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第5章 アンデッドでざまぁ
第206話 おっさん、休日をとる
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「ちょっと! 今日もダンジョンに行くつもり?」
『そのつもりだが』
「普通はね。休みを入れるものなのよ」
『悪い、俺が疲れないものだから、気がつかなかった』
「許すわ。この前、商材を作ったのよね」
『ああ、宝石もあるぞ』
「じゃ、それを売って、ショッピングしましょ」
『お詫びのつもりで付き合うよ』
女の身支度は長いと言うがその通りだ。
いつもは鎧をつけて終わりだが、今日は入念に化粧している。
そばかすを隠す為にパタパタと白粉を叩いていた。
化粧には詳しくないがファンデーションを後で買ってやろう。
この白粉は鉛入りじゃないな。
俺は金属支配を使い確かめた。
「何よ。じろじろ見て」
『白粉に毒が入っていないか確かめた』
「えっ、毒入りなんてのがあるの」
『鉛と水銀が入っているのが毒だ』
時代劇の受け売りの知識だがな。
「化粧品屋にも行ってもらうわよ。毒を見てもらわないと」
藪蛇だったかな。
ショッピングの軍資金を得るために宝石店にジルコニアを持ち込んだ。
金貨10枚ほどで売れた。
ジルコニアをこの店に売るのはこれっきりだと思う。
店主はダイヤだと思っているらしいのが分かったからだ。
売りに行かせたジェマにはどういう物か分からないと説明しろと言っておいた。
たぶん、ダイヤモンド魔導士に売りつけて泣きをみるだろう。
「ジルコニアっていうのをもっと出せない?」
『駄目だ。ダイヤモンドの模造品みたいな物だからな。詐欺師としてやっていくなら止めはしないが』
「上手い話ってないのね」
『そうだ。ない』
次は化粧品屋だ。
白粉、口紅、香水、化粧水などが並ぶ。
男には少し居心地が悪い。
下着売り場ほどではないが。
『あの辺の高いのは毒入りだ』
俺は指でそれらを差した。
やっぱりあったな金属入り。
「えー、あれを買うのが夢だったのに」
『俺がスキルでもっと良い物を出してやろう』
「絶対よ。約束だからね」
「お客さん、営業妨害は困ります。さっきから見ていれば毒がなんのと」
『水銀と鉛が入っている奴は毒だ。魔導士に聞いてみると良い。この二つの魔導士は短命で有名だ』
「そんな、それでは売り上げが落ちて、立ちゆきません」
『植物由来の材料で工夫するんだな。食品なら尚の事いい』
「このモンスターは博識ですな」
「そうなのよ。元が書記スケルトンなのよね」
ジェマは得意げだ。
店を後にして、武器屋に寄る。
剣を選ぶジェマの眼差しは真剣だ。
俺には剣の種類は分からん。
長いのやら短いのやら。
太いのやら細いのやら。
サイズの違いにしか見えん。
鍛造と鋳造ぐらいは分かるがな。
ちなみに壊れた剣は鋳造だ。
でなければ折れないだろう。
きっと気泡が入っていたんだな。
「これにする」
「金貨1枚と銀貨28枚になります」
高いよ。
なんでこんなに高いの。
金属支配で作る事ができればな。
魔導を使っても素人には難しいだろう。
固めれば良いって物でもないしな。
俺は金属鎧を見ていた。
高いな。
金貨数十枚の物もある。
なんでダンジョンは剥ぎ取りが出来ないんだろう。
剥ぎ取りが出来ればナイトスケルトンの鎧をはぎ取るのに。
そう言えばナイトスケルトンの能力ってなんだろう。
同族の支配はジェネラルスケルトンだし。
鎧の金属支配かな。
それだけだと弱いな。
そうだ、骨の馬はどうやって支配したんだろう。
馬スケルトンが単体で出て来ないということは作ったのかな。
おー、分身生成能力、良いんじゃないか。
『肉屋に寄りたい』
ホワイトボードを見たジェマは目を丸くした。
「まさか、肉が食べられるようになったの?」
『なんでやねん。骨を貰うだけだ』
肉屋で骨を貰う。
あばらと背骨と手足しかない。
まあ良いか
宿の裏庭で実験開始だ。
ところで分身の生成ってどうやるんだ。
ええと、俺の中のコアに分かれるよう働きかける。
うん、分かれた。
貰ってきた背骨に分かれたコアをくっつけて金属支配を念じる。
おー、上手くいった。
背骨とあばらと手足しかない骨のモンスターが出来上がった。
分身にも意識があるようだ。
言われなくても自立歩行している。
これは便利だ。
しかしね、身を削るのは制約があると思うのだよ。
分身を作るたびに本体が弱くなるんだろうな。
そんな気がする。
分身のコアを引きはがして本体に再び合流させる。
これで元通りだ。
ダンジョンの外にいるアンデッドのコアを強奪して、自分のコアにくっつけたら強くなれないかな。
やってみる価値はありそうだ。
それとステンレス板の厚さ1ミリを魔力通販で買い。
切って各所に貼り付けた。
防御力がアップしたと思いたい。
頭はフルフェイスのヘルメットを被る事にした。
魔力通販での値段は魔力1万。
魔力1万だと5人に依頼を出せば事足りる訳だ。
銀貨20枚でヘルメットの入手がなんとかなった。
『そのつもりだが』
「普通はね。休みを入れるものなのよ」
『悪い、俺が疲れないものだから、気がつかなかった』
「許すわ。この前、商材を作ったのよね」
『ああ、宝石もあるぞ』
「じゃ、それを売って、ショッピングしましょ」
『お詫びのつもりで付き合うよ』
女の身支度は長いと言うがその通りだ。
いつもは鎧をつけて終わりだが、今日は入念に化粧している。
そばかすを隠す為にパタパタと白粉を叩いていた。
化粧には詳しくないがファンデーションを後で買ってやろう。
この白粉は鉛入りじゃないな。
俺は金属支配を使い確かめた。
「何よ。じろじろ見て」
『白粉に毒が入っていないか確かめた』
「えっ、毒入りなんてのがあるの」
『鉛と水銀が入っているのが毒だ』
時代劇の受け売りの知識だがな。
「化粧品屋にも行ってもらうわよ。毒を見てもらわないと」
藪蛇だったかな。
ショッピングの軍資金を得るために宝石店にジルコニアを持ち込んだ。
金貨10枚ほどで売れた。
ジルコニアをこの店に売るのはこれっきりだと思う。
店主はダイヤだと思っているらしいのが分かったからだ。
売りに行かせたジェマにはどういう物か分からないと説明しろと言っておいた。
たぶん、ダイヤモンド魔導士に売りつけて泣きをみるだろう。
「ジルコニアっていうのをもっと出せない?」
『駄目だ。ダイヤモンドの模造品みたいな物だからな。詐欺師としてやっていくなら止めはしないが』
「上手い話ってないのね」
『そうだ。ない』
次は化粧品屋だ。
白粉、口紅、香水、化粧水などが並ぶ。
男には少し居心地が悪い。
下着売り場ほどではないが。
『あの辺の高いのは毒入りだ』
俺は指でそれらを差した。
やっぱりあったな金属入り。
「えー、あれを買うのが夢だったのに」
『俺がスキルでもっと良い物を出してやろう』
「絶対よ。約束だからね」
「お客さん、営業妨害は困ります。さっきから見ていれば毒がなんのと」
『水銀と鉛が入っている奴は毒だ。魔導士に聞いてみると良い。この二つの魔導士は短命で有名だ』
「そんな、それでは売り上げが落ちて、立ちゆきません」
『植物由来の材料で工夫するんだな。食品なら尚の事いい』
「このモンスターは博識ですな」
「そうなのよ。元が書記スケルトンなのよね」
ジェマは得意げだ。
店を後にして、武器屋に寄る。
剣を選ぶジェマの眼差しは真剣だ。
俺には剣の種類は分からん。
長いのやら短いのやら。
太いのやら細いのやら。
サイズの違いにしか見えん。
鍛造と鋳造ぐらいは分かるがな。
ちなみに壊れた剣は鋳造だ。
でなければ折れないだろう。
きっと気泡が入っていたんだな。
「これにする」
「金貨1枚と銀貨28枚になります」
高いよ。
なんでこんなに高いの。
金属支配で作る事ができればな。
魔導を使っても素人には難しいだろう。
固めれば良いって物でもないしな。
俺は金属鎧を見ていた。
高いな。
金貨数十枚の物もある。
なんでダンジョンは剥ぎ取りが出来ないんだろう。
剥ぎ取りが出来ればナイトスケルトンの鎧をはぎ取るのに。
そう言えばナイトスケルトンの能力ってなんだろう。
同族の支配はジェネラルスケルトンだし。
鎧の金属支配かな。
それだけだと弱いな。
そうだ、骨の馬はどうやって支配したんだろう。
馬スケルトンが単体で出て来ないということは作ったのかな。
おー、分身生成能力、良いんじゃないか。
『肉屋に寄りたい』
ホワイトボードを見たジェマは目を丸くした。
「まさか、肉が食べられるようになったの?」
『なんでやねん。骨を貰うだけだ』
肉屋で骨を貰う。
あばらと背骨と手足しかない。
まあ良いか
宿の裏庭で実験開始だ。
ところで分身の生成ってどうやるんだ。
ええと、俺の中のコアに分かれるよう働きかける。
うん、分かれた。
貰ってきた背骨に分かれたコアをくっつけて金属支配を念じる。
おー、上手くいった。
背骨とあばらと手足しかない骨のモンスターが出来上がった。
分身にも意識があるようだ。
言われなくても自立歩行している。
これは便利だ。
しかしね、身を削るのは制約があると思うのだよ。
分身を作るたびに本体が弱くなるんだろうな。
そんな気がする。
分身のコアを引きはがして本体に再び合流させる。
これで元通りだ。
ダンジョンの外にいるアンデッドのコアを強奪して、自分のコアにくっつけたら強くなれないかな。
やってみる価値はありそうだ。
それとステンレス板の厚さ1ミリを魔力通販で買い。
切って各所に貼り付けた。
防御力がアップしたと思いたい。
頭はフルフェイスのヘルメットを被る事にした。
魔力通販での値段は魔力1万。
魔力1万だと5人に依頼を出せば事足りる訳だ。
銀貨20枚でヘルメットの入手がなんとかなった。
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