小さな物語

モルモット

文字の大きさ
上 下
5 / 5

スライム食べちゃいました。2

しおりを挟む
ニコニコとハニカム彼女は尖った耳をピクッとさせた。

「何とか なった」

スカートの泥ボコりを払う仕草は落ち着きを取り戻して安心したかのように見えるが、
気になっているのはその耳だ。

「エルフ なのか・・?」

「だから なんなの?」

彼女は目をパッチリとさせると当たり前な事を聞かれたかのようだ。

「エルフを見るのは初めてなんだ。仲間はいないのか?」

「あら? エルフを見たことがないだなんて上級国民様のマネかしら?
貧民よりいくらかマシな服装みたいだけど 立派には見えないわ。
それより 私はこれから行くところがあるの!
ついてこないでね! 本当についてこないでね!! 助けてくれたけどあなたなんて大っ嫌い」

少し震えているようにも見えたけど彼女は元来た道へ帰っていった。
追いかける?
まさか、自分がどうしてここにいるのかさへわからないのに付いて行くわけがない。

プルン プルン・・・プルン プルン。。。

そして もう一つ厄介ごとと言えば俺に飲み込まれたスライムだ。
体に違和感もなければ痛みも感じないがスライムの存在感はハッキリ感じる。

「なあ 聞こえるか~ 間違えて飲み込んでしまったけど出て行ってくれないか?」
と自分の胸に向かって叫んでみた。

「やあ ボクはレインボースライムのスーラ。君の体の中は居心地がいいねぇ
ボク 決めたよ。ここに住むもん えっへん」

「勝手に決めるなぁ~ 俺の体だぞ」

「そうかい?君にとっても悪い話じゃないよ。だって キミはボクが君の体に住み着くという事はボクの力をキミが使えるって事だもん。そうだ さっきのエルフの子を追いかけようよ」

「なんでそうなる?」

「ボクの力を見せてあげるよ。そしたら気に入って住まわせてくれるもん」

「とにかくあの子を見つければ出て行ってくれるんだな?」

「行くんだもん!」

俺は彼女の後を追いかけたすると 中央に教会のような建物が見えるさびれた町にが見えてきた。

「なあ スライム。ミーチェは目の前だ。さっさと力とか言うのを見せて出て行ってくれ」

「まだ まだだもん」

仕方がなく彼女の後を付けるように追いかけた。
さらにさびれた石畳の道路を進むと 洗濯をする川が流れており女性たちが昼間から選択をしている。
川沿いに上流へ道路を進んでいくと教会の真下にトンネルが現れた。
そして 大男が二人で門番をしているようだ。

少女は木陰に身を隠す。

門番があくびをした瞬間を見逃さず 壁伝いに素早く忍び込んで行ってしまった。
素早い。だけど 何か変だ。門番がしゃべり出したぞ。

「なあ 今 何かいたか?」
「へへへ ねずみが帰ってきたぜ」
「報告はしないのか?」
「めんどくせぇよ。 自分からつかまりに帰ってきたんだからよ がははは」
「がははは」

大笑いの門番はごきげんそうだった。

「どうするんだよ スライム。エルフの彼女はなかにはいっちゃったぞ」
「ボクはスーラだもん・スーラだもん」
「名前なんてどうでもいい。スーラ あの子が捕まってしまう。お前に力があるならあの門番二人を何とかしてみろ?」

「へへへ あの子の事が心配なの?うぁわ~ あの子のことが好きなんだぁ。可愛いんだもん」
「そんなんじゃないってば」

「今回は擬態の能力を使うんだもん」
「擬態? そう言えばミーチェを助けたときに彼女の残像が現れたけどあれなのか?」
「あれは 幻覚の能力だもん。これから使うのは擬態だもん。 確りやるんだもん ぶるるるる」

俺の体から湯気が立ち昇ったかと思うと体が見る見ると変化していく。
門番そっくりの服装に姿を変えた。

「これが 擬態能力だもん。あとはタケルが何とかするんだもん」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...