たっくんの詩

緒方宗谷

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成年

満ちる

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坂が急すぎて、登れない君の手を引いて自転車をこぐ
エスコートされるお姫様のように満足げな君と微笑み合って
力いっぱい空の向こうを目指した

何でもない日常、特別な事は何もしないけど
ただ今その瞬間瞬間があるだけで幸せだと気が付いた一瞬が
今までで一番幸せだった

それから何気ない事でも
感じる幸せが大きくなった
まだ持っている物は少ない
いつか抱えきれないほどの物が手に入るのかも知れないけど
君の手を引いている今が
一番幸せだと思う
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