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第20話 勇気はどこからやってくる?
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リザリアはタブレットを見て俺はスマートフォンでドローンを操作する。
操縦をしながら探すよりリザリアがタブレットを見てくれたほうが操縦しやすかった。
「何か見つかったか?」
「いいえ キノコ類ばっかりね。メソスティグマ城の周辺のキノコは干からびているし エルフでも住むのは無理でしょう」
「ドローンの高度をもっと高くすれば広い範囲を探せるけど AIが搭載されているドローンはこっちの世界でも決められた高度までしか上げられないみたいだ」
「AIって何かしら? 魔法のルーンみたいなものかしら?・・・」
昨日は 少しケンカをしたと言っても朝の目覚めは清々しかった。
だから 朝早くからスッキリとドローンを飛ばすことができた。
メソスティグマ城の付近が怪しいと思って 飛ばしてみたもののしなびたキノコが多い。
養分を吸収するだけのキノコだけじゃ 生態系を循環させることができないのか。
リザリアがタブレットを指さした。
「見てショウスケ! 荷台車を引いた人が歩いているわ」
タブレットを見せてもらうと 5人組がリアカーのような荷台を押してどこかへ進んでいるようだった。
金髪でミリーとも外見がよく似ている。
「よし ナスビを用意しよう」
俺は ナスビをバスケットに入れてプレゼントを用意すると5人組のところを目指して歩き出した。
・・・・・
ゴロゴロゴロゴロ
「はぁはぁ そろそろ 変わってくれないか?」
「ビスポなら 隠れ里まで大丈夫でやんすよ」
「それにしても アイツが出てこなかったのは運がよかったな。隊長の仕事も必要なかったな。グーラ?」
「里に帰るまでは気を抜くな お前たちも武器がすぐに取り出せるように準備をしておけ」
グーラは 背中に装備しているボーガンのベルトを締めなおした。
・・・・・
ドローンから5人組の位置情報が送られてくる。
それなりに進んでいるけど隠れ里に入る前に5人と合流できれば 5人の知り合いとして隠れ里に入ることができるだろう。
「もしも エルフの人たちが警戒して逃げ出してしまったら隠れ里に入れなくなったりしないかしら?」
リザリアの言う通りだ
後ろから 追いかけていけば話も出来ずに逃げて行ってしまうかもしれない。
「じゃぁ 回り込むか?」
ドローンがあれば 位置情報から有利に進むことも出来る。
地形的に 話し合いができそうな場所は・・・ あった!ここにしよう
「距離があるから少し走ろう リザリア」
「ええ」
・・・・・
「もうじき あれでやんすね。以前 アイツに仲間が襲われた場所でやんす。怖いでやんす」
「アイツが現れても荷だけは 放り出すな。隠れ里の希望になるかもしれんのだから」
「でもよぉ あの地形は逃げるのに不利過ぎるだろ?」
「王国から自由を勝ち取ったご先祖様たちの血が我々には流れている。もしもの時は武器をとれ!」
おー!!
・・・・・
ガサガサガサ
俺たちの目の前に5人組が現れた。
周囲をうかがうようにキョロキョロとすると 目と目を見合わせて動揺が隠せないようだった
そしてその中のリーダーらしきエルフが右手を腰に回すと仲間たちも 右手を背中に隠すように回す。
するとショウスケも 同じようにバスケットを腰のあたりに隠した。
ショウスケは エルフたちを見すえてまま小声でリザリアに話しかける
「リザリア・・プレゼントはサプライズしたほうがいいよな?」
「ええ その通りよ。よく知っていたわね」
「ああ ビスナトの村のビッツが言ってたんだ」
「やるじゃない」
リーダーらしき人物が訪ねてきた 「オレの名はグーラだ! お前は?」
俺は一歩前に出た。
「ショ・・ショウスケです!!!! 異世界人です・・」
「おいおい おどおどして何を警戒してるんだ?まさか オレたちを殺す気なのか?エルフと人族の交流は長らく途絶えているが敵対しているわけではない。むしろ仲間かもしれん。ちゃんと話してくれよ。ははは」
「はははあ でやす」
エルフたちが 引き笑いを始めたぞ。
マズイ・・ うまくいかなかった。 このまま逃げられてしまうと里がわからなくなるかもしれない。
せめて プレゼントだけでも渡さないと・・さらに一歩進んだけど
ダメだ・・緊張感があって右手を前に突き出す勇気がでない・・
「ショウスケ」
リザリアがバスケットを持っている俺の手を握る、温かさと一緒に何かが流れ込んでくるようだ!
リザリアが語り掛ける
「聞いてショウスケ・・ 私は知らない相手が怖い。 あなたもそうよね?でも どうしたらいいのかわからない私だけど・・いつでもショウスケの手を握ってあげるわ。だから 一緒にやりましょう」
リザリアがいてくれるなら・・俺はリザリアの手を握り返した
エルフたちは腰をかがめるように後ろに下がった。
「俺は ショウスケ! 仲間が病気になって薬草を探して隠れ里の近くまでやってきた。だから 里まで案内してくれないか?」
エルフたちは緊張を緩めると グーラはこちらに歩み寄ってきた
「その前に 一つ聞かせてくれ・・ どうして俺たちがここを通るとわかった?」
ショウスケは 肩の高さに指を持ってくると頭上を指さす
「ドローンで 上から見ていたんだ」
すると 数発の矢がドローン目がけて放たれた。
しかし AI搭載のドローンは数センチ、左右に動くと矢をすべて交わしてしまった。
グーラが叫ぶ
「お前たち辞めるんだ! 待ち伏せされていた時点でどういう状況なのかわからないのか!2人だけのはずがないだろ。しかも あのドローンとかいう化け物は弓を100発撃ったとしても当たらんぞ。つまりオレたちは逃げることも不可能だ」
グーラは 両手を広げて大の字になった。
「俺が隊長だ! 好きにしろ」
ショウスケは 歩み寄ると両手を広げたグーラに 右手に持っていたバスケットを突き出した。
時が止まったが・・ バスケットを恐る恐る開けると中からナスビが出てきた。
あはははははは
あはは でやす
がははは
「なんだ?そんなにナスビが嬉しかったのか?」
「ああ もちろんだ!ショウスケ お前は最高のヤツだ。 ビスポ オレたちも見せてやろう!」
バサ!
荷台にかけられている布が 剥がされると荷台にはナスビなどの野菜が積まれていたのだった。
操縦をしながら探すよりリザリアがタブレットを見てくれたほうが操縦しやすかった。
「何か見つかったか?」
「いいえ キノコ類ばっかりね。メソスティグマ城の周辺のキノコは干からびているし エルフでも住むのは無理でしょう」
「ドローンの高度をもっと高くすれば広い範囲を探せるけど AIが搭載されているドローンはこっちの世界でも決められた高度までしか上げられないみたいだ」
「AIって何かしら? 魔法のルーンみたいなものかしら?・・・」
昨日は 少しケンカをしたと言っても朝の目覚めは清々しかった。
だから 朝早くからスッキリとドローンを飛ばすことができた。
メソスティグマ城の付近が怪しいと思って 飛ばしてみたもののしなびたキノコが多い。
養分を吸収するだけのキノコだけじゃ 生態系を循環させることができないのか。
リザリアがタブレットを指さした。
「見てショウスケ! 荷台車を引いた人が歩いているわ」
タブレットを見せてもらうと 5人組がリアカーのような荷台を押してどこかへ進んでいるようだった。
金髪でミリーとも外見がよく似ている。
「よし ナスビを用意しよう」
俺は ナスビをバスケットに入れてプレゼントを用意すると5人組のところを目指して歩き出した。
・・・・・
ゴロゴロゴロゴロ
「はぁはぁ そろそろ 変わってくれないか?」
「ビスポなら 隠れ里まで大丈夫でやんすよ」
「それにしても アイツが出てこなかったのは運がよかったな。隊長の仕事も必要なかったな。グーラ?」
「里に帰るまでは気を抜くな お前たちも武器がすぐに取り出せるように準備をしておけ」
グーラは 背中に装備しているボーガンのベルトを締めなおした。
・・・・・
ドローンから5人組の位置情報が送られてくる。
それなりに進んでいるけど隠れ里に入る前に5人と合流できれば 5人の知り合いとして隠れ里に入ることができるだろう。
「もしも エルフの人たちが警戒して逃げ出してしまったら隠れ里に入れなくなったりしないかしら?」
リザリアの言う通りだ
後ろから 追いかけていけば話も出来ずに逃げて行ってしまうかもしれない。
「じゃぁ 回り込むか?」
ドローンがあれば 位置情報から有利に進むことも出来る。
地形的に 話し合いができそうな場所は・・・ あった!ここにしよう
「距離があるから少し走ろう リザリア」
「ええ」
・・・・・
「もうじき あれでやんすね。以前 アイツに仲間が襲われた場所でやんす。怖いでやんす」
「アイツが現れても荷だけは 放り出すな。隠れ里の希望になるかもしれんのだから」
「でもよぉ あの地形は逃げるのに不利過ぎるだろ?」
「王国から自由を勝ち取ったご先祖様たちの血が我々には流れている。もしもの時は武器をとれ!」
おー!!
・・・・・
ガサガサガサ
俺たちの目の前に5人組が現れた。
周囲をうかがうようにキョロキョロとすると 目と目を見合わせて動揺が隠せないようだった
そしてその中のリーダーらしきエルフが右手を腰に回すと仲間たちも 右手を背中に隠すように回す。
するとショウスケも 同じようにバスケットを腰のあたりに隠した。
ショウスケは エルフたちを見すえてまま小声でリザリアに話しかける
「リザリア・・プレゼントはサプライズしたほうがいいよな?」
「ええ その通りよ。よく知っていたわね」
「ああ ビスナトの村のビッツが言ってたんだ」
「やるじゃない」
リーダーらしき人物が訪ねてきた 「オレの名はグーラだ! お前は?」
俺は一歩前に出た。
「ショ・・ショウスケです!!!! 異世界人です・・」
「おいおい おどおどして何を警戒してるんだ?まさか オレたちを殺す気なのか?エルフと人族の交流は長らく途絶えているが敵対しているわけではない。むしろ仲間かもしれん。ちゃんと話してくれよ。ははは」
「はははあ でやす」
エルフたちが 引き笑いを始めたぞ。
マズイ・・ うまくいかなかった。 このまま逃げられてしまうと里がわからなくなるかもしれない。
せめて プレゼントだけでも渡さないと・・さらに一歩進んだけど
ダメだ・・緊張感があって右手を前に突き出す勇気がでない・・
「ショウスケ」
リザリアがバスケットを持っている俺の手を握る、温かさと一緒に何かが流れ込んでくるようだ!
リザリアが語り掛ける
「聞いてショウスケ・・ 私は知らない相手が怖い。 あなたもそうよね?でも どうしたらいいのかわからない私だけど・・いつでもショウスケの手を握ってあげるわ。だから 一緒にやりましょう」
リザリアがいてくれるなら・・俺はリザリアの手を握り返した
エルフたちは腰をかがめるように後ろに下がった。
「俺は ショウスケ! 仲間が病気になって薬草を探して隠れ里の近くまでやってきた。だから 里まで案内してくれないか?」
エルフたちは緊張を緩めると グーラはこちらに歩み寄ってきた
「その前に 一つ聞かせてくれ・・ どうして俺たちがここを通るとわかった?」
ショウスケは 肩の高さに指を持ってくると頭上を指さす
「ドローンで 上から見ていたんだ」
すると 数発の矢がドローン目がけて放たれた。
しかし AI搭載のドローンは数センチ、左右に動くと矢をすべて交わしてしまった。
グーラが叫ぶ
「お前たち辞めるんだ! 待ち伏せされていた時点でどういう状況なのかわからないのか!2人だけのはずがないだろ。しかも あのドローンとかいう化け物は弓を100発撃ったとしても当たらんぞ。つまりオレたちは逃げることも不可能だ」
グーラは 両手を広げて大の字になった。
「俺が隊長だ! 好きにしろ」
ショウスケは 歩み寄ると両手を広げたグーラに 右手に持っていたバスケットを突き出した。
時が止まったが・・ バスケットを恐る恐る開けると中からナスビが出てきた。
あはははははは
あはは でやす
がははは
「なんだ?そんなにナスビが嬉しかったのか?」
「ああ もちろんだ!ショウスケ お前は最高のヤツだ。 ビスポ オレたちも見せてやろう!」
バサ!
荷台にかけられている布が 剥がされると荷台にはナスビなどの野菜が積まれていたのだった。
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