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3話 親愛なるジェニー
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「トシユキ~ 今日こそ ごっこ遊びしようぜ!!!がははは」
近所のトムが陽気にごっこ遊びに誘ってきた。
だが よしてくれ・・・ 俺は・・俺はも大人になってしまったんだ。
ジェニーのために生きていくしかないんだぁ 許してくれ親愛なる友よ。
裏口からこっそりと抜け出して 今日もジェニーのところへ 向かった。
彼女は10歳の頃からずっとそうさ。
ボロではないけど いいとは言えない服をきて一人きりでバザーを 切り盛りしている。
扱っている品物は形のいびつなジャガイモ。黒い人参・・。
そんな売れそうにもない商品をほかのお店と同じ値段で売っていたんだ。
ずっと
ずっと 売り続けている。
だから それじゃダメだよっと 声をかけたいけど 話すきっかけがなかったんだよね。
ある日
うつむき加減の彼女は ジャガイモを転がして遊んでいたようだけど・・
転がらないジャガイモを転がしても きっと 楽しくないだろうなって思って
そこで俺は 自分の畑で育てたジャガイモたちを ジェニーのところへ 持っていくことにした。
「お嬢さん・お嬢さん。実はお願いがあるのですが。私の作ったジャガイモをお嬢さんのお店で売ってはいただけませんか?」
最初は そんな会話からスタートしたと思う。
少しやつれた体の彼女は 肩のにある打撲の跡を痒そうに搔きながら少し慎重に野菜の品定めをして
「これなら売れると思う」といって野菜を受け取ってくれた。
野菜の売れ行きもっよかったみたいだし 早く仕事が終わったら
それからは俺達は仲良くなったごっこ遊びなんかをした。
トムには大人のする事じゃないと言ってしまったけどジェニーとは 別なんだ。
大人の事情ってヤツかな? すまないねトム。
もちろん トムたちと遊んでいたときみたいに「召喚」なんて 使うわけがない。
いつも 君の勝でいいんだよ。
だけどある日 俺に勇者をやってほしいってジェニーが言ってきたんだ。
じゃあ ジェニーが魔王をやるのかと思ったら、お姫様がやりたかったんだってさ。
座っているだけの役だし つまんなさそうだったけど
「勇者よ 私のために魔王を倒してくれて ありがとう」ってギュ!って
抱きしめてくれるから ボクも楽しかった へへへ。
だけど ジェニーの体は色々なところにアザが出来るんだね。
前はこんなところには アザなんてなかったのにどうしてなのか心配だった。
でもある日 ジェニーの・・ ジェニーの可愛い瞳にアザが出来ていたんだ!!
「ボクと逃げよう ジェニー・・」
「うん ごめんね。。。。」
どうしてジェニーが誤ったのかわわからないけど、ボクたちはここにいちゃいけないんだって
直感的にそう思ってしまったんだ。
野菜のカゴなんてほっぽりだして 彼女の手を掴んでとにかく走った。
「どこへ行くの?」
「大丈夫 召喚士のボクに任せて すべてうまくいくから」
下の毛も生えそろい始めて 俺って頭がちょっと 可笑しかったのかもしれない。
だって どこにも行くところがないのに ジェニーをそそのかしてしまったから。
だけど ジェニーはボクの言葉を信じて付いてきてくれた。
無力な二人だったけど とにかく歩いたらどこかへは行けるような気がした。
君がいてくれたら・・ボクは幸せだから・・。
はぁ はぁ・・・
歩き疲れて疲れて岩場で休んでいると 岩場の岩がちょっとおかしな具合だったんだ。
二人で 押してみるとグルリと動いて岩は どこかへ転がっていった。
目の前に現れたのは ダンジョンだった。
ダンジョンを前にあっけに取られていると 手をギュっと握って来て先に「入ってみる?」と言い出したのはジェニーだった。
ダンジョンに身を隠してドロップ生活?
それとも 心中するってこと?
魔物に殺されるのは怖いなぁ~ でも ジェニーには迷いがなかったみたいだ。
ボクを信じて ボクの返事を待ってくれている。
安心してくれ もう 一人で痛い思いはさせないから。
「ジェニーとなら どこまでも!!」
そんな決意で中に入ろうとしたら 陽気な声で後ろから話しかけられた。
やる気のなくなる 陽気な声と後でわかる奇妙な洋服を着た男。
「やあ もしかして君たちが発見したのかい?このダンジョンは?ああ 挨拶がまだだったね。初めまして私はダンジョン研究家のトムソンと言います。この街にもダンジョンがあったんだね!思ったと通りだぁ ひゃっほぉぉーい!!」
バタン!!と勢いよく倒れてしまった。
「だいじょうぶ?」
「あははは 嬉しいのさ お嬢さん。私はこうやってダンジョンを探して旅をしてきた。辛い事の方が多いけどね。けど 奇跡が起こることがある。そう 君たちがこのダンジョンを発見したことの様に、運命というものは自分の足で旅をしなければ見つけることが出来ないのさ。今日 私は君たちに勇気を貰ったんだ、ありがとう」
トムソンさんは とても陽気な人でこの後はコーヒーをご馳走してくれた。
「コーヒーってなんですか?」
「私 この香り好き」
でも 香りはいいのに すごく苦くてジェニーと目と目を合わせて「美味しいですね」というのが精いっぱいだった。
「あいや~ 喜んでくれて よかった!」
「ふふふ」
「あはは」
ボク達は トムソンさんを街へ連れて帰りトムソンさんは早速 ダンジョンを発見したことをギルドに報告した。
ボク達は 何かが変わったのかな?
しかし ダンジョンが発見されことで 新ダンジョンに挑戦しようと各地から色々な人たちが集まり
色々なことが変わっていった。
ボクたち・・いいや 俺たちも変わっていった。
近所のトムが陽気にごっこ遊びに誘ってきた。
だが よしてくれ・・・ 俺は・・俺はも大人になってしまったんだ。
ジェニーのために生きていくしかないんだぁ 許してくれ親愛なる友よ。
裏口からこっそりと抜け出して 今日もジェニーのところへ 向かった。
彼女は10歳の頃からずっとそうさ。
ボロではないけど いいとは言えない服をきて一人きりでバザーを 切り盛りしている。
扱っている品物は形のいびつなジャガイモ。黒い人参・・。
そんな売れそうにもない商品をほかのお店と同じ値段で売っていたんだ。
ずっと
ずっと 売り続けている。
だから それじゃダメだよっと 声をかけたいけど 話すきっかけがなかったんだよね。
ある日
うつむき加減の彼女は ジャガイモを転がして遊んでいたようだけど・・
転がらないジャガイモを転がしても きっと 楽しくないだろうなって思って
そこで俺は 自分の畑で育てたジャガイモたちを ジェニーのところへ 持っていくことにした。
「お嬢さん・お嬢さん。実はお願いがあるのですが。私の作ったジャガイモをお嬢さんのお店で売ってはいただけませんか?」
最初は そんな会話からスタートしたと思う。
少しやつれた体の彼女は 肩のにある打撲の跡を痒そうに搔きながら少し慎重に野菜の品定めをして
「これなら売れると思う」といって野菜を受け取ってくれた。
野菜の売れ行きもっよかったみたいだし 早く仕事が終わったら
それからは俺達は仲良くなったごっこ遊びなんかをした。
トムには大人のする事じゃないと言ってしまったけどジェニーとは 別なんだ。
大人の事情ってヤツかな? すまないねトム。
もちろん トムたちと遊んでいたときみたいに「召喚」なんて 使うわけがない。
いつも 君の勝でいいんだよ。
だけどある日 俺に勇者をやってほしいってジェニーが言ってきたんだ。
じゃあ ジェニーが魔王をやるのかと思ったら、お姫様がやりたかったんだってさ。
座っているだけの役だし つまんなさそうだったけど
「勇者よ 私のために魔王を倒してくれて ありがとう」ってギュ!って
抱きしめてくれるから ボクも楽しかった へへへ。
だけど ジェニーの体は色々なところにアザが出来るんだね。
前はこんなところには アザなんてなかったのにどうしてなのか心配だった。
でもある日 ジェニーの・・ ジェニーの可愛い瞳にアザが出来ていたんだ!!
「ボクと逃げよう ジェニー・・」
「うん ごめんね。。。。」
どうしてジェニーが誤ったのかわわからないけど、ボクたちはここにいちゃいけないんだって
直感的にそう思ってしまったんだ。
野菜のカゴなんてほっぽりだして 彼女の手を掴んでとにかく走った。
「どこへ行くの?」
「大丈夫 召喚士のボクに任せて すべてうまくいくから」
下の毛も生えそろい始めて 俺って頭がちょっと 可笑しかったのかもしれない。
だって どこにも行くところがないのに ジェニーをそそのかしてしまったから。
だけど ジェニーはボクの言葉を信じて付いてきてくれた。
無力な二人だったけど とにかく歩いたらどこかへは行けるような気がした。
君がいてくれたら・・ボクは幸せだから・・。
はぁ はぁ・・・
歩き疲れて疲れて岩場で休んでいると 岩場の岩がちょっとおかしな具合だったんだ。
二人で 押してみるとグルリと動いて岩は どこかへ転がっていった。
目の前に現れたのは ダンジョンだった。
ダンジョンを前にあっけに取られていると 手をギュっと握って来て先に「入ってみる?」と言い出したのはジェニーだった。
ダンジョンに身を隠してドロップ生活?
それとも 心中するってこと?
魔物に殺されるのは怖いなぁ~ でも ジェニーには迷いがなかったみたいだ。
ボクを信じて ボクの返事を待ってくれている。
安心してくれ もう 一人で痛い思いはさせないから。
「ジェニーとなら どこまでも!!」
そんな決意で中に入ろうとしたら 陽気な声で後ろから話しかけられた。
やる気のなくなる 陽気な声と後でわかる奇妙な洋服を着た男。
「やあ もしかして君たちが発見したのかい?このダンジョンは?ああ 挨拶がまだだったね。初めまして私はダンジョン研究家のトムソンと言います。この街にもダンジョンがあったんだね!思ったと通りだぁ ひゃっほぉぉーい!!」
バタン!!と勢いよく倒れてしまった。
「だいじょうぶ?」
「あははは 嬉しいのさ お嬢さん。私はこうやってダンジョンを探して旅をしてきた。辛い事の方が多いけどね。けど 奇跡が起こることがある。そう 君たちがこのダンジョンを発見したことの様に、運命というものは自分の足で旅をしなければ見つけることが出来ないのさ。今日 私は君たちに勇気を貰ったんだ、ありがとう」
トムソンさんは とても陽気な人でこの後はコーヒーをご馳走してくれた。
「コーヒーってなんですか?」
「私 この香り好き」
でも 香りはいいのに すごく苦くてジェニーと目と目を合わせて「美味しいですね」というのが精いっぱいだった。
「あいや~ 喜んでくれて よかった!」
「ふふふ」
「あはは」
ボク達は トムソンさんを街へ連れて帰りトムソンさんは早速 ダンジョンを発見したことをギルドに報告した。
ボク達は 何かが変わったのかな?
しかし ダンジョンが発見されことで 新ダンジョンに挑戦しようと各地から色々な人たちが集まり
色々なことが変わっていった。
ボクたち・・いいや 俺たちも変わっていった。
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