たっくんの詩

緒方宗谷

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青年

秘密

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好きな子いるのって聞かれた時、君が僕を好きなのかと思った
目の前の子のために訊いているなんて、思いもよらなかった

3年の夏に、神社の境内で偶然逢って、
何度かこっちをむいて笑ってほしいなって願ったけれど
君はうちわで口元を扇いでいたから
半分だけ思い止まった

ポニーテールだった髪が短くなって、
図工室の裏に2人で隠れて
ザラザラした制服がすれあって

はにかんで、見つめて、笑って、その繰り返しだった
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