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第5章 アンデッドでざまぁ
第248話 おっさん、さよならする
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そうか、そうなのか。
ああ、これが選択の時だと。
そうだ、これが選択の時だ。
「管理者、選択の時だ」
どういう選択をするかだって、そんなの簡単だ。
狂気に侵され掛かってはいるが、俺は人間だ。
譲れない。
人間として生きて人間として死ぬんだ。
今がその時だ。
体は人間ではないが、人間らしく死んでやる。
「であなたはどういう選択をするの」
「俺を最強のアンデッドにしてくれ、できるだろ」
アンデッドの心が大賛成した。
人間の心もだ。
「最強の人間にとは言わないのね」
「それだと制約がつきそうだ」
「そうね。人間で最強だと、10秒ぐらいしか体が持たないわ」
「最強のアンデッドにできるのか。答えろ」
「ええ、出来るわ。でもそれは人間には戻れないという事よ。破滅が待っているわ」
「いいんだ。俺を犠牲にしよう。それでみんなが助かる」
「決意は固いようね。じゃやるわね」
俺は七色に光輝くヴァンパイヤになった。
いや、アルティメットアンデッドだ。
ビームを発射して、はりつけ台近くの兵士を消し飛ばした。
そして、包囲している兵士も消し飛ばした。
シュトロムのそばに歩み寄る。
「お前は何だ」
「俺か。俺はしがないアンデッドだ」
シュトロムの顔を掴むと宮殿に向かって投げた。
レジスタンスの人間がバリケードを解いて俺の近くに寄ってきた。
「あんた、見直したぜ。神様みたいに光っているけど、大丈夫か」
「心配には及ばない。事が終われば元に戻るさ」
「そうかい。みんな、聖杭を拾って宮殿に攻め込むぞ」
はりつけ台の四人を解放した。
「ごめんなさい、役に立たなくて」
「ごめんなさい、あなたがアンデッドだって事ばらしてしまったわ」
「足を引っ張っちゃった」
「自由が守れなかった」
四人が四人とも謝っている。
「良いんだ。こうやってなんとかなったし」
俺は宮殿を目指した。
宮殿の門にはシュトロムが突き刺さっている。
裏切り者に相応しい末路だな。
門をくぐると破壊の跡があちこちに見られた。
レジスタンス達が宮殿を破壊していったらしい。
血の匂いが心地いい。
俺は破壊の跡を眺めながら歩いた
実に癒される。
ビームを激しく撃ち合っている場所に出た。
「どいてろ」
俺はビームの矢面に立った。
俺の体に当たったビームは吸収された。
「ふんっ」
パンチ一つで兵士の群れが吹き飛んで血しぶきを上げる。
いいぞもっとだ。
気が付いたら兵士は居なくなってた。
敵を求めて前進を開始する。
俺の後をぞろぞろとレジスタンスとレイスがついて来た。
「あなたたち何ですの。無礼な。ここを皇女の私室と知っての狼藉ですか」
レイスが皇女にまとわりつく。
皇女は眠るように死んだ。
敵としては温情のある死なせ方だな。
また、一段と抵抗の激しい区画がある。
俺が先頭に立って兵士を潰す。
そして部屋に踏み込むと玉座に皇帝が座っていた。
「何か言う事はあるか」
「世界征服がこんな事で阻まれようとは。これは運命なのか」
少し考えてみた。
管理者に選択の時があると言われなければ、もっと違った展開になっていたかも知れない。
と言う事は管理者の意向が働いているとも言える。
「この世界を管理している者の干渉だ」
「そうか、世界に嫌われたのだな。ごふっ」
皇帝は血を吐いた。
毒を飲んでいたらしい。
「自業自得だ。ざまぁみろ」
俺はそう呟いた。
終わりはあっけない。
いやこれは終わりではない。
新しい時代の幕開けだ。
この国も議員が政治をする国になるだろう
俺の役割は終わったな。
「管理者、俺はどうやったら、気が狂わないうちに死ねる」
「それを聞いちゃうの。まあ、そうなると思ったわ」
「答えろ」
「簡単よ。アンデッドの体から魂を切り離せば良い」
「体が爆発したりはしないのか」
「そこはサービスしておくわ」
みんな、さよならだ。
冒険楽しかったな。
結局スラムの顔役とはあれっきりだ。
イリスと皇都の劇団を見に行くんだった。
アニータにもっと美味い物を食わせたかった。
政変によって変わった国を見に行けなかったな。
ムハナにはまた会えると言ったが、今日、会ったのが最後だ。
約束ばかりが思い出される。
こんなのばかりじゃないはずだ。
楽しい思い出を胸に行こう。
アルマ、エリナ、モニカごめん。
「すぱっとやってくれ」
「ええ、じゃやるわよ」
俺の視界は切り替わり、砂漠に全裸で立っていた。
ええー、死ぬんじゃないのかよ。
これはあれか。
アンデッドの体から切り離された俺の魂は、その衝撃で飛ばされて異世界に辿り着いたと。
新たな世界に行くとアバターが作り出されるから、今の状態って訳だ。
アンデッドの体は無くなったから、気が狂う心配もないと。
ジャスミンとアニータに、またお別れが言えなかったな。
いや、長い人生だ。
もう一度あの世界に飛ばされるかもしれない。
何にせよ、俺の冒険は続いていくらしい。
―完―
ああ、これが選択の時だと。
そうだ、これが選択の時だ。
「管理者、選択の時だ」
どういう選択をするかだって、そんなの簡単だ。
狂気に侵され掛かってはいるが、俺は人間だ。
譲れない。
人間として生きて人間として死ぬんだ。
今がその時だ。
体は人間ではないが、人間らしく死んでやる。
「であなたはどういう選択をするの」
「俺を最強のアンデッドにしてくれ、できるだろ」
アンデッドの心が大賛成した。
人間の心もだ。
「最強の人間にとは言わないのね」
「それだと制約がつきそうだ」
「そうね。人間で最強だと、10秒ぐらいしか体が持たないわ」
「最強のアンデッドにできるのか。答えろ」
「ええ、出来るわ。でもそれは人間には戻れないという事よ。破滅が待っているわ」
「いいんだ。俺を犠牲にしよう。それでみんなが助かる」
「決意は固いようね。じゃやるわね」
俺は七色に光輝くヴァンパイヤになった。
いや、アルティメットアンデッドだ。
ビームを発射して、はりつけ台近くの兵士を消し飛ばした。
そして、包囲している兵士も消し飛ばした。
シュトロムのそばに歩み寄る。
「お前は何だ」
「俺か。俺はしがないアンデッドだ」
シュトロムの顔を掴むと宮殿に向かって投げた。
レジスタンスの人間がバリケードを解いて俺の近くに寄ってきた。
「あんた、見直したぜ。神様みたいに光っているけど、大丈夫か」
「心配には及ばない。事が終われば元に戻るさ」
「そうかい。みんな、聖杭を拾って宮殿に攻め込むぞ」
はりつけ台の四人を解放した。
「ごめんなさい、役に立たなくて」
「ごめんなさい、あなたがアンデッドだって事ばらしてしまったわ」
「足を引っ張っちゃった」
「自由が守れなかった」
四人が四人とも謝っている。
「良いんだ。こうやってなんとかなったし」
俺は宮殿を目指した。
宮殿の門にはシュトロムが突き刺さっている。
裏切り者に相応しい末路だな。
門をくぐると破壊の跡があちこちに見られた。
レジスタンス達が宮殿を破壊していったらしい。
血の匂いが心地いい。
俺は破壊の跡を眺めながら歩いた
実に癒される。
ビームを激しく撃ち合っている場所に出た。
「どいてろ」
俺はビームの矢面に立った。
俺の体に当たったビームは吸収された。
「ふんっ」
パンチ一つで兵士の群れが吹き飛んで血しぶきを上げる。
いいぞもっとだ。
気が付いたら兵士は居なくなってた。
敵を求めて前進を開始する。
俺の後をぞろぞろとレジスタンスとレイスがついて来た。
「あなたたち何ですの。無礼な。ここを皇女の私室と知っての狼藉ですか」
レイスが皇女にまとわりつく。
皇女は眠るように死んだ。
敵としては温情のある死なせ方だな。
また、一段と抵抗の激しい区画がある。
俺が先頭に立って兵士を潰す。
そして部屋に踏み込むと玉座に皇帝が座っていた。
「何か言う事はあるか」
「世界征服がこんな事で阻まれようとは。これは運命なのか」
少し考えてみた。
管理者に選択の時があると言われなければ、もっと違った展開になっていたかも知れない。
と言う事は管理者の意向が働いているとも言える。
「この世界を管理している者の干渉だ」
「そうか、世界に嫌われたのだな。ごふっ」
皇帝は血を吐いた。
毒を飲んでいたらしい。
「自業自得だ。ざまぁみろ」
俺はそう呟いた。
終わりはあっけない。
いやこれは終わりではない。
新しい時代の幕開けだ。
この国も議員が政治をする国になるだろう
俺の役割は終わったな。
「管理者、俺はどうやったら、気が狂わないうちに死ねる」
「それを聞いちゃうの。まあ、そうなると思ったわ」
「答えろ」
「簡単よ。アンデッドの体から魂を切り離せば良い」
「体が爆発したりはしないのか」
「そこはサービスしておくわ」
みんな、さよならだ。
冒険楽しかったな。
結局スラムの顔役とはあれっきりだ。
イリスと皇都の劇団を見に行くんだった。
アニータにもっと美味い物を食わせたかった。
政変によって変わった国を見に行けなかったな。
ムハナにはまた会えると言ったが、今日、会ったのが最後だ。
約束ばかりが思い出される。
こんなのばかりじゃないはずだ。
楽しい思い出を胸に行こう。
アルマ、エリナ、モニカごめん。
「すぱっとやってくれ」
「ええ、じゃやるわよ」
俺の視界は切り替わり、砂漠に全裸で立っていた。
ええー、死ぬんじゃないのかよ。
これはあれか。
アンデッドの体から切り離された俺の魂は、その衝撃で飛ばされて異世界に辿り着いたと。
新たな世界に行くとアバターが作り出されるから、今の状態って訳だ。
アンデッドの体は無くなったから、気が狂う心配もないと。
ジャスミンとアニータに、またお別れが言えなかったな。
いや、長い人生だ。
もう一度あの世界に飛ばされるかもしれない。
何にせよ、俺の冒険は続いていくらしい。
―完―
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