田舎町のモルモット召喚士になる前に

モルモット

文字の大きさ
上 下
5 / 10

5話 モルモットの召喚士

しおりを挟む
「うぉぉぉ!! 力が!」
神父「アーメン・・ そなたは・・そなたのジョブは「召喚士/農民」に決定したぞ。二つのジョブを同時に得たものは始めてじゃ。それからここだけの話。ジェニー話は知っておる。気を落とさずに頑張るのじゃ よいな??」

「神父様。最後に教えてください。」

「なんじゃ 改まって???」

「魔王って召喚しても罪になりませんよね?」

15歳になった朝、街の人たちが15歳のお祝いにと、俺に色々な事を教えてくれんだ。
ジェニーがどうして聖騎士様と会っているのか。
そしてダンジョンが発見された御祭騒ぎが終わったらジェニーはこの街を出て行ってしまうと言うこのも聞いた。
もちろん ジェニーにこの街に留まる理由なんてないだろうから 出ていく話はウソだろうけど いつかはそうなってしまうかもしれない。

早くジェニーをさらいたい。。

神父「案ずるな。私はそなたを信じておるぞ。それでは 召喚を見せてもらおう。皆の者もよく見ておくのじゃ この街で初めての召喚士の姿を!!」

「うぉぉぉ!!」
洗礼の力なのか? 心に呪文が浮かんでくる。
本当は魔王なんて言ったのはウソだ。
ドラゴンでも何でもいい。
ワイバーンでもスライム以外なら何でもいいんだ。
俺に力を・・力を貸してください・・


「尊き命の結晶よ、その姿をこの地に表せ!モルモット召喚!!!」


なんだって??モルモットだって?口から出てしまった言葉に思わず自分も驚いてしまった。

ボン!!!

煙の中から目の前に現れたのは三毛のモルモットの姿だった。
プイプイ プイプイ
右往左往するモルモットは 愛嬌を振りまくように鳴き声を上げて そりゃ可愛かったけど。
そうじゃないんだ。
でも その後も何度も繰り返すけど モルモットしか召喚できなかった。
そして連続で4体目を召喚しようとしたとき 背骨が魚の様にピクピクと痙攣して倒れてしまった。

神父「己の力以上の魔獣を召喚してしまったようじゃ。魔力オーバーじゃな。。」
教会の大衆からの声だけが耳の中に入って来て何度もコダマがした。笑い声だ。

あははは
がははは ネズミだぜ スライム以下だぜ。
でも 可愛いじゃねぇか がははは
ざま~ ねえな。

意識も遠のいて 消えかけてきたぞ。眠くなってきた。眠い・・
もう 夢の中なのか 頭の中に懐かしい声がコダマしてとても心地いい気持ちがする
「15歳おめでとう トシユキ。 私ね、逃げてきたのよ。助けて!! トシユキー・・。」
この声は ジェニーなのか・・ ここはどこなんだ。
早く起き上がらなくちゃ。
でも 体に意思が伝わらない
やっとの思いで瞳を開けると 
彼女のブルーの髪が見えたけど後ろを向いていたんだ。

待ってくれよ。ずっと会いたかったんだ。

だけど 体が動かない。それをいいことに聖騎士はジェニーに近づくと 
自分の白いマントを優しくかけて彼女のブルーの髪に触れ同情の言葉でもかけているようだった。

プイプイ?ボン!

あれ? 急に体が動くようになったぞ
立ち上がれぇ! オレ!!!

プイプイ?ボン! ボン!と煙を出して消えるモルモットたち
「ふざけるな!! うりゃ! 正拳突き!!正拳突き!!」

数発は放った「正拳突き」はほとんどが命中したけど 
だけど 再び背骨が魚の様にピクピクと痙攣して倒れてしまった。
意識が遠のく中これは 起き上がるのは無理だとわかった。


プイプイ プイプイ

教会の小部屋で目を覚ますと 一匹だけ残った三毛のモルモットが 心配そうに顔の周りを右往左往していた。
「お前さ 可愛いし見てると、なぜか幸せな気持ちが湧いてくるけど。でも 今はお前じゃないんだよな」
「プイプイ」

のんきなモルモットは ご飯をくれると勘違いしたのか鼻をヒクヒクさせて
エサをねだってきた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

だいたい全部、聖女のせい。

荒瀬ヤヒロ
恋愛
「どうして、こんなことに……」 異世界よりやってきた聖女と出会い、王太子は変わってしまった。 いや、王太子の側近の令息達まで、変わってしまったのだ。 すでに彼らには、婚約者である令嬢達の声も届かない。 これはとある王国に降り立った聖女との出会いで見る影もなく変わってしまった男達に苦しめられる少女達の、嘆きの物語。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

いい子ちゃんなんて嫌いだわ

F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが 聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。 おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。 どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。 それが優しさだと思ったの?

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

処理中です...