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第5章 アンデッドでざまぁ
第244話 おっさん、強奪する
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レイスの連中と製造工場の人間を殺して回った。
レイスの殺し方は綺麗だ。
魔力を吸い取るのだ。
限界以上に魔力を吸い取られると眠ったように死ぬ。
「こっちの金庫の中に重要書類を見つけたぞ」
レイスの一人がそう告げた。
案内されて行くと立派な金庫がある。
ダイヤモンドカッターの刃で切り裂き、中身を取り出した。
ええと、聖杭の配備先の書類がある。
これを元に聖杭を強奪しまくって、レイスにすれば戦力アップ間違いなしだ。
「みなさん、お世話になりました」
カイルが名残惜しそうに、俺達へ別れの挨拶を述べた。
「元気でな」
「お元気で。出産祝いを後で送るわ」
「今度遊びに行くよ」
カイル達は廃村に向かったらしい。
レイスの一人が提案したのだ。
モンスターのせいで廃村になったらしいが、レイス達がいればほとんど無敵だ。
俺達は重要書類をイリスに届けた。
「なかなか面白い物を手に入れたわね」
「聖杭を強奪するべきだな」
「そうね、頼めるかしら」
「乗り掛かった舟だ。最後までやるよ」
イリスは案内人を二人付けてくれた。
一人は元貴族のセドリックで、都市のスペシャリストだ。
知らない街はないくらい都市部に精通している。
もう一人はリネットで、森や砦に精通している。
辺境のスペシャリストだ。
「さて、どこから手をつけよう」
「とりあえず近場からやってみたら」
ジャスミンがそう提案した。
「そうだな。近場からというと軍の聖杭保管庫だな。よし、セドリック頼むぞ」
「頼まれました。保管庫の周辺の建物は把握してます。秘密裏に入るなら、下水道からトンネルを掘るのが宜しいかと」
俺は下水道からトンネルを掘った。
掘る係が俺一人なのは理由がある。
臭いで気分が悪くなるそうだ。
詳しくは分からないが、たぶんガスも発生していると思う。
ヴァンパイヤは呼吸が必要ない分、こういう作業にうってつけだ。
保管庫の床に穴を開け建物の中に入る。
建物の中は暗くヴァンパイヤでなければ見えないところだ。
用心の為に灯りは点けない。
棚には聖杭がずらっと並んでいた。
俺は片っ端から背負い鞄に詰める。
書類に記されていた数よりあるようだ。
こりゃ、一度では無理だな。
俺は何回も往復して聖杭を運んだ。
やばいな。
巡回が来そうだ。
「急いで。銅鑼が鳴ったわ。侵入がばれたみたい」
「先に聖杭をジーナの村に届けてくれ。俺は最後の聖杭を確保してから向かう」
「気を付けて」
「ああ、分かっている」
俺は最後の聖杭を背負い鞄に詰めて下水道を出た。
下水道の出口は包囲されていた。
ふん、こんなのわけないぜ。
蹴散らして、ジャスミン達を追いかけた。
聖杭を起こす必要が無ければ事は簡単なのにな。
ちなみに、起こさないで魔力回路を解除するとどうなるか聞いてみた。
ジーナによればたぶん大爆発を起こすと。
意識があるから大量の魔力を完全に制御可能だと言っていた。
聖杭の魔力回路は魂を眠らせるのと、魔力を安定させるのが刻まれているらしい。
俺は門を出て、街道を少し進んだ所でジャスミン達に追いついた。
「臭い。ムニ、物凄い匂いよ」
その時、犬の鳴き声が近づいてくるのが分かった。
「しまった、臭いを追跡された」
俺はスプレーするタイプの脱臭剤を魔力通販で買うと体に掛けた。
これで騙せるかな。
「急ぐわよ」
「おう」
「うん」
「分かりました」
「はい」
追っ手との戦闘を覚悟しないといけないみたいだ。
とりあえずここは地形が悪い。
遮蔽物がないので、遠距離攻撃を防げない。
俺だけなら迎え撃てるが、後の四人は厳しいだろう。
いくらか距離を稼いでからの、森に入ってのゲリラ戦が望ましい。
俺とジャスミンとアニータはスクーターで、セドリックとリネットは馬で街道を飛ばした。
ヴァンパイヤの耳が、追いかけて来る蹄の音を聞き取った。
名馬と普通の馬では勝負にならないだろう。
俺はロープ使い道を遮断した。
こんな罠に掛からないよな。
ヴァンパイヤの耳はジャンプする馬の足音を聞き取った。
飛び越えたのか。
俺はジャスミン達を先に行かせ、追っ手を迎え撃つ事にした。
レイスの殺し方は綺麗だ。
魔力を吸い取るのだ。
限界以上に魔力を吸い取られると眠ったように死ぬ。
「こっちの金庫の中に重要書類を見つけたぞ」
レイスの一人がそう告げた。
案内されて行くと立派な金庫がある。
ダイヤモンドカッターの刃で切り裂き、中身を取り出した。
ええと、聖杭の配備先の書類がある。
これを元に聖杭を強奪しまくって、レイスにすれば戦力アップ間違いなしだ。
「みなさん、お世話になりました」
カイルが名残惜しそうに、俺達へ別れの挨拶を述べた。
「元気でな」
「お元気で。出産祝いを後で送るわ」
「今度遊びに行くよ」
カイル達は廃村に向かったらしい。
レイスの一人が提案したのだ。
モンスターのせいで廃村になったらしいが、レイス達がいればほとんど無敵だ。
俺達は重要書類をイリスに届けた。
「なかなか面白い物を手に入れたわね」
「聖杭を強奪するべきだな」
「そうね、頼めるかしら」
「乗り掛かった舟だ。最後までやるよ」
イリスは案内人を二人付けてくれた。
一人は元貴族のセドリックで、都市のスペシャリストだ。
知らない街はないくらい都市部に精通している。
もう一人はリネットで、森や砦に精通している。
辺境のスペシャリストだ。
「さて、どこから手をつけよう」
「とりあえず近場からやってみたら」
ジャスミンがそう提案した。
「そうだな。近場からというと軍の聖杭保管庫だな。よし、セドリック頼むぞ」
「頼まれました。保管庫の周辺の建物は把握してます。秘密裏に入るなら、下水道からトンネルを掘るのが宜しいかと」
俺は下水道からトンネルを掘った。
掘る係が俺一人なのは理由がある。
臭いで気分が悪くなるそうだ。
詳しくは分からないが、たぶんガスも発生していると思う。
ヴァンパイヤは呼吸が必要ない分、こういう作業にうってつけだ。
保管庫の床に穴を開け建物の中に入る。
建物の中は暗くヴァンパイヤでなければ見えないところだ。
用心の為に灯りは点けない。
棚には聖杭がずらっと並んでいた。
俺は片っ端から背負い鞄に詰める。
書類に記されていた数よりあるようだ。
こりゃ、一度では無理だな。
俺は何回も往復して聖杭を運んだ。
やばいな。
巡回が来そうだ。
「急いで。銅鑼が鳴ったわ。侵入がばれたみたい」
「先に聖杭をジーナの村に届けてくれ。俺は最後の聖杭を確保してから向かう」
「気を付けて」
「ああ、分かっている」
俺は最後の聖杭を背負い鞄に詰めて下水道を出た。
下水道の出口は包囲されていた。
ふん、こんなのわけないぜ。
蹴散らして、ジャスミン達を追いかけた。
聖杭を起こす必要が無ければ事は簡単なのにな。
ちなみに、起こさないで魔力回路を解除するとどうなるか聞いてみた。
ジーナによればたぶん大爆発を起こすと。
意識があるから大量の魔力を完全に制御可能だと言っていた。
聖杭の魔力回路は魂を眠らせるのと、魔力を安定させるのが刻まれているらしい。
俺は門を出て、街道を少し進んだ所でジャスミン達に追いついた。
「臭い。ムニ、物凄い匂いよ」
その時、犬の鳴き声が近づいてくるのが分かった。
「しまった、臭いを追跡された」
俺はスプレーするタイプの脱臭剤を魔力通販で買うと体に掛けた。
これで騙せるかな。
「急ぐわよ」
「おう」
「うん」
「分かりました」
「はい」
追っ手との戦闘を覚悟しないといけないみたいだ。
とりあえずここは地形が悪い。
遮蔽物がないので、遠距離攻撃を防げない。
俺だけなら迎え撃てるが、後の四人は厳しいだろう。
いくらか距離を稼いでからの、森に入ってのゲリラ戦が望ましい。
俺とジャスミンとアニータはスクーターで、セドリックとリネットは馬で街道を飛ばした。
ヴァンパイヤの耳が、追いかけて来る蹄の音を聞き取った。
名馬と普通の馬では勝負にならないだろう。
俺はロープ使い道を遮断した。
こんな罠に掛からないよな。
ヴァンパイヤの耳はジャンプする馬の足音を聞き取った。
飛び越えたのか。
俺はジャスミン達を先に行かせ、追っ手を迎え撃つ事にした。
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