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第5章 アンデッドでざまぁ
第212話 おっさん、レッサーヴァンパイヤと対決する
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翌朝、雨は上がってからりと晴れ上がっていた。
馬車は現在、中継地の村の外れで野営中だ。
ジェマはここからスクーターで移動するつもりらしい。
馬車は早朝に村を出て行ったので、俺達は村にお邪魔する事にした。
ジェマが新鮮な野菜を食いたいと言った為だ。
村に一軒しかない酒場に入った。
「おいひい、おいひいよ。ムニ、ごめん。食べられないんだった」
そうだな。
今の俺には食べる楽しみも、寝る楽しみも、風呂に入る楽しみもない。
風呂に入った所で暑さを感じないのだからな。
ストレスには無縁なのでなんとかなっている。
『一つ遊びを教えてやろう』
俺は魔力通販でリバーシを買ってテーブルに置いた。
「なんかシンプルなゲームね」
『交互に駒を置いて、同じ色で挟むと色を変えられる。自分の色が多い方が勝ちだ』
「面白そう」
『じゃやってみよう』
俺はリバーシをジェマと楽しんだ。
「ああ、負けちゃった」
『角を取るのと。序盤は多く取り過ぎない。これさえ分かれば素人には勝てる』
「なるほどね。もう一回やりましょ」
「大変だ。チャドの奴が病気になっちまった」
男が駆け込んできた。
「これで何人目だ」
「5人目だ」
「この村は呪われているんだ」
ダンジョンコアから吸い取った魔力で病気治療のポーションは手に入れられる。
免疫力を高めるタイプだから、どんな病気にも効くはずだ。
『これを使うように言ってくれ』
俺は病気用のポーションを出した。
「おじさん、良かったらこれ使って。薬よ。効くかどうか分からないけど」
「ありがとう。村にはろくな薬がないから助かった」
男はポーションを受け取ると駆け出して行った。
俺とジェマはリバーシを再開した。
「やった。やっと勝てたわ。コツが分かると楽しいね」
『どうだ。冒険が嫌になったら、このゲームを作ってみると良い。真似されるだろうが、儲かるぞ』
「ええ、その時はね」
「大変だ」
さっきの男が戻ってきた。
まさかポーションの副作用で急変したとか。
「どうした真っ青な顔をして」
「ヴァンパイヤだ。病気はヴァンパイヤに噛まれたせいだったんだ」
ヴァンパイヤね。
金属支配のアンデッドだと対処し易いのだが。
「大変だ。軍の出動を要請しないと」
「出たのは上位種か」
「いや、チャドの話だと知性が無いようだった」
「なら、レッサーヴァンパイヤだな。チャドが助かったのはそのせいだろう」
『襲われた時の事を聞いてくれ』
「おじさん、襲われた状況を詳しく」
「夜、寝ていたら、突然襲われたそうだ。赤い目の男だったとしか覚えてないみたいだ。相手は唸り声しか話さなかった。噛まれてから目を覚ますまでの記憶はない言っていた」
「村の近くに潜んでいるんだろう」
「困ったな。レッサーでも自警団では歯が立たない」
「残りの4人の病人にもあの薬を飲ませたい。金なら払う。あんた譲ってくれないか」
「ムニ」
『譲ってやるよ。襲撃がある場合に備えて余分もな』
「喜んで譲るわ」
「ありがたい」
村人は薬を受け取ると散っていって、しばらくして戻って来た。
顔は一様に暗い。
「やはり、レッサーヴァンパイヤだった」
「こっちもだ」
「相手は金髪だったらしい」
「服は身に着けていなかった」
どこに潜んでいるのやら。
退治するなら昼間のうちが良いだろう。
だが生憎と日は暮れそうだ。
『俺達はどうする』
「見捨てたら、寝覚めが悪いわね」
『じゃあ、ヴァンパイヤ退治しよう』
幸いな事に俺は噛まれても平気な体だ。
夜の帳が下り村人は全員、村長宅に集まった。
襲ってくるかな。
夜中、扉の固定していた木が吹き飛ばされ、扉が破られた。
来たな。
『ジェマ、下がっていろ』
俺は前に出てレッサーヴァンパイヤと対峙した。
レッサーヴァンパイヤは全裸で真っ赤な目をしてこちらを睨んでいた。
皮膚が所々黒ずんでいる。
昼間の時間、太陽に焼かれたと思われる。
銀を埋め込んだメイスを振りかぶり一閃。
レッサーヴァンパイヤは唸ると、片手で受け止め、メイスをへし折った。
ポチが足に噛みつこうとするが蹴りを入れられバラバラになる。
俺は急いで金属支配を使いメイスを繋げた。
綺麗に切れてないので上手く繋がらない。
剣が折れるのとは違うのだな。
感心している場合じゃない。
俺はアイテムボックスから新しいメイスを取り出した。
「援護するわ。属性魔導、刃よ回転して切り刻め」
ダイヤモンドカッターの刃が飛んで来る。
レッサーヴァンパイヤは素早くかわすとジェマに襲い掛かった。
くそう、早すぎる。
ジェマは首筋を噛まれている。
動きが止まっているので、全力でメイスを叩き込んだ。
だが、メイスは筋肉で受け止められた。
銀が当たった所から煙が出る。
血の臭いが立ち込めた。
おっ、効いているぞ。
だが、致命傷には程遠い。
「ならば。属性魔導、刃よ回転して切り刻め」
ダイヤモンドカッターの刃がレッサーヴァンパイヤに食い込む。
だが、血が流れないので、効いているようには思えない。
俺はニンニクドレッシングを掛けた。
ニンニクは効果無しか。
「ガオォン」
レッサーヴァンパイヤは叫ぶと逃げて行った。
完敗だ。
レッサーヴァンパイヤを舐めてた。
ジェマ、すぐにポーションを飲ませてやるぞ。
ポーションを飲ませたが、ジェマは眠ったままだ。
おかしい。
慌てて今度はエリクサーを飲ます。
だが、起きない。
エリクサーが効かないなんて、どんな毒なんだ。
馬車は現在、中継地の村の外れで野営中だ。
ジェマはここからスクーターで移動するつもりらしい。
馬車は早朝に村を出て行ったので、俺達は村にお邪魔する事にした。
ジェマが新鮮な野菜を食いたいと言った為だ。
村に一軒しかない酒場に入った。
「おいひい、おいひいよ。ムニ、ごめん。食べられないんだった」
そうだな。
今の俺には食べる楽しみも、寝る楽しみも、風呂に入る楽しみもない。
風呂に入った所で暑さを感じないのだからな。
ストレスには無縁なのでなんとかなっている。
『一つ遊びを教えてやろう』
俺は魔力通販でリバーシを買ってテーブルに置いた。
「なんかシンプルなゲームね」
『交互に駒を置いて、同じ色で挟むと色を変えられる。自分の色が多い方が勝ちだ』
「面白そう」
『じゃやってみよう』
俺はリバーシをジェマと楽しんだ。
「ああ、負けちゃった」
『角を取るのと。序盤は多く取り過ぎない。これさえ分かれば素人には勝てる』
「なるほどね。もう一回やりましょ」
「大変だ。チャドの奴が病気になっちまった」
男が駆け込んできた。
「これで何人目だ」
「5人目だ」
「この村は呪われているんだ」
ダンジョンコアから吸い取った魔力で病気治療のポーションは手に入れられる。
免疫力を高めるタイプだから、どんな病気にも効くはずだ。
『これを使うように言ってくれ』
俺は病気用のポーションを出した。
「おじさん、良かったらこれ使って。薬よ。効くかどうか分からないけど」
「ありがとう。村にはろくな薬がないから助かった」
男はポーションを受け取ると駆け出して行った。
俺とジェマはリバーシを再開した。
「やった。やっと勝てたわ。コツが分かると楽しいね」
『どうだ。冒険が嫌になったら、このゲームを作ってみると良い。真似されるだろうが、儲かるぞ』
「ええ、その時はね」
「大変だ」
さっきの男が戻ってきた。
まさかポーションの副作用で急変したとか。
「どうした真っ青な顔をして」
「ヴァンパイヤだ。病気はヴァンパイヤに噛まれたせいだったんだ」
ヴァンパイヤね。
金属支配のアンデッドだと対処し易いのだが。
「大変だ。軍の出動を要請しないと」
「出たのは上位種か」
「いや、チャドの話だと知性が無いようだった」
「なら、レッサーヴァンパイヤだな。チャドが助かったのはそのせいだろう」
『襲われた時の事を聞いてくれ』
「おじさん、襲われた状況を詳しく」
「夜、寝ていたら、突然襲われたそうだ。赤い目の男だったとしか覚えてないみたいだ。相手は唸り声しか話さなかった。噛まれてから目を覚ますまでの記憶はない言っていた」
「村の近くに潜んでいるんだろう」
「困ったな。レッサーでも自警団では歯が立たない」
「残りの4人の病人にもあの薬を飲ませたい。金なら払う。あんた譲ってくれないか」
「ムニ」
『譲ってやるよ。襲撃がある場合に備えて余分もな』
「喜んで譲るわ」
「ありがたい」
村人は薬を受け取ると散っていって、しばらくして戻って来た。
顔は一様に暗い。
「やはり、レッサーヴァンパイヤだった」
「こっちもだ」
「相手は金髪だったらしい」
「服は身に着けていなかった」
どこに潜んでいるのやら。
退治するなら昼間のうちが良いだろう。
だが生憎と日は暮れそうだ。
『俺達はどうする』
「見捨てたら、寝覚めが悪いわね」
『じゃあ、ヴァンパイヤ退治しよう』
幸いな事に俺は噛まれても平気な体だ。
夜の帳が下り村人は全員、村長宅に集まった。
襲ってくるかな。
夜中、扉の固定していた木が吹き飛ばされ、扉が破られた。
来たな。
『ジェマ、下がっていろ』
俺は前に出てレッサーヴァンパイヤと対峙した。
レッサーヴァンパイヤは全裸で真っ赤な目をしてこちらを睨んでいた。
皮膚が所々黒ずんでいる。
昼間の時間、太陽に焼かれたと思われる。
銀を埋め込んだメイスを振りかぶり一閃。
レッサーヴァンパイヤは唸ると、片手で受け止め、メイスをへし折った。
ポチが足に噛みつこうとするが蹴りを入れられバラバラになる。
俺は急いで金属支配を使いメイスを繋げた。
綺麗に切れてないので上手く繋がらない。
剣が折れるのとは違うのだな。
感心している場合じゃない。
俺はアイテムボックスから新しいメイスを取り出した。
「援護するわ。属性魔導、刃よ回転して切り刻め」
ダイヤモンドカッターの刃が飛んで来る。
レッサーヴァンパイヤは素早くかわすとジェマに襲い掛かった。
くそう、早すぎる。
ジェマは首筋を噛まれている。
動きが止まっているので、全力でメイスを叩き込んだ。
だが、メイスは筋肉で受け止められた。
銀が当たった所から煙が出る。
血の臭いが立ち込めた。
おっ、効いているぞ。
だが、致命傷には程遠い。
「ならば。属性魔導、刃よ回転して切り刻め」
ダイヤモンドカッターの刃がレッサーヴァンパイヤに食い込む。
だが、血が流れないので、効いているようには思えない。
俺はニンニクドレッシングを掛けた。
ニンニクは効果無しか。
「ガオォン」
レッサーヴァンパイヤは叫ぶと逃げて行った。
完敗だ。
レッサーヴァンパイヤを舐めてた。
ジェマ、すぐにポーションを飲ませてやるぞ。
ポーションを飲ませたが、ジェマは眠ったままだ。
おかしい。
慌てて今度はエリクサーを飲ます。
だが、起きない。
エリクサーが効かないなんて、どんな毒なんだ。
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