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第18話 自然に潜む風の音
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昨日までは砂漠の暑さだったのに今は防寒着がないと
立っていられないほどの寒さだ。
ただ 兵士スクールの装備だけあって防寒着の見た目はゴツイが性能は高く
一度来てしまえば寒さをほとんど感じない。
食料も水もリュックにいっぱいあるし天気も雲一つないとてもいい天気なのは
イチゴちゃん人形の御利益なのかもしれないな。
それにしても聞いていた話とは違うのは砂漠で言っても今は夏に時期に当たるためかもしれない。
俺は運がいい。
というより リーファが死ぬはずがない。
俺がアイテムの氷結の葉を手に入れるのもただの運命のレールの一部に違いないと思った。
「楽勝じゃん!」
楽勝じゃんっと思った時期が俺にもありました。
アレから半日ほど登ると晴れていたはずの天気が急に悪くなり
雪が台風の雨のように吹き付ける吹雪になった。
白い雪は視界を奪うからどこを歩いているのか?
進んでいるのか?戻っているのか?もわからなくなってしまった。
こんな時に歩いていいのか?
バキバキ!!
「ん!」
何かにひびが入るような音がしたので立ち止まると
ちょうどいいタイミングで吹雪も途切れた。
すると あたり一面に現れたのはガケだった。
俺は 白いガケの上を歩いていたんだ。
動きが止まってしまい声が出ない。
「あははは あはははは ははははは」
誰かの笑い声が聞こえたと思ったら雪が音を立てて崩れ始めた。
バキバキ!
「うわぁ」
ガケの上だと思っていた場所はガケの上に積もったただの雪の塊だった。
落ちる瞬間 無我夢中で腕を振り回したおかげで偶然ガケの岩を掴むことが出来けど
さっきの声は 何だったのかわからない。
人がいるなら助けてほしいところだけど 人の気配は感じられないし
もしかすると雪の崩れる音が人の声のように聞こえただけなのかもしれない。
これが冬に住む魔物の正体か・・。
だけど もう 手がしびれてきた。
「もう ダメか・・」
落ちてしまうと思ってガケの下をのぞくと下はただ、ただ白くて
高いのか低いのか?柔らかいのか硬いのか?全くわからない。
一か八かの賭けに出るしかないのか?
そう思ったとき、腰に付けていたイチゴちゃん人形が目に入った。
あいきょうのある可愛いイチゴちゃん人形だ。
俺はこの人形を受け取った日にイチゴに言われたことを思い出した。
「イチゴちゃん人形はアイテムなのれす。頑張らなくちゃいけない状況があったら押すのれす」
確かこれは・・・
「これって 発明品だって言ってたな」
そうだ。
これだ! きっとこのピンチを救ってくれるのはこのアイテムに違いない。
震える手に力を込めてもう一方の手を腰の人形に伸ばす。
「あと ちょっと・・・。よし!取れたぞ」
俺は神に祈る気持ちでイチゴちゃん人形を押した。
「ぷぅ~ぴぃ~~~~♪」
イチゴちゃん人形は バンザイをして「ぷぅ~ぴぃ」と鳴いた。
へぇ~応援してくれたんだぁ
やる気が出てきたぞぉ!
なんて、ならないからぁ
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
俺は岩から手を放してしまった。
落ちているときって時間が止まっているように感じる。
だけど 強い衝撃を感じるとリュックがバラバラになって
その後の事は覚えていない。
しばらくして気が付いたけどその時ようやく生きているという事に気が付いた。
ガケの上を見上げるとあんな所から落ちて生きているのは奇跡だと思った。
「それにしても ここはどこだ?」
Uの字型の氷の通路。
どうしてこんな形になったのかはわからないけど 上と下に向かって通路のように伸びていた。
リュックを失った今は唯一のアイテムになってしまったのは落下したときに握っていたイチゴちゃん人形。
気を取り直して人形をポケットにしまうと上に向かって進むことにした。
U字型の通路。
氷で少し滑りやすい事を除けば吹雪が来たとしても守ってくれるだろうし
知ってたなら最初からここを歩いて登りたかった。
まっすぐ進むだけなんだから遅れてしまったペースもすぐに取り返して
今日中に凍結の葉を手に入れることができそうだ。
「それにしても 長い通路だな。どこまで続いているんだ? よし叫んでみるか ヤッホー!!!!」
山ではヤッホーなどと叫ぶと声が反響して帰って来ることがある。
正確な距離はわからないけどU字型の通路がどのくらい続いているのか確かめられるかも。
コダマはなかなか帰ってこないと思ったらヤッホーとは違う音が帰ってきた。
ゴゴゴゴゴゴゴ! ゴゴゴゴゴゴゴ!
「なんだ この威圧感。どんどんと迫力のある大音量が迫って来た」
ザバン!
目の前に現れたのは水?
これは洪水だ。
この通路は砂漠の街へ水を届けるために作られた天然の水路だったんだ。
「逃げろ!」
俺は下へ向かってひた走った。
下りという事もあり俺の足は速い
このまま勢いに乗って広い場所へ出て逃げてしまおう。
砂漠の街まで逃げ帰りたいくらいだ
そうしたい。
オアシスの湖でのんびりしたい。
カップルの連中みたいにイチャイチャしたい。
でも 思ったが相手がいないので口を摘むんだ。
今は全力で走ることにした。
「あははは あはははは ははははは」
だけど 声のような風の音がすると今度はホホに風が当たり
次の瞬間には進行方向からものすごい吹雪が押し寄せてきた。
後ろからは洪水が迫っている。
前進しようとしたけど体が前に進まない。
吹雪と思ったけどこれは冷気のブレスだ。
このままでは洪水に巻き込まれてしまう。
ふと上を見ると つかまれそうな岩が飛び出ている。
「ニンニクマン!とう!」
ニンニクマンに変身をすると 重たい上着を脱ぎすてて思いっきりジャンプをした。
岩につかまることで何とかやり過ごせた。
岩をよじ登ると洞窟があって 上に向かって進むことが出来そうだ。
一まずは上に向かうしかない。
ただ 食料もない。上着もない。
完全に追い詰められた状況だった。
俺が持っているものなんて・・・
ポケットに入れた イチゴちゃん人形ぐらいなものだ。
イチゴちゃん人形の陽気な顔を眺めていると
俺は イチゴとの会話を思い出した。。
「絶望的なもうダメって気持ちになったら イチゴの足を引っ張るれす」
思い出した。こっちの方が重要な話っぽかった気がする。
何だ俺は ちゃんと話を聞いてないじゃないか?
思い込みだったんだ。
「研究班会長のイチゴがあんなアイテムを渡すはずがない!」
もう 何も迷いはなかった。
「信じてるよ イチゴちゃん!!」
俺はイチゴの人形を持ち帰ると足を引っ張ってみた。
すると 人形の両手は持ち上がりスーパーマンが飛んでいるような格好になると
口が開いてシャボン玉が出てきた。出てきた。
「うわぁ~きれい。一人で絶望なんてしちゃダメなんだぁ~って
気づかされたけど 今の状況は無理!!」
シャボン玉もむなしく冷気で凍ってしまい丸い球体のビー玉のような塊になった。
凍っても割れないところが研究班の技術なのかもしれない。
でもさ そんなの関係ない! まあ 踏みつけたら簡単に割れるんだからさ!
「うぉぉぉ!!」
シャボン玉をすべて踏みつけてやった。
イチゴには少しだけ体が温まったと伝えておいた方がいいだろうか?
善意っていうのは たちが悪いのかもしれない。
「あれは?」
洞窟の中に街がある。
氷で作られた街は氷像で出来ていてサイズは小さいが
きれいに彫り込みが入れられていた。
さらに進むと 鍋や生活用品や凍り付いた感詰めまで出てきたぞ。
「これは誰かのおもてなしだろうか?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
さらに奥に進むと突然 魔物が現れた。
もうダメかもしれないと思った。
でもよく見るとそれは氷で出来た像だった。
そして象の真ん中には本のようなものが置かれている。
「これは日記?」
スクールではこちらの世界の言語も習うので日記程度なら読むことが出来るようになっていた。
日記を読んでわかったのはここに住んでいたのは100年前に魔物と住み着いた男だった。
立っていられないほどの寒さだ。
ただ 兵士スクールの装備だけあって防寒着の見た目はゴツイが性能は高く
一度来てしまえば寒さをほとんど感じない。
食料も水もリュックにいっぱいあるし天気も雲一つないとてもいい天気なのは
イチゴちゃん人形の御利益なのかもしれないな。
それにしても聞いていた話とは違うのは砂漠で言っても今は夏に時期に当たるためかもしれない。
俺は運がいい。
というより リーファが死ぬはずがない。
俺がアイテムの氷結の葉を手に入れるのもただの運命のレールの一部に違いないと思った。
「楽勝じゃん!」
楽勝じゃんっと思った時期が俺にもありました。
アレから半日ほど登ると晴れていたはずの天気が急に悪くなり
雪が台風の雨のように吹き付ける吹雪になった。
白い雪は視界を奪うからどこを歩いているのか?
進んでいるのか?戻っているのか?もわからなくなってしまった。
こんな時に歩いていいのか?
バキバキ!!
「ん!」
何かにひびが入るような音がしたので立ち止まると
ちょうどいいタイミングで吹雪も途切れた。
すると あたり一面に現れたのはガケだった。
俺は 白いガケの上を歩いていたんだ。
動きが止まってしまい声が出ない。
「あははは あはははは ははははは」
誰かの笑い声が聞こえたと思ったら雪が音を立てて崩れ始めた。
バキバキ!
「うわぁ」
ガケの上だと思っていた場所はガケの上に積もったただの雪の塊だった。
落ちる瞬間 無我夢中で腕を振り回したおかげで偶然ガケの岩を掴むことが出来けど
さっきの声は 何だったのかわからない。
人がいるなら助けてほしいところだけど 人の気配は感じられないし
もしかすると雪の崩れる音が人の声のように聞こえただけなのかもしれない。
これが冬に住む魔物の正体か・・。
だけど もう 手がしびれてきた。
「もう ダメか・・」
落ちてしまうと思ってガケの下をのぞくと下はただ、ただ白くて
高いのか低いのか?柔らかいのか硬いのか?全くわからない。
一か八かの賭けに出るしかないのか?
そう思ったとき、腰に付けていたイチゴちゃん人形が目に入った。
あいきょうのある可愛いイチゴちゃん人形だ。
俺はこの人形を受け取った日にイチゴに言われたことを思い出した。
「イチゴちゃん人形はアイテムなのれす。頑張らなくちゃいけない状況があったら押すのれす」
確かこれは・・・
「これって 発明品だって言ってたな」
そうだ。
これだ! きっとこのピンチを救ってくれるのはこのアイテムに違いない。
震える手に力を込めてもう一方の手を腰の人形に伸ばす。
「あと ちょっと・・・。よし!取れたぞ」
俺は神に祈る気持ちでイチゴちゃん人形を押した。
「ぷぅ~ぴぃ~~~~♪」
イチゴちゃん人形は バンザイをして「ぷぅ~ぴぃ」と鳴いた。
へぇ~応援してくれたんだぁ
やる気が出てきたぞぉ!
なんて、ならないからぁ
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
俺は岩から手を放してしまった。
落ちているときって時間が止まっているように感じる。
だけど 強い衝撃を感じるとリュックがバラバラになって
その後の事は覚えていない。
しばらくして気が付いたけどその時ようやく生きているという事に気が付いた。
ガケの上を見上げるとあんな所から落ちて生きているのは奇跡だと思った。
「それにしても ここはどこだ?」
Uの字型の氷の通路。
どうしてこんな形になったのかはわからないけど 上と下に向かって通路のように伸びていた。
リュックを失った今は唯一のアイテムになってしまったのは落下したときに握っていたイチゴちゃん人形。
気を取り直して人形をポケットにしまうと上に向かって進むことにした。
U字型の通路。
氷で少し滑りやすい事を除けば吹雪が来たとしても守ってくれるだろうし
知ってたなら最初からここを歩いて登りたかった。
まっすぐ進むだけなんだから遅れてしまったペースもすぐに取り返して
今日中に凍結の葉を手に入れることができそうだ。
「それにしても 長い通路だな。どこまで続いているんだ? よし叫んでみるか ヤッホー!!!!」
山ではヤッホーなどと叫ぶと声が反響して帰って来ることがある。
正確な距離はわからないけどU字型の通路がどのくらい続いているのか確かめられるかも。
コダマはなかなか帰ってこないと思ったらヤッホーとは違う音が帰ってきた。
ゴゴゴゴゴゴゴ! ゴゴゴゴゴゴゴ!
「なんだ この威圧感。どんどんと迫力のある大音量が迫って来た」
ザバン!
目の前に現れたのは水?
これは洪水だ。
この通路は砂漠の街へ水を届けるために作られた天然の水路だったんだ。
「逃げろ!」
俺は下へ向かってひた走った。
下りという事もあり俺の足は速い
このまま勢いに乗って広い場所へ出て逃げてしまおう。
砂漠の街まで逃げ帰りたいくらいだ
そうしたい。
オアシスの湖でのんびりしたい。
カップルの連中みたいにイチャイチャしたい。
でも 思ったが相手がいないので口を摘むんだ。
今は全力で走ることにした。
「あははは あはははは ははははは」
だけど 声のような風の音がすると今度はホホに風が当たり
次の瞬間には進行方向からものすごい吹雪が押し寄せてきた。
後ろからは洪水が迫っている。
前進しようとしたけど体が前に進まない。
吹雪と思ったけどこれは冷気のブレスだ。
このままでは洪水に巻き込まれてしまう。
ふと上を見ると つかまれそうな岩が飛び出ている。
「ニンニクマン!とう!」
ニンニクマンに変身をすると 重たい上着を脱ぎすてて思いっきりジャンプをした。
岩につかまることで何とかやり過ごせた。
岩をよじ登ると洞窟があって 上に向かって進むことが出来そうだ。
一まずは上に向かうしかない。
ただ 食料もない。上着もない。
完全に追い詰められた状況だった。
俺が持っているものなんて・・・
ポケットに入れた イチゴちゃん人形ぐらいなものだ。
イチゴちゃん人形の陽気な顔を眺めていると
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「絶望的なもうダメって気持ちになったら イチゴの足を引っ張るれす」
思い出した。こっちの方が重要な話っぽかった気がする。
何だ俺は ちゃんと話を聞いてないじゃないか?
思い込みだったんだ。
「研究班会長のイチゴがあんなアイテムを渡すはずがない!」
もう 何も迷いはなかった。
「信じてるよ イチゴちゃん!!」
俺はイチゴの人形を持ち帰ると足を引っ張ってみた。
すると 人形の両手は持ち上がりスーパーマンが飛んでいるような格好になると
口が開いてシャボン玉が出てきた。出てきた。
「うわぁ~きれい。一人で絶望なんてしちゃダメなんだぁ~って
気づかされたけど 今の状況は無理!!」
シャボン玉もむなしく冷気で凍ってしまい丸い球体のビー玉のような塊になった。
凍っても割れないところが研究班の技術なのかもしれない。
でもさ そんなの関係ない! まあ 踏みつけたら簡単に割れるんだからさ!
「うぉぉぉ!!」
シャボン玉をすべて踏みつけてやった。
イチゴには少しだけ体が温まったと伝えておいた方がいいだろうか?
善意っていうのは たちが悪いのかもしれない。
「あれは?」
洞窟の中に街がある。
氷で作られた街は氷像で出来ていてサイズは小さいが
きれいに彫り込みが入れられていた。
さらに進むと 鍋や生活用品や凍り付いた感詰めまで出てきたぞ。
「これは誰かのおもてなしだろうか?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
さらに奥に進むと突然 魔物が現れた。
もうダメかもしれないと思った。
でもよく見るとそれは氷で出来た像だった。
そして象の真ん中には本のようなものが置かれている。
「これは日記?」
スクールではこちらの世界の言語も習うので日記程度なら読むことが出来るようになっていた。
日記を読んでわかったのはここに住んでいたのは100年前に魔物と住み着いた男だった。
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