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第11話 バザーと湖のコーヒー
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大きな布を広げてバザーの用意をする。
「私は どうすればいいのかしら?」
「豆を引いてくれないか?」
キャンプの要領で バザー会場で豆を引くと香りにつられて村人が集まってきた。
ドリッパーの中にお湯を注ぐと風船のように膨らみだして村人たちも 珍しいものを見るように眺めている。
「ふあふあしてるね」
「キノコのようだ」
感想は聞こえてくるけど 珍しい飲み物だからなのか。全く売れない。。
「泉の水のコーヒーです! 飲んでみませんか?」とでも言えれば売れるのかもしれないけど
俺たちは勇気が少しだけ足りなかった。
それにしても 昨晩は殺されなかった。
いつもと変わらない。 違うと言えばシャワーを浴びているリザリアが鼻歌を歌わなかったことぐらいか。
クロレラの言っていたことは本当なのか?間違いだと思いたい。。
まさか・・ そうだ。間違いだ。
じゃぁ 聞いてみるか?
でも なんて?
「俺を殺そうとしていますか?」
そんな単刀直入に聞いたら 今までの関係が終わってしまうだろう。
それより そろそろ窯の方が焼き上がったかな。
気を取り直して 軽食に用意をしていた「ドード・ホール」というホッとドックのようなパンをバザーに並べた。
・・・・
「ショウスケは料理に詳しいわよね? 今窯で焼いている料理だけどどうしてドード・ホールって名前なの?」
「ドード・ホールだけど窯の中をのぞいてごらんよ」
「ええ パン生地も熱で膨らみ始めて、ソーセージにも火が入り始めているわね」
「バケットの中のパン生地が水面で プカプカしているソーセージがカエルに見えるだろ?ははは」
「ソーセージが可哀そうに見えてきたわ ふふふ」
・・・・
焼き上がったドード・ホールをバザーに並べると コーヒーとホッとドックのような組み合わせが食べ歩きにちょうどいいのか、ポツポツと売れるようになった。
俺は休憩の間にガネーシャのバザーを見に行った。
昨日は売り切れの看板が出ていただけあって 人だかりができていた。
「おいしい♪」
「俺にも 売ってくれ」
「こっちもだ!」
「私は3人前 食べたいわ。」
ガネーシャは 両手を挙げてガッツポーズをしながら「カレーは うまい!すごく うまい! がははは」と喜んでポージングを取りながら叫んでいた。
呼び込みの掛け声は 「いらっしゃいませ」とかじゃなくてもいいんだな。
でも 俺にポージングを取りながらの「コーヒーは うまい!」なんて呼び込みができるか自信がなかった。
「ショウスケではないか!」
俺を見つけたガネーシャが 両手にカレーを掲げて俺のところにやってきた。
「これはお前たちのぶんのカレーだ。やはりカレーは最強なのだ。がははは」
「ありがとう」
いい匂いに シャバシャバの液体のスープカレーはおいしそうだった。
「うむ ショウスケよ。ユーモア賞は取れそうか?」
「それが・・で呼び込みができれば もう少し売れそうだけど。。」
「うむ ワレがしているようにショウスケのやりたいようにやればよいのじゃ。じゃが よし ショウスケが頑張れるようにワレの魔法を見せてやろう」
うぉぉ!!
ガネーシャは 地面に置いている石を拾うと気合を込めるように魔力を注いだ。
「これこそ スキル! 石をスパイスに変える力だ!がははは」
石ころは 黄色い粉へと変わるとスパイスの独特の香りが広がった。
魔法はすごいと思ったけど 「これだけですか?」と思わず言葉が漏れてしまう。
「心に書き込むルーンには 刻める数が決まっておるのじゃ。ワレのように1,000種類ものスパイスを心に刻めばこうなってしまう。じゃがワレは満足しておるぞ。カレーは最強じゃからな がははは」
「私は どうすればいいのかしら?」
「豆を引いてくれないか?」
キャンプの要領で バザー会場で豆を引くと香りにつられて村人が集まってきた。
ドリッパーの中にお湯を注ぐと風船のように膨らみだして村人たちも 珍しいものを見るように眺めている。
「ふあふあしてるね」
「キノコのようだ」
感想は聞こえてくるけど 珍しい飲み物だからなのか。全く売れない。。
「泉の水のコーヒーです! 飲んでみませんか?」とでも言えれば売れるのかもしれないけど
俺たちは勇気が少しだけ足りなかった。
それにしても 昨晩は殺されなかった。
いつもと変わらない。 違うと言えばシャワーを浴びているリザリアが鼻歌を歌わなかったことぐらいか。
クロレラの言っていたことは本当なのか?間違いだと思いたい。。
まさか・・ そうだ。間違いだ。
じゃぁ 聞いてみるか?
でも なんて?
「俺を殺そうとしていますか?」
そんな単刀直入に聞いたら 今までの関係が終わってしまうだろう。
それより そろそろ窯の方が焼き上がったかな。
気を取り直して 軽食に用意をしていた「ドード・ホール」というホッとドックのようなパンをバザーに並べた。
・・・・
「ショウスケは料理に詳しいわよね? 今窯で焼いている料理だけどどうしてドード・ホールって名前なの?」
「ドード・ホールだけど窯の中をのぞいてごらんよ」
「ええ パン生地も熱で膨らみ始めて、ソーセージにも火が入り始めているわね」
「バケットの中のパン生地が水面で プカプカしているソーセージがカエルに見えるだろ?ははは」
「ソーセージが可哀そうに見えてきたわ ふふふ」
・・・・
焼き上がったドード・ホールをバザーに並べると コーヒーとホッとドックのような組み合わせが食べ歩きにちょうどいいのか、ポツポツと売れるようになった。
俺は休憩の間にガネーシャのバザーを見に行った。
昨日は売り切れの看板が出ていただけあって 人だかりができていた。
「おいしい♪」
「俺にも 売ってくれ」
「こっちもだ!」
「私は3人前 食べたいわ。」
ガネーシャは 両手を挙げてガッツポーズをしながら「カレーは うまい!すごく うまい! がははは」と喜んでポージングを取りながら叫んでいた。
呼び込みの掛け声は 「いらっしゃいませ」とかじゃなくてもいいんだな。
でも 俺にポージングを取りながらの「コーヒーは うまい!」なんて呼び込みができるか自信がなかった。
「ショウスケではないか!」
俺を見つけたガネーシャが 両手にカレーを掲げて俺のところにやってきた。
「これはお前たちのぶんのカレーだ。やはりカレーは最強なのだ。がははは」
「ありがとう」
いい匂いに シャバシャバの液体のスープカレーはおいしそうだった。
「うむ ショウスケよ。ユーモア賞は取れそうか?」
「それが・・で呼び込みができれば もう少し売れそうだけど。。」
「うむ ワレがしているようにショウスケのやりたいようにやればよいのじゃ。じゃが よし ショウスケが頑張れるようにワレの魔法を見せてやろう」
うぉぉ!!
ガネーシャは 地面に置いている石を拾うと気合を込めるように魔力を注いだ。
「これこそ スキル! 石をスパイスに変える力だ!がははは」
石ころは 黄色い粉へと変わるとスパイスの独特の香りが広がった。
魔法はすごいと思ったけど 「これだけですか?」と思わず言葉が漏れてしまう。
「心に書き込むルーンには 刻める数が決まっておるのじゃ。ワレのように1,000種類ものスパイスを心に刻めばこうなってしまう。じゃがワレは満足しておるぞ。カレーは最強じゃからな がははは」
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