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第4章 チタン属性でざまぁ編
第151話 おっさん、生贄にされかかる
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見るからに堅気ではない人達がスラムの人間を強引に集める。
ほとんど人さらいだ。
俺も捕まった。
「フレッド、トチモチチカナモチスニモチトニカチ」
男達のリーダーが豪華な刺繍がされている服を着た男に話し掛けた。
「ンラトニカナスイカイノイ」
豪華な男が偉そうに命令する。
フレッドと言っていたな。
その名前、覚えたぞ。
手枷をつけられて連れて行かれたのは研究所みたいな所だ。
「ラモチイノラニ」
「分かんないよ。この世界の言葉は」
「属性魔導、翻訳。これで分かるか」
「ああ、分かる。属性魔導ってのは何だ」
「万能の力だ。ところでお前はどこの国の者だ」
「ニホンだよ。島国だ」
「そうか遠くから来たのだな。名前は?」
「ムニ」
「よし、ついて来い」
連れて行かれたのは牢屋だった。
「ここに入れ」
「嫌だ」
「属性魔導、念動」
見えない力で屈服させられた。
牢屋には10人程の人間が集められている。
俺は力が入らなくなっているのに気づいた。
ああ、水も食い物も食べないで、二日も動けばこうなるか。
腹の虫が鳴る。
「これ食べて」
女の子が堅いパンみたいな物と水を恵んでくれた。
ありがたい。
ものすごく美味しく感じた。
皆をこの場所から連れ出す。
俺はそう決めた。
「属性魔導ってのはなんだ」
「悪魔の力よ。私達にとってはね。あれを使えるのは1級市民。その子供や縁者は2級市民。私達は3級市民よ」
親切な女の人が教えてくれた。
「あれで差別しているって言うのか」
「ええ」
「どんな力なんだ」
「触媒を用意すれば、ほとんどの事は可能よ」
「触媒は炭とか金属とか色々だな」
「ええ、個性があって一人につき一種類。一番、有名なのはダイヤモンド魔導士」
ダイヤモンドを触媒に使うのだな。
「それって高いだろう」
「だから普段は炭を使っているわ」
えっ、という事はダイヤモンド魔導士は炭素を触媒に使うのか。
「もしかして、色んな触媒に反応する魔導士がいるんじゃないか」
「ええ、万物魔導士ね。水でも、空気でも、土でも、骨でもいけるわ」
おー、万物魔導士は酸素だな。
この世界の文明度なら発見されてない物質は多そうだ。
俺の触媒は発見されてない物質という事はないだろうか。
「もっと詳しく教えてくれ」
「イイニニテチ」
言葉が分からなくなった。
翻訳の魔導が切れたんだな。
万事休すか。
俺の触媒がプルトニウムだったら、絶望的だな。
触媒を突き止めるのは片っ端から試すしかないのか。
「シイスラ」
男が来てそう言った。
俺達は牢を出されてある魔力回路の前に連れてこられた。
あれは俺が使った物と似ている。
生贄の魔力回路だ。
まさかな。
生贄にするのか。
一人ずつ魔力回路の上に連れられて塵になっていく。
悲鳴がたまらない。
あの俺にパンと水をくれた女の子が魔力回路の上に。
「辞めろ!! 辞めてくれ!!」
「属性魔導。シチモチスイ」
俺は喋れなくなり、動けなくなった。
ただ、生贄の儀式をみるしかない。
涙を流し枯れ果て、俺の番になる時には魔導は切れていた。
俺の番は最後のようだ。
抗ってやるよ。
持ってけ俺の全財産。
アルマに買ってもらった思い出の品よ、俺に力を。
「属性魔導、生贄から奪い取った魔力を吸い取れ」
俺の最後の賭けはチタンのブレスレットだった。
というかそれしか思いつかなかった。
チタンブレスレットが消えて、魔導が発動。
生贄によって蓄えられた魔力が全て俺の物になった。
俺の属性はチタンだったらしい。
「魔力通販、来いチタン板」
よし来たな。
「属性魔導、破壊よ吹き荒れろ」
それからは破壊の嵐だった。
「ステータス」
――――――――――――――
名前:山田 無二 LV1
魔力:858941/100
スキル:
収納箱
魔力通販
次元移動
属性魔導
――――――――――――――
魔力はまだあるが、使い切ったら無力だ。
とてもこの腐った国を打倒するのには足りない。
よし、まずは百科事典を買おう。
ええとチタン鉱石は砂浜の砂粒に含まれると。
海を目指すのが良いのか。
とりあえず、言葉を覚える事に全力を傾けよう。
地球に帰るのもなしだ。
たぶん地球に帰ると爆発の中で、また飛ばされる可能性がある。
惑星上に飛ばされれば良いが宇宙空間なんかに飛ばされたら死ねる。
解決策が見つかるまで地球はお預けだ。
ほとんど人さらいだ。
俺も捕まった。
「フレッド、トチモチチカナモチスニモチトニカチ」
男達のリーダーが豪華な刺繍がされている服を着た男に話し掛けた。
「ンラトニカナスイカイノイ」
豪華な男が偉そうに命令する。
フレッドと言っていたな。
その名前、覚えたぞ。
手枷をつけられて連れて行かれたのは研究所みたいな所だ。
「ラモチイノラニ」
「分かんないよ。この世界の言葉は」
「属性魔導、翻訳。これで分かるか」
「ああ、分かる。属性魔導ってのは何だ」
「万能の力だ。ところでお前はどこの国の者だ」
「ニホンだよ。島国だ」
「そうか遠くから来たのだな。名前は?」
「ムニ」
「よし、ついて来い」
連れて行かれたのは牢屋だった。
「ここに入れ」
「嫌だ」
「属性魔導、念動」
見えない力で屈服させられた。
牢屋には10人程の人間が集められている。
俺は力が入らなくなっているのに気づいた。
ああ、水も食い物も食べないで、二日も動けばこうなるか。
腹の虫が鳴る。
「これ食べて」
女の子が堅いパンみたいな物と水を恵んでくれた。
ありがたい。
ものすごく美味しく感じた。
皆をこの場所から連れ出す。
俺はそう決めた。
「属性魔導ってのはなんだ」
「悪魔の力よ。私達にとってはね。あれを使えるのは1級市民。その子供や縁者は2級市民。私達は3級市民よ」
親切な女の人が教えてくれた。
「あれで差別しているって言うのか」
「ええ」
「どんな力なんだ」
「触媒を用意すれば、ほとんどの事は可能よ」
「触媒は炭とか金属とか色々だな」
「ええ、個性があって一人につき一種類。一番、有名なのはダイヤモンド魔導士」
ダイヤモンドを触媒に使うのだな。
「それって高いだろう」
「だから普段は炭を使っているわ」
えっ、という事はダイヤモンド魔導士は炭素を触媒に使うのか。
「もしかして、色んな触媒に反応する魔導士がいるんじゃないか」
「ええ、万物魔導士ね。水でも、空気でも、土でも、骨でもいけるわ」
おー、万物魔導士は酸素だな。
この世界の文明度なら発見されてない物質は多そうだ。
俺の触媒は発見されてない物質という事はないだろうか。
「もっと詳しく教えてくれ」
「イイニニテチ」
言葉が分からなくなった。
翻訳の魔導が切れたんだな。
万事休すか。
俺の触媒がプルトニウムだったら、絶望的だな。
触媒を突き止めるのは片っ端から試すしかないのか。
「シイスラ」
男が来てそう言った。
俺達は牢を出されてある魔力回路の前に連れてこられた。
あれは俺が使った物と似ている。
生贄の魔力回路だ。
まさかな。
生贄にするのか。
一人ずつ魔力回路の上に連れられて塵になっていく。
悲鳴がたまらない。
あの俺にパンと水をくれた女の子が魔力回路の上に。
「辞めろ!! 辞めてくれ!!」
「属性魔導。シチモチスイ」
俺は喋れなくなり、動けなくなった。
ただ、生贄の儀式をみるしかない。
涙を流し枯れ果て、俺の番になる時には魔導は切れていた。
俺の番は最後のようだ。
抗ってやるよ。
持ってけ俺の全財産。
アルマに買ってもらった思い出の品よ、俺に力を。
「属性魔導、生贄から奪い取った魔力を吸い取れ」
俺の最後の賭けはチタンのブレスレットだった。
というかそれしか思いつかなかった。
チタンブレスレットが消えて、魔導が発動。
生贄によって蓄えられた魔力が全て俺の物になった。
俺の属性はチタンだったらしい。
「魔力通販、来いチタン板」
よし来たな。
「属性魔導、破壊よ吹き荒れろ」
それからは破壊の嵐だった。
「ステータス」
――――――――――――――
名前:山田 無二 LV1
魔力:858941/100
スキル:
収納箱
魔力通販
次元移動
属性魔導
――――――――――――――
魔力はまだあるが、使い切ったら無力だ。
とてもこの腐った国を打倒するのには足りない。
よし、まずは百科事典を買おう。
ええとチタン鉱石は砂浜の砂粒に含まれると。
海を目指すのが良いのか。
とりあえず、言葉を覚える事に全力を傾けよう。
地球に帰るのもなしだ。
たぶん地球に帰ると爆発の中で、また飛ばされる可能性がある。
惑星上に飛ばされれば良いが宇宙空間なんかに飛ばされたら死ねる。
解決策が見つかるまで地球はお預けだ。
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