゃん、ハルちゃん、私のハルちゃん出ておいで」親蛇が呼びました。
「うーうん、出ないの、わたし、ここに住むわ」
「何を言っているの? わたしの赤ちゃん。
あなたのお家は蛇の里ですよ」
「うーうん、わたしここに住むの」
突然のことに、親蛇はビックリして言いましたが、娘は出てきません。困り顔でトグロを巻いて何日も説得しましたが、ここは花の姫の居城です。ですから、どこよりも安全だと考えた親蛇は、娘のハルを1人暮らしさせることにしました。頭上にはひよこがいましたが、赤ちゃんとはいえ蛇の敵にはなりそうもありませんから、放って帰っていきました。
困ったのは鳥の赤ちゃんです。まだ幼すぎて、これ以上は登れません。下には、キューしゃーん、キューしゃーん、と舌なめずりをする蛇の赤ちゃんがいます。帰ることが出来ずに途方にくれました。
何日かするとお腹が空いてきましたが、下を見ると、毎日白蛇のハルが見上げていましたから動けません。更に何日か過ぎると、さすがに耐えられません。恐る恐る羽をバタつかせて、隣のツルに移動して、咲いていた花に顔を突っ込みました。ほんの少しですが、蜜を吸ったのです。
成長期の赤ちゃんには全然足りないので、行ったり来たりしながら、蜜をなめて回りました。これで何とか飢え死にしなくてすみそうです。
お腹を空かせた蛇が諦めて去るのを待つことにしたのですが、一向に去りません。蛇の様子を見ていると、小さな虫を食べているようでした。
花の里に虫は住んでいませんが、蜜や果実を貰おうとやってくる虫達の発する神気が、時々虫になりそうでならない光の粒となって、チョロチョロ飛んでいるのです。光の粒に羽と足が生えた、魂どころか命も宿っていない羽虫をパクッとしていたのでした。
それを見た鳥の赤ちゃんは諦めました。ですが悲しくありませんでした。「まー良っか」とアッケラカンとしています。この花が何か分かりませんが、とても甘くて美味しかったので、当分ここにいることにしたのでした。
「チーチーチーチー」と子供を呼ぶ声が聞こえてきます。
「お母さんだ!!」
鳥の赤ちゃんは喜んで、上を見上げました。ようやく我が子を発見した親鳥がやってきたのです。体調10cmあるかないかの黄色い小鳥です。黄金ミツスイの精でした。
「スズ、わたしのスズ、ここにいたのね、わたしのスズ。
さあ帰りましょう」
母鳥は言いました。
スズが羽をバタつかせて帰ろうとした時、ハルが見上げていることにふと気が付きました。
(わたしがここから離れたら、ここはあの子のお家になっちゃう・・・)
スズはそう思いました。
辺りを見渡すと、何輪もの花が咲いています。小さな赤オレンジの実がなっているのも見つけました。このイバラには誰も住んでいません。自分が巣を作れば、この花々は全部私の物、とスズは思いました。
(あの蛇にはあげたくないなぁ)
蛇は肉食なので、蜜も実も関係ないのですが、少しシャクに感じます。
スズは突然言いました。
「お母さん、わたしここに住むわ、ねえ良いでしょう?」
親鳥はビックリしませんでした。いつかは巣立つ我が娘です。見渡すと沢山の花が咲いていましたから、食べる物にも困りません。トゲに覆われたセキュリティーハウスです。下に蛇がいるのが気になりますが、登っては来られないでしょう。親鳥はチーチー鳴きながら、鳥の里へ帰って行きました。
一番喜んだのはハルです。そして言いました。
「ねえ、スズちゃん、わたしとお友達になってちょうだいよ」
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