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線路
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僕は大急ぎで外へと飛びだし、静かな小道を駆け抜けた。
その目的地は、あの忌々しい呪い歌を行ってしまった学校近隣の線路である。
「…遅くなった」
僕が息を荒らげて到着したその時には、もう既にみんな揃っていた。
「…まさか本当に呪い歌が成立したなんていわないよな」
薫が地面を見つめてボソリと呟いた。
「そんな……やめてよ」
と、愛純が咄嗟に口を開くが、遊佐は薫のその意見を否定しない。
そしてそれは僕も同じだった。
「呪い歌は、本当なのか?」
遊佐が不安げにこちらを見つめた。
そしてその顔は否定してくれ、と言わんばかりの虚ろな表情をしていたのだった。
「…たまたまじゃないのか、今回のは」
僕は目を伏せて遊佐へと応答した。
もちろんこれがたまたまだなんて、僕は微塵たりとも思ってはいない。
しかしここでうんそうだねと同調したところで何になるだろうか。
かたや皆の不安を一層高めるだけではないか。
そんなのは絶対嫌だ。
そう思い少しでも皆を安心させようと思ったのだ。
その理屈を覆されないよう、続けて僕は
「律の母さんだって、何者かに襲われたって…」
と言いかけたその時、
「違うだろ!」
と、薫が声を荒らげて僕の倫理をかき消したのだった。
「よく考えろよ、律はあの時どこのパーツを持ってった?」
「パーツ……?」
愛純が薫の問いに疑問で返した。
「ここで呪い歌を実行した時紙人形をちぎっただろ!?その体の部位だよ!」
……まさか。
「あいつ………左足じゃなかったけ……?」
その遊佐の一言に皆が凍りついた。
辺りには嫌な風がビュオオオとひと吹きし、僕達の恐怖は最高潮に達した。
「じゃあ本当に呪い歌が成立したってことなのか?」
僕は確認を取るように薫へと首を振った。
「ああ、このままなら恐らく全員死ぬだろうな」
遠くを見つめるように答える薫に対して、残された僕ら3人は何も言えずにいた。
そしてそこから約1分間の沈黙が続いたのだった。
「もう帰ろう」
重苦しい沈黙を破ったのは案の定薫だった。
「僕はこのまま野垂れ死ぬつもりはないよ」
薫はそのままそんな一言を僕らに吐いて、スタスタと自分が来た道へと一人消えていった。
「何が言いたいんだよ」
遊佐が唾を吐き捨てた。
「私は律のことでもう頭がいっぱいだよ…」
目に涙をたっぷりと溜め、今にも泣きだしそうな顔をした愛純がこっちを見る。
「それぞれじっくり考えよう、呪い歌の事も……律のことも」
僕のその台詞で2人は別れた。
しかしどうしても僕はその場を立ち去れず、ただ1人あの忌々しい踏み切りに佇んでいたのだった。
その目的地は、あの忌々しい呪い歌を行ってしまった学校近隣の線路である。
「…遅くなった」
僕が息を荒らげて到着したその時には、もう既にみんな揃っていた。
「…まさか本当に呪い歌が成立したなんていわないよな」
薫が地面を見つめてボソリと呟いた。
「そんな……やめてよ」
と、愛純が咄嗟に口を開くが、遊佐は薫のその意見を否定しない。
そしてそれは僕も同じだった。
「呪い歌は、本当なのか?」
遊佐が不安げにこちらを見つめた。
そしてその顔は否定してくれ、と言わんばかりの虚ろな表情をしていたのだった。
「…たまたまじゃないのか、今回のは」
僕は目を伏せて遊佐へと応答した。
もちろんこれがたまたまだなんて、僕は微塵たりとも思ってはいない。
しかしここでうんそうだねと同調したところで何になるだろうか。
かたや皆の不安を一層高めるだけではないか。
そんなのは絶対嫌だ。
そう思い少しでも皆を安心させようと思ったのだ。
その理屈を覆されないよう、続けて僕は
「律の母さんだって、何者かに襲われたって…」
と言いかけたその時、
「違うだろ!」
と、薫が声を荒らげて僕の倫理をかき消したのだった。
「よく考えろよ、律はあの時どこのパーツを持ってった?」
「パーツ……?」
愛純が薫の問いに疑問で返した。
「ここで呪い歌を実行した時紙人形をちぎっただろ!?その体の部位だよ!」
……まさか。
「あいつ………左足じゃなかったけ……?」
その遊佐の一言に皆が凍りついた。
辺りには嫌な風がビュオオオとひと吹きし、僕達の恐怖は最高潮に達した。
「じゃあ本当に呪い歌が成立したってことなのか?」
僕は確認を取るように薫へと首を振った。
「ああ、このままなら恐らく全員死ぬだろうな」
遠くを見つめるように答える薫に対して、残された僕ら3人は何も言えずにいた。
そしてそこから約1分間の沈黙が続いたのだった。
「もう帰ろう」
重苦しい沈黙を破ったのは案の定薫だった。
「僕はこのまま野垂れ死ぬつもりはないよ」
薫はそのままそんな一言を僕らに吐いて、スタスタと自分が来た道へと一人消えていった。
「何が言いたいんだよ」
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「私は律のことでもう頭がいっぱいだよ…」
目に涙をたっぷりと溜め、今にも泣きだしそうな顔をした愛純がこっちを見る。
「それぞれじっくり考えよう、呪い歌の事も……律のことも」
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しかしどうしても僕はその場を立ち去れず、ただ1人あの忌々しい踏み切りに佇んでいたのだった。
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