181 / 248
第4章 チタン属性でざまぁ編
第181話 おっさん、暗闇で戦闘する
しおりを挟む
スキル原理主義の使いが帰ってから物音で目が覚めた。
今夜は千客万来だな。
突然、扉が開いて燭台の炎が吹き消された。
突然、暗くなったので目が慣れておらず真っ暗闇だ。
慌てずに暗視スコープをかぶる。
ふむ、殺し屋という訳か。
マグネシウムの粉を取り出し目をつぶって火を点ける。
ボンという音がして瞼ごしに光が差す。
うぎゃあという悲鳴が聞こえた。
マグネシウムの爆発を直視してしまったらしい。
夜目が利くのも考え物だな。
俺は棒立ちになっていた殺し屋の額をメイスでかち割った。
廊下にも殺し屋がいるようだ。
覗くとボウガンの矢が飛んできて魔力壁に当たって落ちる。
「睡眠中はお静かに」
そうは言っても引き上げてくれそうにない。
マグネシウムの粉に火を点ける。
今度は殺し屋は目をつぶっていたようだ。
悲鳴も聞こえないし動揺した気配もない。
ボウガンの矢が効かないので短剣を抜いて斬りかかってきた。
メイスで応戦するが当たらない。
中々の手練れのようだ。
着ている服が斬撃によってほつれる。
「属性魔導、電撃をまとえ」
相手は俺に斬りかかってこなくなった。
感電を恐れているらしい。
こちらの攻撃が当たらないのは相変わらずだ。
「属性魔導、空気タンクを作れ」
あらかじめ作っておいたクロロホルムを気化させる。
程なくして殺し屋は倒れた。
メイスで殴って止めを刺した。
クロロホルムの匂いを嗅いで宿の客が騒ぎ始める。
参ったな。
死体どうしよう。
とりあえずアイテムボックスに入れておこう。
宿に泊まっていた客が出て来た。
「この臭いは何」
「あー、虫が湧いたもので殺虫剤を掛けたんだよ。そしたらもう一匹、廊下にも居たという訳だ」
「そうね、その気持ちは分かるわ。真夜中に虫が顔を這っていたらなんて考えたら、鳥肌ものよ」
「悪かったな。今、空気を入れ替える。属性魔導、清浄な空気を運べ。みんな悪かった」
ドアを少し開けて様子を見ていた客も引っ込んだ。
ふう、なんとかなった。
俺は部屋に帰ると、地球に帰還した。
宿で寝る気が起きなかったからだ。
地球の家で眠りをとって兄貴が居る場所を訪ねる事にした。
調べた所、拘置所に入っているらしい。
裁判が終わらないと刑務所には行かないとの事。
特別に面会を許可してもらった。
「兄貴、聞きたい事がある。スキルはどうやって覚えた」
「ふん、教えると思ったのか」
「教えなくても家探しすれば何かしら見つかるだろう。遅いか早いかだ」
「そうだな。悪あがきは恰好良くないな。スキルはな。作り出した」
「どうやってだ」
「この世界には昔、異なる文明の知識を持った人間がいたらしい。その人間が魔力回路を一つ残した。それにダンジョンコアを奉げるとスキルオーブが得られる」
なるほど異世界から転移してきた人間がいたのか。
「分かったよ」
「てっきりお前の方が詳しいと思ってた。お前が発明した事になっている魔力回路の数々は、異なる文明の物だろう」
「そうだな。その通りだ」
兄貴に教えられた机の引き出しの隙間から貸金庫の鍵を取り出した。
それを持って銀行に行き魔力回路を一つ得た。
異世界ガンティスに帰った俺はスキルを得るべく動き出す事にした。
宿の食堂にレベッカとアニータは朝食を食べに現れた。
アニータは目をこすって若干眠りが足らなそうだ。
「レベッカ、おはよう。アニータもおはよう」
「おはよう」
「おはよう」
「ところで相談があるんだが、実験に使うダンジョンコアが要る。ダンジョン攻略をしたい」
「それって狙われる危険が増すと思うのだが」
「知ってるか。昨晩も殺し屋が宿に来たぞ」
「どこにも安全な場所がないのは理解した」
「わざと隙を見せるのも手だろ。相手の手駒を減らせる。特にダイヤモンド魔導士の数は少ないから、殺せば殺すほど有利になる」
「承知したよ」
さて、罠を張るのとダンジョンコアを獲得するの一石二鳥は上手くいくかな。
俺が強くなるのも入れれば一石三鳥だろう。
いやスキル原理主義の人間が強くなって、一石四鳥かな。
今夜は千客万来だな。
突然、扉が開いて燭台の炎が吹き消された。
突然、暗くなったので目が慣れておらず真っ暗闇だ。
慌てずに暗視スコープをかぶる。
ふむ、殺し屋という訳か。
マグネシウムの粉を取り出し目をつぶって火を点ける。
ボンという音がして瞼ごしに光が差す。
うぎゃあという悲鳴が聞こえた。
マグネシウムの爆発を直視してしまったらしい。
夜目が利くのも考え物だな。
俺は棒立ちになっていた殺し屋の額をメイスでかち割った。
廊下にも殺し屋がいるようだ。
覗くとボウガンの矢が飛んできて魔力壁に当たって落ちる。
「睡眠中はお静かに」
そうは言っても引き上げてくれそうにない。
マグネシウムの粉に火を点ける。
今度は殺し屋は目をつぶっていたようだ。
悲鳴も聞こえないし動揺した気配もない。
ボウガンの矢が効かないので短剣を抜いて斬りかかってきた。
メイスで応戦するが当たらない。
中々の手練れのようだ。
着ている服が斬撃によってほつれる。
「属性魔導、電撃をまとえ」
相手は俺に斬りかかってこなくなった。
感電を恐れているらしい。
こちらの攻撃が当たらないのは相変わらずだ。
「属性魔導、空気タンクを作れ」
あらかじめ作っておいたクロロホルムを気化させる。
程なくして殺し屋は倒れた。
メイスで殴って止めを刺した。
クロロホルムの匂いを嗅いで宿の客が騒ぎ始める。
参ったな。
死体どうしよう。
とりあえずアイテムボックスに入れておこう。
宿に泊まっていた客が出て来た。
「この臭いは何」
「あー、虫が湧いたもので殺虫剤を掛けたんだよ。そしたらもう一匹、廊下にも居たという訳だ」
「そうね、その気持ちは分かるわ。真夜中に虫が顔を這っていたらなんて考えたら、鳥肌ものよ」
「悪かったな。今、空気を入れ替える。属性魔導、清浄な空気を運べ。みんな悪かった」
ドアを少し開けて様子を見ていた客も引っ込んだ。
ふう、なんとかなった。
俺は部屋に帰ると、地球に帰還した。
宿で寝る気が起きなかったからだ。
地球の家で眠りをとって兄貴が居る場所を訪ねる事にした。
調べた所、拘置所に入っているらしい。
裁判が終わらないと刑務所には行かないとの事。
特別に面会を許可してもらった。
「兄貴、聞きたい事がある。スキルはどうやって覚えた」
「ふん、教えると思ったのか」
「教えなくても家探しすれば何かしら見つかるだろう。遅いか早いかだ」
「そうだな。悪あがきは恰好良くないな。スキルはな。作り出した」
「どうやってだ」
「この世界には昔、異なる文明の知識を持った人間がいたらしい。その人間が魔力回路を一つ残した。それにダンジョンコアを奉げるとスキルオーブが得られる」
なるほど異世界から転移してきた人間がいたのか。
「分かったよ」
「てっきりお前の方が詳しいと思ってた。お前が発明した事になっている魔力回路の数々は、異なる文明の物だろう」
「そうだな。その通りだ」
兄貴に教えられた机の引き出しの隙間から貸金庫の鍵を取り出した。
それを持って銀行に行き魔力回路を一つ得た。
異世界ガンティスに帰った俺はスキルを得るべく動き出す事にした。
宿の食堂にレベッカとアニータは朝食を食べに現れた。
アニータは目をこすって若干眠りが足らなそうだ。
「レベッカ、おはよう。アニータもおはよう」
「おはよう」
「おはよう」
「ところで相談があるんだが、実験に使うダンジョンコアが要る。ダンジョン攻略をしたい」
「それって狙われる危険が増すと思うのだが」
「知ってるか。昨晩も殺し屋が宿に来たぞ」
「どこにも安全な場所がないのは理解した」
「わざと隙を見せるのも手だろ。相手の手駒を減らせる。特にダイヤモンド魔導士の数は少ないから、殺せば殺すほど有利になる」
「承知したよ」
さて、罠を張るのとダンジョンコアを獲得するの一石二鳥は上手くいくかな。
俺が強くなるのも入れれば一石三鳥だろう。
いやスキル原理主義の人間が強くなって、一石四鳥かな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,068
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる