184 / 248
第4章 チタン属性でざまぁ編
第184話 おっさん、暗殺者を撃退する
しおりを挟む
おー、来ましたな。暗殺者。
探知式照明を設置したので丸わかりだ。
探知式照明はチャイムと連動するようになっている。
それをスラムの住居に取り付けておいたのだ。
「アニータ、お客さんだ。起きろ」
隣のベッドで寝ているアニータを起こす。
「朝ごはん?」
「食えない客だ」
「なら寝るぅ」
仕方ない。
アニータは寝かせておこう。
チャイムが鳴ったので暗殺者も俺が気づいたのを知っているはずだ。
正面突破だな。
レベル強者の強みを活かしドアを蹴破る。
ドアの正面にいた暗殺者が巻き込まれてリタイヤした。
探知式照明に照らされた暗殺者達は黒ずくめで、本格的な輩に見える。
「お前らどこの手の者だ?」
その問いには答えずに探知式照明に水を掛けた。
こいつら馬鹿か。
LED照明が水で消える訳ないだろう。
異世界の品だから分からないのも無理はないが。
驚いている暗殺者の一人をメイスで始末した。
暗殺者が散開する。
そして、投げられた手裏剣みたいな物がLED照明に突き刺さる。
辺りは暗闇が支配した。
馬鹿は撤回。
なかなかやる。
暗視スコープを被る。
短剣で数人が腹を刺しに来た。
魔力壁で平気だが、うっとうしい。
メイスでまたひとりやっつけた。
こいつら一言も喋らない。
苦鳴や悲鳴はおろか断末魔すらない。
よく訓練されてやがる。
その時背後で気配がした。
振り返ると壁に穴を開けて侵入した暗殺者がアニータをさらって行くのが見えた。
「アニータぁ!!」
俺の叫びも虚しくアニータは遠ざかって行く。
隙だと思ったのか暗殺者が一斉に短剣を俺に突き立てる。
「邪魔だ」
俺はメイスで回転するように薙ぎ払い暗殺者達を転ばせた。
そしてメイスで止めを刺した。
ちくしょう手間取ってしまった。
さらわれたアニータを追いかける。
こんな時の為に電波発信機を仕掛けてある。
ペット用だから有効範囲は狭い。
だが、受信機は電波をしっかりと捉えていた。
追いかけながら考える。
アニータが狙いだった訳ではないよな。
たぶんアニータを人質に取って動くなとやるつもりだったんだろう。
さらったのは俺が強すぎるので脅しが効かないと思ったからか。
さらわれたアニータを担いだ暗殺者が見えてきた。
俺は100均の鉄アレイで作ったボーラを投げる。
ボーラは回転しながら飛び、暗殺者の足をからめとった。
「近づくな。近づけば娘の命はないぞ」
暗殺者が喋ったと思ったら第一声がこれか。
「拘束」
土魔法で暗殺者を身動きできなくする。
こういう輩は指示に従っても、俺と一緒にアニータも殺されて終わりだ。
俺はメイスで暗殺者の額を割った。
「アニータ、怖かっただろう。大丈夫か」
「うん、平気。助けてくれると分かっていたから」
暗殺者の懐を探る。
武器以外なにも持っていない。
まあそうだよな。
依頼書を持ってた魔導士が間抜けだっただけで、普通はこうだよな。
スラムの家に戻ると片付けた暗殺者の遺体がない。
手回しの良い奴らだ。
「寝る場所を変えるぞ。そうだな、テントはどうだ」
「うん、楽しそう」
寝る所はこれで良いとして、暗殺者はうっとうしい。
特にアニータを狙われると厄介だ。
翌朝、俺達は宝石魔導士会の本部に身を寄せた。
「迷惑を掛ける。レベッカは鉱山に行っているのか」
俺はジャスミンに話し掛けた。
「ええ、鉱山の方が落ち着くみたい」
「とにかく気をつけてくれ」
「本部にいれば、魔導士でない暗殺者なんて何ともないわよ」
「でも手練れな感じなんだよな」
「どんな奴らだったの」
「黒ずくめの奴らさ。悲鳴も漏らさない不気味な連中だったな」
「リウ暗殺団じゃないでしょうね」
「それはどんな奴らだ」
「証拠を一切、残さないらしいわよ」
「他にヒントは」
「噂では舌に入れ墨に似たトカゲの模様があるとか」
「おう、それは良い事を聞いた。収納箱」
「ちょっと、死体なんかいきなり出さないで」
「悪い悪い」
えっと舌だな。
死後硬直で堅くなった顎を無理やりこじ開け舌を確認する。
あった、トカゲのマークだ。
「どうやらリウ暗殺団で当たりのようだ」
「やつらしつこいわよ。依頼が解除されない限り目標を諦めないとも聞いたわ」
「じゃあ、奴らのアジトを探して、こっちから襲撃を掛けてやるよ。その前に宝石魔導士会の本部に、探知式照明とチャイムを付けてやろう」
「便利な道具なら大歓迎だわ」
これで奇襲はやりづらいだろう。
探知式照明を設置したので丸わかりだ。
探知式照明はチャイムと連動するようになっている。
それをスラムの住居に取り付けておいたのだ。
「アニータ、お客さんだ。起きろ」
隣のベッドで寝ているアニータを起こす。
「朝ごはん?」
「食えない客だ」
「なら寝るぅ」
仕方ない。
アニータは寝かせておこう。
チャイムが鳴ったので暗殺者も俺が気づいたのを知っているはずだ。
正面突破だな。
レベル強者の強みを活かしドアを蹴破る。
ドアの正面にいた暗殺者が巻き込まれてリタイヤした。
探知式照明に照らされた暗殺者達は黒ずくめで、本格的な輩に見える。
「お前らどこの手の者だ?」
その問いには答えずに探知式照明に水を掛けた。
こいつら馬鹿か。
LED照明が水で消える訳ないだろう。
異世界の品だから分からないのも無理はないが。
驚いている暗殺者の一人をメイスで始末した。
暗殺者が散開する。
そして、投げられた手裏剣みたいな物がLED照明に突き刺さる。
辺りは暗闇が支配した。
馬鹿は撤回。
なかなかやる。
暗視スコープを被る。
短剣で数人が腹を刺しに来た。
魔力壁で平気だが、うっとうしい。
メイスでまたひとりやっつけた。
こいつら一言も喋らない。
苦鳴や悲鳴はおろか断末魔すらない。
よく訓練されてやがる。
その時背後で気配がした。
振り返ると壁に穴を開けて侵入した暗殺者がアニータをさらって行くのが見えた。
「アニータぁ!!」
俺の叫びも虚しくアニータは遠ざかって行く。
隙だと思ったのか暗殺者が一斉に短剣を俺に突き立てる。
「邪魔だ」
俺はメイスで回転するように薙ぎ払い暗殺者達を転ばせた。
そしてメイスで止めを刺した。
ちくしょう手間取ってしまった。
さらわれたアニータを追いかける。
こんな時の為に電波発信機を仕掛けてある。
ペット用だから有効範囲は狭い。
だが、受信機は電波をしっかりと捉えていた。
追いかけながら考える。
アニータが狙いだった訳ではないよな。
たぶんアニータを人質に取って動くなとやるつもりだったんだろう。
さらったのは俺が強すぎるので脅しが効かないと思ったからか。
さらわれたアニータを担いだ暗殺者が見えてきた。
俺は100均の鉄アレイで作ったボーラを投げる。
ボーラは回転しながら飛び、暗殺者の足をからめとった。
「近づくな。近づけば娘の命はないぞ」
暗殺者が喋ったと思ったら第一声がこれか。
「拘束」
土魔法で暗殺者を身動きできなくする。
こういう輩は指示に従っても、俺と一緒にアニータも殺されて終わりだ。
俺はメイスで暗殺者の額を割った。
「アニータ、怖かっただろう。大丈夫か」
「うん、平気。助けてくれると分かっていたから」
暗殺者の懐を探る。
武器以外なにも持っていない。
まあそうだよな。
依頼書を持ってた魔導士が間抜けだっただけで、普通はこうだよな。
スラムの家に戻ると片付けた暗殺者の遺体がない。
手回しの良い奴らだ。
「寝る場所を変えるぞ。そうだな、テントはどうだ」
「うん、楽しそう」
寝る所はこれで良いとして、暗殺者はうっとうしい。
特にアニータを狙われると厄介だ。
翌朝、俺達は宝石魔導士会の本部に身を寄せた。
「迷惑を掛ける。レベッカは鉱山に行っているのか」
俺はジャスミンに話し掛けた。
「ええ、鉱山の方が落ち着くみたい」
「とにかく気をつけてくれ」
「本部にいれば、魔導士でない暗殺者なんて何ともないわよ」
「でも手練れな感じなんだよな」
「どんな奴らだったの」
「黒ずくめの奴らさ。悲鳴も漏らさない不気味な連中だったな」
「リウ暗殺団じゃないでしょうね」
「それはどんな奴らだ」
「証拠を一切、残さないらしいわよ」
「他にヒントは」
「噂では舌に入れ墨に似たトカゲの模様があるとか」
「おう、それは良い事を聞いた。収納箱」
「ちょっと、死体なんかいきなり出さないで」
「悪い悪い」
えっと舌だな。
死後硬直で堅くなった顎を無理やりこじ開け舌を確認する。
あった、トカゲのマークだ。
「どうやらリウ暗殺団で当たりのようだ」
「やつらしつこいわよ。依頼が解除されない限り目標を諦めないとも聞いたわ」
「じゃあ、奴らのアジトを探して、こっちから襲撃を掛けてやるよ。その前に宝石魔導士会の本部に、探知式照明とチャイムを付けてやろう」
「便利な道具なら大歓迎だわ」
これで奇襲はやりづらいだろう。
11
お気に入りに追加
1,133
あなたにおすすめの小説
異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~
夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。
が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。
それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。
漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。
生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。
タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。
*カクヨム先行公開
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
俺のスキルが無だった件
しょうわな人
ファンタジー
会社から帰宅中に若者に親父狩りされていた俺、神城闘史(かみしろとうじ)。
攻撃してきたのを捌いて、逃れようとしていた時に眩しい光に包まれた。
気がつけば、見知らぬ部屋にいた俺と俺を狩ろうとしていた若者五人。
偉そうな爺さんにステータスオープンと言えと言われて素直に従った。
若者五人はどうやら爺さんを満足させたらしい。が、俺のステータスは爺さんからすればゴミカスと同じだったようだ。
いきなり金貨二枚を持たされて放り出された俺。しかし、スキルの真価を知り人助け(何でも屋)をしながら異世界で生活する事になった。
【お知らせ】
カクヨムで掲載、完結済の当作品を、微修正してこちらで再掲載させて貰います。よろしくお願いします。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる