愛するということ

緒方宗谷

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12.男子トーク 

1.公開処刑

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 休み時間の出来事だ。
「なあ、上条、お前、村上と仲いいよな、付き合ってんのか?」
 友達の小栗智明が言った。あだ名は栗ちー、格好良い感じのモンチ顔の野球部員だ。
「まさか、幼馴染みの友達だよ」陸が答える。
「でもよ、村上はお前のことまんざらじゃないんじゃないか? なんていうか、すごくお似合いに見えるぞ」
 小栗がそう言うと、それを聞いた寺西洋介が会話に参加してきた。あだ名は寺っち、こちらは可愛い感じのモンチ顔の剣道部員。寺西は小栗と比べて背が低いので、凸凹コンビだ。
「それな、俺も思ってた。羨ましいよな、村上って結構可愛いもんな。
 男勝りなところもあるけど、それとは裏腹にスタイル抜群じゃん? 去年の夏の水着姿が目に焼き付いて離れん」
 「そうだよな」色めき立つ小栗「上条は運がいいよ、なんせプールはこれからだぜ。1年経って、より成長した女子達をすぐに見られるんだからな」
「そうそう、俺なんかプールのために1年頑張ってきたようなものだからな」
 それを聞いた陸は、鼻で笑って言う。
「プールのため? 違うだろ?」
「そうだな、違うな、わははははは」小栗が笑う。
 それを聞いていた数人の女子が、男子らしい会話の内容に苦言を呈する。
「ちょっと、あんた達、上条君を変な話に巻き込まないでよね」
「なんだよ、上条だって男子だぞ」
 寺西はそう言い返すが、女子達はそれを全否定して、陸に微笑みかけて言った。
「あんた達とは違うの! ね、上条君?」
「ん? ああ、そうだね」
「嘘つけ上条‼」
 2人が騒ぐ。続けて小栗が陸に言った。
「お前だって、俺らと同類のはずじゃ! 白状しろ」
「女子を見て、可愛いなぁとは思うよ。水着姿も可愛いと思うよ。でも、なんか、お前らの目はくすんでるぞ」
「嘘だ! お前の目もくすんでる‼」
 激しい抗議を受ける陸を援護すべく、女子達は笑って2人をけなした。
「ほら、言ったじゃない、あなた達の目が腐っているのよ」
 クラス中に爆笑の渦が巻き起こって、遠くからもヤジが飛ぶ。
「あなた達2人は、プール出禁よ」
「トイレで泳いでてね」
 大人しそうな子が結構ヒドイことを言うので、みんなは余計に笑った。
 寺西の泣きが入る。
「勘弁してくれー! 陸! 陸! 弁解してくれ、俺達が聖人の様に清い心の持ち主だって‼」
「聖人? 小に生きるの性人の間違いじゃないのか?」
「ギャー、トドメ刺された‼‼‼」
 2人に死亡フラグが立ちました。

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