誰にでも優しいと困る

うきらB

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誰にでも優しいと困る

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佐藤と俺はただの同期で、一度仕事を手伝った事があるが出会っても挨拶くらいしかしない関係だった。
特に気が合うわけでもなく、仕事以外では付き合いが無かったが、佐藤の話は色んな人から出てくるので、社内でも出来る男だと評判である事は分かった。
始めは同じスタートラインにいたのに、俺はだいぶ差をつけられたんだなあと佐藤の話を聞くたび少し落ち込んだ。
仕事も出来て、コミュニケーション能力もあり、美形とまではいかなくても綺麗な顔と、清潔感のある髪型にスタイル、きっと素敵な彼女も居て、高い好感度がスーツを着て歩いているような佐藤の事を羨ましくて同時に妬ましく思ったのを覚えている。
対して俺はと言うと、自分ではそこそこ良い男だと思っていたけど、仕事は低空飛行、二年前に彼女にこっぴどくフラれてから恋愛も音沙汰なしで、もしかして良い男じゃなくて冴えない男なのかなあってぼんやりと思う日々だった。

ある日、会議室に向かう通路の曲がり角で男にぶつかりそうになった。すみません、と下を向いたまま謝り、顔を上げると、
向こうは俺をじっと見ていたようだった。
なんだろう。知り合いか?俺より少し小柄な男だった。どこかで見たような。でもその日俺は近眼なのにコンタクトを入れ忘れて、予備に置いていた眼鏡をかけていた。
その眼鏡はあまり度が合っていなかったから、視界はちょっとボヤけて見えていて、あまり人を認識出来ていなかった。
その時誰か人が通りがかったようで、すれ違い様に目の前の男が佐藤と呼ばれた。あ、佐藤か。
「佐藤!久しぶり」
俺が佐藤に挨拶をすると、佐藤はこちらを一瞥して、何も言わなかった。あれ?確か、前に会った時や、聞いた話からはもっと感じの良い男だったはずだ。何か、怒ってでもいるのかな。
「……別に怒ってないけど」
俺の思っている事が声に出てしまっていたみたいで、佐藤は不機嫌な調子で言った。俺はバツが悪くなって早くこの場を立ち去らなければ、と思った。

「吉田、今日、ちょっと夜付き合ってくれない?」
適当に挨拶して俺が立ち去ろうとした時に、意外にも佐藤から声をかけてきた。久しぶりに顔を合わせただけの、特に仲が良かったわけでもない俺を誘ってきたので、ちょっとびっくりした。
佐藤は俺と違って頭も賢そうだし、営業のトップを走っているこいつから何か人心掌握のコツでも盗めるかもと、邪な気持ちで一緒に飲みに行く事にした。

「え、サシ飲み?」
「そうだけど」
連れていかれたのは個室がある居酒屋で、誰か後から合流するのかなと思っていたけど結局俺以外誰も来なかった。淡々と仕事の話などをし、凄い盛り上がったって感じも無かったから何故俺を誘ったのか分からなかったが、佐藤は飲みたりないと言って俺を自分のマンションに誘ってくれた。
俺は正直そろそろ帰りたかったが、佐藤のプライベート空間って言うものに少し興味が出てきて、言われるままについて行く事にした。

酔った勢いで、佐藤のマンションに転がりこんで、飲み直す予定だった。酔った勢い、と言ったが俺はそれほどまだ酔ってはいなかった。
だから、佐藤のマンションの部屋を見渡す余裕があった。佐藤の部屋は思ったより広くて、物が少なく、片付いて小綺麗な印象の部屋だった。本人のイメージ通りの部屋で、少し面白くないなと思った。何か恥ずかしいものでも置いてあれば面白かったのに。佐藤が弱味を見せるヘマをするわけないか。

そんな事を思いながら、コンビニに酒でも買いに行くかと佐藤に話しかけようと振り返った時、俺はいきなり肩を掴まれて廊下の壁に押し付けられてキスをされた。キスをしてきたのは佐藤だった。他に人なんていないから。
でも、頭と身体の理解が追いつくのには数分かかった。佐藤の小柄な体型からは想像が出来ない力で俺は壁に押し付けられていた。キスするのに邪魔なのか、俺の度の合っていない眼鏡は佐藤によって外されてしまった。
「俺、普段は違うんだけど、見た所お前ノンケそうだし、俺が抱かれてもいいよ。その方がいいだろ?」
せっかく追いついた頭と身体がまた離れていってしまった。佐藤は、何を言っているんだ?
「あ、あれだ、知ってる。キス魔ってやつ」
男でも、女でも、酔うと誰彼構わずキスをしたがる人種って言うのが少数だがいるらしいのは聞いた事がある。佐藤はそれなんだと思った。
「残念。キス魔じゃない。……駄目なの?」
佐藤は俺の胸ぐらのシャツを掴んで自分の方へ俺を引き寄せた。ちょっとだけ俺を睨んでいたようにも見えた。

「だ、駄目とか、何が駄目?それ以前になんで?」
「これでもまだ分からない?」

佐藤はそのまま俺に顔を近付けて、また俺にキスをした。最初は佐藤、酔っているのかなあ。
なんで俺なんかに、って理由を考える余裕があったけど、佐藤が舌を使い始めたら、色々考える事が出来なくなってしまった。
佐藤と舌を絡めて、唾液を交換して、佐藤に腰を掴まれたらいつの間にか俺は目を閉じて佐藤の背中に手を回して佐藤を抱きしめていた。佐藤ってこんなにキスが上手いのか。

「じゃあ先、シャワー済ませてくれる?」
さっきまで甘いキスをしていた間柄とは思えないほどの冷たい調子で、佐藤は俺から身体を離してそう言った。俺はそう言われても、まだ佐藤の余韻にボーとしていた。それから、風呂か、一緒に入るのかなって佐藤を見ていたら、佐藤はイラついた感じで「まだ?」って言ったから大人しく浴室に向かった。

それからは佐藤の言いなりだった。
シャワーを終えた佐藤は、緊張して佐藤のベッドに座って丸まっている俺を無表情な顔で見下ろしていた。
そう思うと俺をベッドに押し倒して、俺の額を撫でた後また軽くキスをした。さっきのとは違う挨拶みたいなキスだった。その後佐藤と目が合ったら、佐藤がちょっと笑ったから普段笑いかけられた事が無かった俺はびっくりした。
佐藤は俺の太腿を触って、それから俺の下着を脱がし始めて緊張したら、佐藤は自分の身体をずらして、俺の下腹部に顔を持っていった。俺はボーとそれを見ている。すると、佐藤は俺のモノに口を当てようとしていた。
「ちょ、ちょっと、そんな事までしなくていいから!」
される事が予想出来て俺が焦ると、佐藤が顔を上げた。
「こうしないで、立たせる事出来るの?」
ピシャと佐藤に言われて、俺はぐうの音も出なくなった。
「心配しなくても、歯なんて立てたりしないから」
意外にも佐藤は優しく笑って俺にそう言ってくれたから、俺は佐藤の顔をじっと見つめてしまった。

佐藤が俺のを舐め始めたら、最近抜いてなかったからか思ったより快感がきつくて、すぐ出そうになり、それじゃあ佐藤に笑われるって、必死に自分の手を握りしめて快感の波に耐えようとした。俺が我慢している事はすぐ佐藤にバレたようだった。
「吉田、我慢しなくていいよ、出たらまた立たせてやるから」
「んな、事言ったって……んっ……」
佐藤は俺がせっかく我慢しているのに、舐めながらわざと俺の腿の内側を手で撫で上げたから、俺の背中がびくんと少しはねてしまった。
「……吉田、可愛いね」

結局そのまま出てしまって、また俺は佐藤に立たせてもらう羽目になった。
出た後呆然とした俺の首と頬を撫でた後、佐藤は俺の頬に口付けをしてまた可愛いと笑ったから、俺は悔しさでいっぱいになった。
その後無事立たせてもらい、佐藤と一つになる事は出来たけど、俺が佐藤を抱いたはずなのに、気持ち的には佐藤に抱かれた気分になっていて、事の後もしばらくベッドの上から動けなくなっていた。
佐藤はあのデータ出しといて、見たいな事を言うのと同じ感じで、俺に早くシャワー浴びてきてって言った。

気付いたら朝で、俺は佐藤のベッドで寝ていた。俺は佐藤にお持ち帰りされたのかって寝起きの足りない頭で考えていた。
やばい、服どうしようと思ったらちょうど佐藤が何か持ってベッド脇までやって来て、ベッドにバサとその何かを投げた。
どうやらシャツなどの着替えをかしてくれるらしい。俺はそれに着替えながら、佐藤、なんか慣れてるのかなあってちょっと寂しかった。

それで、気付いたらこんな関係になっていた。
飲みの勢いか、あいつもよく分からず流れで、一回きりなのかな。と思っていたら、それからもお互いの家に行き来をしたり、時にはホテルに行ったりして何回も逢瀬を重ねていた。
初めてあいつとキスした時にあいつの事嫌いじゃないなと思った。あいつは何も言わないけど、もしかして俺はあいつの彼氏なんだろうかと根拠のない自信がわいてきた。同性と付き合うのは初めてだけど、部署一の有望株に選ばれたとなれば、鼻が高い。少しの間気分の良かった俺だが、よく考えてみると、そもそもあいつは、俺と恋人になりたいと思っていそうな素振りをしない。
あいつはいつも俺には無表情で、なかなか感情が読み取れないし、事が終わったらすぐ帰れって言ってしばらく抱き合うわけでもなくベッドから離れてしまうし、会社では見かけても、ほとんど向こうからは話しかけてこない。話したとしてもだいたい俺からだ。
目が合ったと思っても、すぐに目を逸らされてしまう。あいつの事を思い出せば思い出すほど、根拠のない自信がシワシワと消えていくのを感じていた。

自信が無くなった日の次の日、部署でアイツを見かけた。
休憩所の奥にある給湯室では、皆コーヒーを入れたり、紅茶を入れたりする。だいたいが、面倒だからか、自販機派が多い。アイツはコーヒーが好きで、でも甘いコーヒーが嫌いで、給湯室で無糖のコーヒーを入れている事が多かった。
部署の女子がコーヒーや緑茶を入れてお菓子と共にあいつの机に笑顔で置いていく事がよくあるようで、あいつは笑顔で受け取って、俺の机に置いていくみたいだった。机がお菓子と飲み物だらけになって途方に暮れていると、コーヒーを入れているあいつの姿が目に入った。性格が悪いと言うより、味にうるさいだけのようだった。
給湯室には紙コップと、プラコップがあって、あと各自マグカップを持って来るやつがいる。あいつはマグカップ派だった。自分で黒いマグカップを持って来ていて、自分で洗って使っていた。環境の為、とかなんとか言っていた。俺は紙コップばかり使っていたので、アイツに考えなしだと思われていただろうか。
今日も、黒いマグカップの中身は無糖のコーヒーかなとか思いながら自販機で自分の飲み物を買っていると、俺を呼ぶ女性の声がした。

「吉田さん、吉田さん!」
名前を呼ばれて振り返ると、部署の女性社員が立っていて、俺の肩を軽く叩いた。ペールブルーのスカートに、白いシャツ、濃いグレーの柔らかそうなカーディガンを羽織っている。朝丁寧に巻いたのか、ツヤツヤした巻き髪は髪留めで止められていて清楚な感じだった。昔の彼女に少しだけ雰囲気が似ていた。
「高橋さん、どうしたの」
同じ部署と言っても仕事のチームが違ったので、彼女の事は名前くらいしか知らなかった。
「吉田さん、夜ちょっとだけあいてます?ご相談したい事があって。吉田さんなら詳しいかもって?食事がてらお話聞いてくれませんか?」
「うーん、あいてない、ってわけじゃないけど。仕事の事?同じチームのやつもいるの?」
「私だけですけど。同じチームだと、ほら、色々と、ね。あるでしょう」
「そっか、じゃあ終わってから連絡入れて……」

「吉田、今日何か用事あるって言っていたよな?」
俺が高橋さんと連絡先を交換するために自分のスマホを上着のポケットから取り出すと、そのスマホを持っていた俺の手を掴んだやつがいた。俺が顔を上げると、その手の主が佐藤である事が分かった。
「話聞くの、俺でいい?同じチームだけど、いいよね?高橋さん」
佐藤は俺の手を掴んだまま、高橋さんにそう言って笑いかけた。佐藤は俺以外には比較的愛想が良い。だから、女にも男にも好かれるタイプなんだと思う。
「う、うん!いいよ!佐藤くん!終わったら、絶対連絡ちょうだいね、絶対だよ!」
高橋さんはそう言って佐藤に腕が千切れそうになるかと思うほど手を振って、廊下を歩いていった。あ、あれ、俺は……?

「お前、あれ社内でも有名な青田買い女だぞ。捕まったが最後、既成事実作られて気づいたら籍入れられてる、なんて事になるから」
「そ、そうなの……?」
「俺は嫌でもそう言う事を教えてくれる奴らが周りにいたけど。お前は聞かなかった?」
「うん。でも、高橋さん何か困っていたようだったけど」
俺が高橋さんの話題を続けたら、佐藤はあからさまに機嫌が悪くなってきたように見えた。
「あれがああ言う女の手なんだよ」
「佐藤、高橋さんに話を聞くって言っていたけど、佐藤は大丈夫なの?」
「俺?その場しのぎで、誰が行くかよ。あー、本当お前って……」
佐藤はやっとスマホを持っていた俺の手を離してくれた。
「俺が何?」
「なんでもない」

その日は会社に戻るのが遅くなって、人があまり居なくなった通路は俺の足音だけが大きくひびいていた。
誰かに会うのも面倒だから、早く帰ろう。そう思って給湯室の前を通ると、そこにマグカップを持った佐藤が居た。またコーヒー入れているのかな。まさか俺を待っていた?そんなわけないか。
「遅いね佐藤、まだ居たの?」
俺が佐藤に声をかけると、佐藤は顔を上げて俺を見た。
「居ちゃ悪い?」
「いやいや別に。悪くないよ。それコーヒー?」
佐藤の憎まれ口にも慣れてきた俺は、軽くかわして、佐藤の持っているマグカップを指差していた。
佐藤は黙って俺の問いかけにうなづいた。

「お前、成績すごいな。鰻登りじゃん。本社呼ばれるかもな」
「さあ、どうだろ」
「お前が本社に呼ばれたら、あまり会えなくなるかな」
「会えない、って事はないんじゃない」
佐藤はその場でコーヒーを半分くらい飲んでいた。
「そうだな会おうと思ったら会えるか」
「吉田は……下から二番目くらい?」
「かな?ハハ、下から数えた方が早いな。あー、俺も彼氏に相応しい成績にならないとなー」
「誰の彼氏が何だって」
「え、お前の」
「だから。誰が?」
佐藤はコーヒーが残り少なくなったのかマグカップを眺めていた。
「え、お前の彼氏の俺が成績悪いと、かっこ悪いだろって」
そう俺が言った時佐藤の手からマグカップが滑り落ちて床に当たり音を立てて割れた。コーヒーが少し残っていたのか床が濡れていた。

「おい、大丈夫?割れたぞ、破片が飛んだかもしれないから離れとけ。俺が拾っておくから」
俺は慌てて床に落ちて割れたマグカップの破片を拾っていて、佐藤はそれを見ていた。
「か、彼氏……?」
「え?」 
「さっき言っていた事。な、なんでそう思ったの」
「なんでって、こういう状況だし…… 俺、自分の事お前の彼氏だと思ってた。はは、ごめん、ちょっと寝たぐらいで、調子のってたな」
やっぱりそうかあって、カマかけて見たけど、やっぱり違ったかってショックを受けながら笑って誤魔化し、俺が拾った破片を片付けようと顔を上げたら、佐藤がだだ泣きしていた。

「ちょ、お前、どうしちゃったの?!手、怪我した?痛い?」
佐藤は頭をぶんぶんと振った。
「本当に?じゃあなんで泣いてるんだよ?」
「嬉しくて」
「は?」

「俺もあの女の事言えない。あの青田買い女と同じ事してる。身体を使って、お前を囲っていた。
このままじゃ、取られるから」
佐藤はまだ下を向いて泣いていて、俺は呆気に取られてポカンとしていた。それから
どうしていいか分からずにマグカップの破片を片付けてコーヒーを拭いていた。
「何?取られるって?俺の事?ないない」
佐藤は泣いたままちょっと眉を上げて俺を指差した。
「お前、結構女どもに狙われているのに。全然気付いていない。誰にでも優しくするから。あの女にも優しくしようとしてた。俺にも」
そう佐藤に言われて、
そういえば別れた彼女の逆鱗に触れたのもLINEで職場の女性の相談にのっていたやり取りを見られた事が始まりだった事をふと思い出した。

「お前、女だけじゃなくて男にも優しくして」
「そんな、優しくしたつもりなんかないけど……」
「無意識かよ、たち悪りぃな」佐藤は手で自分の目の涙をぬぐった。
「お前、仕事出来ないわけじゃない、人の仕事ばっかり手伝っているだけ。成績がどうとか言っていたけど、馬鹿じゃん。あの日だって」
「あの日?」
「一回だけ、俺がやばい失敗した日、お前夜勤で寝てないのにそのままずっと手伝ってくれた。 
俺もよくあるからって、一緒に謝ってやるからって笑って」
佐藤はまた目をこすりながらしゃくり上げていた。
「お前目の周り真っ黒にして次の日もそのまま仕事してて」
「なんか大袈裟じゃない?美化してない?」
確かに佐藤の仕事を手伝った記憶はあるけど、覚えているのはうっすらだったから、そんな事言ったかなあとか思って聞いていた。
「お前は仕事として協力しただけかもしれないけど、その日から、俺、忘れられなくて、なんとか仕掛けて、こういう関係にはなれたけど、今度はこれセフレなんじゃないかって、ずっと、ずっと……」
ちょっと泣き止みそうだった佐藤はまた声をふるわせてしゃくり上げ始めた。

「ごめん、俺が言わなかったからだよな、俺、嫌いじゃ無いよ。お前の事、好きだよ」
とりあえず佐藤に泣き止んでほしくて、俺は佐藤を抱きしめた。
「なんでお前が謝るんだよ。仕掛けたの俺じゃん。もう」
「お前も、俺の事好きなの?」
「好きじゃなきゃ、あんな事するかよ」

俺が抱きしめた腕をほどいて佐藤の顔を覗きこむと、佐藤は自分の顔を見られないようにしたいのか、俺の胸元に顔をうずめていた。

「吉田のマンションの部屋、何回も行ったよな。古くさいけど、かっこわるいけど……お揃いのマグカップとか、買って、置いてもいい?」
「ん、いいよ」
「笑うなよ」
佐藤は顔を上げて少し俺を睨んでいた。
「うん、笑わない」
「それで、ココアとか飲んでもいい?」
「いいよ、なんでも飲んで」
佐藤がまた泣きだしたから、給湯室にあったティッシュを持ってきて、鼻かみなさいって、俺は佐藤の鼻を拭いてやった。
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