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第4章 チタン属性でざまぁ編
第177話 おっさん、発電所のけりをつける
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「次元移動」
爆発の小休止のタイミングで放り出された。
「時間を少し進めておいたわ」
管理者の声。
ありがたい。
「魔力通販」
属性魔導のスキルオーブとチタンを買う。
「属性魔導、魔力を吸い取れ」
物凄い魔力が体に入った感覚がある。
後は時空の裂け目を閉じるだけだ。
これは兄貴の技を封じたあの手でいこう。
「分解」
時空の裂け目を分解してやった。
「ナイスフォローよ。時空の裂け目が広がっていたら、手に負えなかったかも知れない。褒美をあげたい所だわ」
「時間を進めてもらって助かったよ。それだけで十分だ。また時空の裂け目に吸い込まれたら、きっと地球を見捨てたな」
「褒美は何か考えておくわ。じゃあね」
破壊されきった魔力発電所をがれきをかき分け歩く。
兄貴が通路に倒れていて、その周りにがれきはない。
悪運の強い奴だな。
兄貴を担いで発電所を後にする。
パトカー、消防車、救急車が到着する。
仕事用の魔力スマホを出して電話を掛ける。
「もしもし、哲候さんですか。こちらは決着がつきました。魔力発電所が吹き飛ぶし、大惨事ですよ。八咫老人に与してた警官とか一斉検挙出来ないですかね」
「手立てがあれば」
「自白ポーションというのがあるんだが」
「副作用はないのですよね」
「そこは保証する」
「では飲んでもらいましょう」
俺は自白ポーションを会社の工場で調合し始めた。
数日で全ての警官分の自白ポーションを用意した。
何日か後に首魁と思われる警視正の尋問に立ち会う事になった。
「あなたの部下は全て話しましたよ。飲んでもらいますよ」
「何だこれは」
「表向きは健康飲料です。裏の理由はある汚染を洗い流してくれるらしい」
「くだらん。飲まんぞ」
「飲まなければ部下の証言を証拠として懲戒免職ですな」
「くそう、飲めばいいんだろう」
警視正は自白ポーションを飲んだ。
「単刀直入に聞きます。あなたは八咫老人の手先として悪事を働きましたか」
「はい」
「なんでまた」
「最初はただの接待だった。それがハニートラップになり、贅沢に溺れ」
「もう結構です」
悪徳警官がほとんどいなくなった。
八咫老人の手先でない別件の悪事も多数報告されたようだが、密かに処分され闇に葬ったようだ。
悪事も殺人や暴行に関わるような物以外は見逃されたらしい。
きっと処分される数が多すぎたんだろうな。
だが、秘密の部署のファイルには自白の詳細が記録されているとの事。
些細な違反でもしでかした時にはその件を上乗せして処分すると哲候さんは言っていた。
さあ、家に帰ろう。
「ただいま」
「おかえり」
「おかえり」
「帰還歓迎」
「叔父さん、おかえりなさい」
嫁3人と秋穂が迎えてくれた。
「その兄貴の事なんだが、なんと言ったらいいか」
「いいのよ。罪は償えば。やった事の責任はとらないと」
「そうだな」
「でも生きててくれて嬉しいのよ」
「死んだらなんにもなんないからな」
甥が逮捕され、親父も逮捕され、兄貴も逮捕されたか。
とんだ犯罪者一族だな。
今日は酒を飲んで忘れよう。
「うちも飲む。ついでくれん」
「私も」
「ご相伴」
「そうだな家族水入らずで飲もう」
「前々から思うとったけど、旦那はんはため込み過ぎやわ」
「そうかな。くよくよはしてないと思ってたけど」
「発電所でもなんかあったやろ」
「ああ、ある女の子の仇がまだ討てない」
「危ない事はしてほくないけど、見て見ーへんふりをするのよりましやわ」
「慎重に事に当たる。約束する」
「破ったらお仕置きやで」
「私は離婚よ」
「不履行、賠償」
「離婚や賠償なんてどこで覚えたんだか」
「テレビよ。悪い」
「いや良いんだが。その時には話し合いを要求するー」
和やかに家族の夜は更けていく。
一瞬、異世界ガンティスの事を忘れる事ができた。
そして、次の日。
絶対にあの少女の仇を討ってやる。
誓いを新たに異世界ガンティスに旅立った。
爆発の小休止のタイミングで放り出された。
「時間を少し進めておいたわ」
管理者の声。
ありがたい。
「魔力通販」
属性魔導のスキルオーブとチタンを買う。
「属性魔導、魔力を吸い取れ」
物凄い魔力が体に入った感覚がある。
後は時空の裂け目を閉じるだけだ。
これは兄貴の技を封じたあの手でいこう。
「分解」
時空の裂け目を分解してやった。
「ナイスフォローよ。時空の裂け目が広がっていたら、手に負えなかったかも知れない。褒美をあげたい所だわ」
「時間を進めてもらって助かったよ。それだけで十分だ。また時空の裂け目に吸い込まれたら、きっと地球を見捨てたな」
「褒美は何か考えておくわ。じゃあね」
破壊されきった魔力発電所をがれきをかき分け歩く。
兄貴が通路に倒れていて、その周りにがれきはない。
悪運の強い奴だな。
兄貴を担いで発電所を後にする。
パトカー、消防車、救急車が到着する。
仕事用の魔力スマホを出して電話を掛ける。
「もしもし、哲候さんですか。こちらは決着がつきました。魔力発電所が吹き飛ぶし、大惨事ですよ。八咫老人に与してた警官とか一斉検挙出来ないですかね」
「手立てがあれば」
「自白ポーションというのがあるんだが」
「副作用はないのですよね」
「そこは保証する」
「では飲んでもらいましょう」
俺は自白ポーションを会社の工場で調合し始めた。
数日で全ての警官分の自白ポーションを用意した。
何日か後に首魁と思われる警視正の尋問に立ち会う事になった。
「あなたの部下は全て話しましたよ。飲んでもらいますよ」
「何だこれは」
「表向きは健康飲料です。裏の理由はある汚染を洗い流してくれるらしい」
「くだらん。飲まんぞ」
「飲まなければ部下の証言を証拠として懲戒免職ですな」
「くそう、飲めばいいんだろう」
警視正は自白ポーションを飲んだ。
「単刀直入に聞きます。あなたは八咫老人の手先として悪事を働きましたか」
「はい」
「なんでまた」
「最初はただの接待だった。それがハニートラップになり、贅沢に溺れ」
「もう結構です」
悪徳警官がほとんどいなくなった。
八咫老人の手先でない別件の悪事も多数報告されたようだが、密かに処分され闇に葬ったようだ。
悪事も殺人や暴行に関わるような物以外は見逃されたらしい。
きっと処分される数が多すぎたんだろうな。
だが、秘密の部署のファイルには自白の詳細が記録されているとの事。
些細な違反でもしでかした時にはその件を上乗せして処分すると哲候さんは言っていた。
さあ、家に帰ろう。
「ただいま」
「おかえり」
「おかえり」
「帰還歓迎」
「叔父さん、おかえりなさい」
嫁3人と秋穂が迎えてくれた。
「その兄貴の事なんだが、なんと言ったらいいか」
「いいのよ。罪は償えば。やった事の責任はとらないと」
「そうだな」
「でも生きててくれて嬉しいのよ」
「死んだらなんにもなんないからな」
甥が逮捕され、親父も逮捕され、兄貴も逮捕されたか。
とんだ犯罪者一族だな。
今日は酒を飲んで忘れよう。
「うちも飲む。ついでくれん」
「私も」
「ご相伴」
「そうだな家族水入らずで飲もう」
「前々から思うとったけど、旦那はんはため込み過ぎやわ」
「そうかな。くよくよはしてないと思ってたけど」
「発電所でもなんかあったやろ」
「ああ、ある女の子の仇がまだ討てない」
「危ない事はしてほくないけど、見て見ーへんふりをするのよりましやわ」
「慎重に事に当たる。約束する」
「破ったらお仕置きやで」
「私は離婚よ」
「不履行、賠償」
「離婚や賠償なんてどこで覚えたんだか」
「テレビよ。悪い」
「いや良いんだが。その時には話し合いを要求するー」
和やかに家族の夜は更けていく。
一瞬、異世界ガンティスの事を忘れる事ができた。
そして、次の日。
絶対にあの少女の仇を討ってやる。
誓いを新たに異世界ガンティスに旅立った。
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