100 / 100
魔王決戦編
最終話 地球への帰還とイカサマ野郎の末路
しおりを挟む
「おい、俺達は元の世界に帰るけど。野上、お前はどうするんだ」
「そうか都合が良い。お前の功績を全て頂いて俺はエシャーニア王女と結婚して王になる」
「王女は嫌がっていたぞ。悪い事は言わない。やめとけ」
「嫌だ。異世界人達は俺達を利用した。俺が異世界人を利用して何が悪い」
「最後通告だ。考え直せ」
「もし、俺が大人しく帰ったらどうなる。生徒会長をリコールされるに決まっている。そしたら転落人生の始まりだ」
「身から出た錆だろう。異世界であれだけ好き勝手すればな」
「勝手にして何が悪い」
「そうか仕方が無い。カタログスペック100%」
俺は童話を手にスキルを掛けた。
その童話に書かれている内容は『ある男が神に一つ宝物を貰える事になりました。男は隙を見て一つ盗ったのに素知らぬ顔で二つ目を神様から貰いました。男が去ってから二つ宝物が無くなっているに気づいた神様は怒り天罰を落としましたとさ』という内容だ。
野上の身体は光に包まれ、更に天から稲妻が落ちた。
『すまん手が滑った』
どこからか声が聞こえた。
「いえ、お構いなく」
「俺に何をした」
と野上。
「小前田、鑑定を掛けてやれ」
「鑑定。職業と今まであったスキルが無くなっているわ。それとスキル『変顔』が追加されてる」
「もうこれで分かったろう。大人しく元の世界に帰って迷惑を掛けた人に謝るんだな」
「俺は謝らない。魔王と邪神討伐の功を持ってすれば職業なんてなんとでもなる」
「そうか好きにしろ。残りたい者は他にいるか。居ないようだな。みんな手をつなげ」
野上を除いたクラスメイトは輪になって手を繋ぐ。
「これは餞別だ」
俺は『浄化の杖』とエリクサーを野上に使ってやった。
聖剣を鞘に納め野上の傍らに置いた。
そして、輪になったクラスメイトに加わり、『来訪者戦記』片手にスキルを掛ける。
「カタログスペック100%」
俺を含めたクラスメイト三十九人は光となって消えた。
遂に終わりだな。
気づいたらあの白い空間に一人で立っていた。
「手間を掛けたのう」
爺が目の前に現れ声を掛けてきた。
「みんなは?」
「今頃は教室に着いているわい」
「それで」
「そっけないのう。ちょっと褒美を渡したいのじゃ」
「要らないから早く帰してくれ」
「せっかちじゃのう。カタログスペックを地球でも使えるようにしておくぞい。ただしカタログは本当にカタログだけで上場企業の物に限るがの。ではさらばじゃ」
俺が瞬きしたら教室にクラスメイトと共に立っていた。
みんなは高校の制服を着て喜びを友人と分かち合っている。
装備とかはなくなっているそりゃそうだ。
あのとんでもアイテムが持ち込まれると一波乱おきそうだ。
「波久礼君、帰って来れたね。どうしよう猛烈に波久礼君とファミレスでパフェ食べたい」
「良美、私も行くわよ。三人で打ち上げね」
「そうだな、三人でカラオケ行ったりしよう」
時間まで撒き戻っているらしくホームルームの次の時間になったら、数学の教師が来て涙を流している大勢の生徒を見て慌てて他の教師を呼びに行った。
ああ、帰って来れたんだな。
次の日の朝。
「カタログスペック100%」
スクーターが光に包まれる。
そして、俺の腕にはミサンガが結ばれていた。
Side:創造神
全く後始末というのは面倒臭くてかなわんわい。
邪神がいなくて良かったのじゃ。
これで、神器は粗方回収したな。
神器の代わりに置いておく金銭は魔王城から失敬させてもらったのはありがたかったのう。
あの羊と馬は聖獣にしておくとするか。
直接手を出しても制約が掛からんと言うのは良い事じゃ。
そうだ元勇者はどうなっておるかの。
ちょっと覗いてみるかの。
「信じてくれ。俺は来訪者の勇者で、魔王と邪神を討伐したんだ」
「嘘を言うな。この変な顔の詐欺師め。王女様もお前のような者は知らんと言っておられる。討伐者ならシロウ・ハグレ様と神託があった」
「くそぉ」
「勇者様なら聖剣を振るえるはずだ見せてみろ」
「そんなに言うなら、見せてやるぞ。お前達、細切れだ。ぬっ……」
「どうした。剣が鞘から抜けないようだが」
「なんでなんだよ」
「どうせその剣もはったりなんだろう。今日がめでたい日で良かったな。エターヤル王子とエシャーニア王女の婚約が整ったから、罪人には恩赦が与えられる。そうでなければ逮捕しているところだ。悪い事は言わない、うせろ」
元勇者は門番に蹴られ転がって行く。
元勇者は立ち上がりよろよろと歩き出した。
哀れじゃの。
「そうか都合が良い。お前の功績を全て頂いて俺はエシャーニア王女と結婚して王になる」
「王女は嫌がっていたぞ。悪い事は言わない。やめとけ」
「嫌だ。異世界人達は俺達を利用した。俺が異世界人を利用して何が悪い」
「最後通告だ。考え直せ」
「もし、俺が大人しく帰ったらどうなる。生徒会長をリコールされるに決まっている。そしたら転落人生の始まりだ」
「身から出た錆だろう。異世界であれだけ好き勝手すればな」
「勝手にして何が悪い」
「そうか仕方が無い。カタログスペック100%」
俺は童話を手にスキルを掛けた。
その童話に書かれている内容は『ある男が神に一つ宝物を貰える事になりました。男は隙を見て一つ盗ったのに素知らぬ顔で二つ目を神様から貰いました。男が去ってから二つ宝物が無くなっているに気づいた神様は怒り天罰を落としましたとさ』という内容だ。
野上の身体は光に包まれ、更に天から稲妻が落ちた。
『すまん手が滑った』
どこからか声が聞こえた。
「いえ、お構いなく」
「俺に何をした」
と野上。
「小前田、鑑定を掛けてやれ」
「鑑定。職業と今まであったスキルが無くなっているわ。それとスキル『変顔』が追加されてる」
「もうこれで分かったろう。大人しく元の世界に帰って迷惑を掛けた人に謝るんだな」
「俺は謝らない。魔王と邪神討伐の功を持ってすれば職業なんてなんとでもなる」
「そうか好きにしろ。残りたい者は他にいるか。居ないようだな。みんな手をつなげ」
野上を除いたクラスメイトは輪になって手を繋ぐ。
「これは餞別だ」
俺は『浄化の杖』とエリクサーを野上に使ってやった。
聖剣を鞘に納め野上の傍らに置いた。
そして、輪になったクラスメイトに加わり、『来訪者戦記』片手にスキルを掛ける。
「カタログスペック100%」
俺を含めたクラスメイト三十九人は光となって消えた。
遂に終わりだな。
気づいたらあの白い空間に一人で立っていた。
「手間を掛けたのう」
爺が目の前に現れ声を掛けてきた。
「みんなは?」
「今頃は教室に着いているわい」
「それで」
「そっけないのう。ちょっと褒美を渡したいのじゃ」
「要らないから早く帰してくれ」
「せっかちじゃのう。カタログスペックを地球でも使えるようにしておくぞい。ただしカタログは本当にカタログだけで上場企業の物に限るがの。ではさらばじゃ」
俺が瞬きしたら教室にクラスメイトと共に立っていた。
みんなは高校の制服を着て喜びを友人と分かち合っている。
装備とかはなくなっているそりゃそうだ。
あのとんでもアイテムが持ち込まれると一波乱おきそうだ。
「波久礼君、帰って来れたね。どうしよう猛烈に波久礼君とファミレスでパフェ食べたい」
「良美、私も行くわよ。三人で打ち上げね」
「そうだな、三人でカラオケ行ったりしよう」
時間まで撒き戻っているらしくホームルームの次の時間になったら、数学の教師が来て涙を流している大勢の生徒を見て慌てて他の教師を呼びに行った。
ああ、帰って来れたんだな。
次の日の朝。
「カタログスペック100%」
スクーターが光に包まれる。
そして、俺の腕にはミサンガが結ばれていた。
Side:創造神
全く後始末というのは面倒臭くてかなわんわい。
邪神がいなくて良かったのじゃ。
これで、神器は粗方回収したな。
神器の代わりに置いておく金銭は魔王城から失敬させてもらったのはありがたかったのう。
あの羊と馬は聖獣にしておくとするか。
直接手を出しても制約が掛からんと言うのは良い事じゃ。
そうだ元勇者はどうなっておるかの。
ちょっと覗いてみるかの。
「信じてくれ。俺は来訪者の勇者で、魔王と邪神を討伐したんだ」
「嘘を言うな。この変な顔の詐欺師め。王女様もお前のような者は知らんと言っておられる。討伐者ならシロウ・ハグレ様と神託があった」
「くそぉ」
「勇者様なら聖剣を振るえるはずだ見せてみろ」
「そんなに言うなら、見せてやるぞ。お前達、細切れだ。ぬっ……」
「どうした。剣が鞘から抜けないようだが」
「なんでなんだよ」
「どうせその剣もはったりなんだろう。今日がめでたい日で良かったな。エターヤル王子とエシャーニア王女の婚約が整ったから、罪人には恩赦が与えられる。そうでなければ逮捕しているところだ。悪い事は言わない、うせろ」
元勇者は門番に蹴られ転がって行く。
元勇者は立ち上がりよろよろと歩き出した。
哀れじゃの。
10
お気に入りに追加
135
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
闇の錬金術師と三毛猫 ~全種類のポーションが製造可能になったので猫と共にお店でスローライフします~
桜井正宗
ファンタジー
Cランクの平凡な錬金術師・カイリは、宮廷錬金術師に憧れていた。
技術を磨くために大手ギルドに所属。
半年経つとギルドマスターから追放を言い渡された。
理由は、ポーションがまずくて回復力がないからだった。
孤独になったカイリは絶望の中で三毛猫・ヴァルハラと出会う。人語を話す不思議な猫だった。力を与えられ闇の錬金術師に生まれ変わった。
全種類のポーションが製造可能になってしまったのだ。
その力を活かしてお店を開くと、最高のポーションだと国中に広まった。ポーションは飛ぶように売れ、いつの間にかお金持ちに……!
その噂を聞きつけた元ギルドも、もう一度やり直さないかとやって来るが――もう遅かった。
カイリは様々なポーションを製造して成り上がっていくのだった。
三毛猫と共に人生の勝ち組へ...!
魔力吸収体質が厄介すぎて追放されたけど、創造スキルに進化したので、もふもふライフを送ることにしました
うみ
ファンタジー
魔力吸収能力を持つリヒトは、魔力が枯渇して「魔法が使えなくなる」という理由で街はずれでひっそりと暮らしていた。
そんな折、どす黒い魔力である魔素溢れる魔境が拡大してきていたため、領主から魔境へ向かえと追い出されてしまう。
魔境の入り口に差し掛かった時、全ての魔素が主人公に向けて流れ込み、魔力吸収能力がオーバーフローし覚醒する。
その結果、リヒトは有り余る魔力を使って妄想を形にする力「創造スキル」を手に入れたのだった。
魔素の無くなった魔境は元の大自然に戻り、街に戻れない彼はここでノンビリ生きていく決意をする。
手に入れた力で高さ333メートルもある建物を作りご満悦の彼の元へ、邪神と名乗る白猫にのった小動物や、獣人の少女が訪れ、更には豊富な食糧を嗅ぎつけたゴブリンの大軍が迫って来て……。
いつしかリヒトは魔物たちから魔王と呼ばるようになる。それに伴い、333メートルの建物は魔王城として畏怖されるようになっていく。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!
KeyBow
ファンタジー
日常のありふれた生活が一変!古本屋で何気に手に取り開けた本のタイトルは【猿でも分かるスキルスティール取得法】
変な本だと感じつい見てしまう。そこにはこう有った。
【アホが見ーる馬のけーつ♪
スキルスティールをやるから魔王を倒してこい!まお頑張れや 】
はっ!?と思うとお城の中に。城の誰かに召喚されたが、無能者として暗殺者をけしかけられたりする。
出会った猫耳ツインズがぺったんこだけど可愛すぎるんですが!エルフの美女が恋人に?何故かヒューマンの恋人ができません!
行き当たりばったりで異世界ライフを満喫していく。自重って何?という物語。
悪人からは遠慮なくスキルをいただきまーーーす!ざまぁっす!
一癖も二癖もある仲間と歩む珍道中!
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる