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第39話 エピローグ

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赤とんぼが堤防ていぼうに現れるようになってから急に季節が深まった気がする。
俺は学業に戻り、日々を過ごしていたがアケミは写真コンテストで最優秀賞を取ったらしい。

「俺も 何かに打ち込めるものを見つけたほうがいいのかな?」

俺の時間はあの時からずっと止まったままだった。
元の世界に戻った後は俺達は最初の資料館にいて警備のおっちゃんに発見されたときには幽霊だとか言われて驚かれたな。
その後は、いろいろな人にあちらの世界の事を話したり、調べたりしてみたけど、
日常の歯車というのは協力なようで、俺たちは日常へと戻されていった。

学校から家に帰りボーっとしていると日が暮れて月が上がり始めた。
「今日は 満月だったけ?」

少しだけ異世界にいた頃を思い出すことが出来るのが青白い満月の光だった。
「今日で 終わりにしよう。俺は 進むぞ」

満月の日を最後に異世界の事は忘れることにした。
そのためにも一番きれいな場所で一夜を明かして――忘れるんだ。
忘れられるのか?

奇麗な湖の湖面が見える場所にテントを張った。
月明かりが二つ見えるなんてまるで異世界みたいでいいじゃないか?
我ながらいい場所をチョイスできたと思った。
砂の積もった湖のふちを歩きながら異世界での出来事を思い出す。
「魔法・呪い・召喚にデバブ な~んでもありな世界だったな。あははは」

「あはははは」

「あはははは!!」

湖に向かって笑えばスッキリする気がした。
息がなくなるまで笑い続けて頭の後ろがボーっとしだしたときにリーファの声が蘇る。
「それで? 私に 全部 話しす・・」

潤んだ瞳や笑顔までが頭の中に蘇ってきた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁん! 俺・・俺はリーファを守ったんだよな?
守ってくれる男が好きだって言ってたじゃないか!!」

泣きじゃくってから疲れてテントに戻ると波打ち際に一枚の紙が流れ着いているのを見つけた。
その髪は月明かりとは別に金色に光っていた。
早速拾い上げて読み上げた。

「子供が 出来た。あなたのリーファ?!」

「えええええ!」

俺は携帯電話を取り出してアケミに電話を掛ける。

トルゥゥゥゥ

トルゥゥゥゥ

「はい アケミです」
「どうなってるんだ!」
「あれ?あれれ もしかして 審査員に心地よくしびれるくらいのセクシーショットを
使って最優秀賞を取った事がバレちゃった?うふふ」

「やっぱりそうか。地球に魔力がないだなんて嘘っぱちじゃないか。
アケミ―― 手伝ってもらうぞ」

「何をよ??」

「異世界に戻って、龍王を復活させてから龍王をぶっ飛ばす!!」

「はぁ・・??」

こうして俺の新しい旅が始まった。
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