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海の見える都

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俺たちは都を目指した。
「鬼が島は海の向こうにあるのか?」
「はい モモル様。船を調達しなければなりません」

船を調達する。
都から鬼が島への定期便は出ていないだろうし 都で数年働いてコツコツお金を貯めるという訳にもいかない。
このクエストは 難易度が高そうだ・・・。

「わたしなら 飛んでいく事もできます拳」
「オレの犬かきも披露するワン!」

「かっかっか。 海は湖よりも広いのだ。だが ワシとて神猿と呼ばれた身ゆえにモモル様が望めばおぶってでも鬼ヶ島へ渡りましょうぞ!」

3匹は 誰が一番モモルを背負って鬼ヶ島に進むべきかを口論し始めた。
そうこうしているうちに 都が見えてきた。

「ここが都なのか? ガレキの山じゃないか?」

声が聞こえる! そして 後ろから突き飛ばされた

「モモルさま! 魔物だワン」

「モモルさまに手を出すとは 許すまじ 拳!拳!拳!!!!」

黒い口の大きな化け物のヨダレが キジーの攻撃によって飛び散る。

「あれが マスターチキンの力とはなかなかでわないか。隠れている魔物どもよ!わが 暗殺術を見せてやろう」
サルサの姿が・・消えた。

「サルサはどこへ 消えたんだ?」
「モモルさま あれがサルサの魔法にございます。オレの鼻ならヤツの姿を追うことができますが知性の低い魔物ならば気づかずに絶命するワン」

戦闘はあっけなく終わった。
そして サルサが盗賊のような服装の人間を連れてきた。
「魔物をけしかけたのは コイツの仕業のようです」
うなだれる盗賊。

「都をガレキに変えたのはお前の仕業なのか?」

盗賊は 目を丸くして首を振った。
「いいえ 都は数日前に現れた。鬼のような人間に滅ぼされたのだという」

鬼のような人間。
刀の小太刀を握りしめた鬼の顔の人間が一人で都を壊滅させたのだという。
数日の大暴れをしたのちに 自らの生命が燃え尽きて土に帰ったのだという話だった。
その後 召喚士だったコイツは盗賊になり旅人の金品を奪って生活をしていたのだという。

「モモル様 いかがいたしましょうか?」
「盗賊は辞めるというなら見逃してやる。そのかわり船が停泊している場所へ案内しろ」

盗賊は ウンウンと何度もうなずいて立ち上がった。

パチパチパチ

後ろから拍手の音がする。
振り返ると白衣のような着物を着た男がキセルを咥えたまま 拍手をしていた。
「使える船は一艘も残ってないぞ。鬼人間が一番最初に暴れ出した場所が船が停泊していた場所だったのさ。初めは戦争かと思ったが我々の逃げ道を立ったというのに 陸からは一向に兵士たちが攻めてくる気配はない。そして鬼と化した人間はデタラメな強さなのに どんどん強くなっていったのさ。最後の命が尽きるその瞬間まで・・・・まあ その盗賊はこっちに渡してもらおうか。そして オレは お前にビビっと来たぞ。実は頼みがある。そして 見せたいものがあるんだ。一緒に来てくれないか?」

俺はいぶかし気にアゴをさすった。
「見せたいもの?」
「ああ この都の希望と未来さ」

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