141 / 248
第3章 分解スキルでざまぁ編
第141話 おっさん、さらに強くなる
しおりを挟む
「依頼が来ましたよ」
古代文字科の研究員がそう言って来た。
「遂にダカードの尻尾を掴んだのね。これで実家に迷惑を掛けずに済むわ」
「パティ、慌てるな。誰の依頼か聞いてからだ。それで誰からの依頼だ」
「フェビル子爵家からです」
「そうかありがとう。世話になったこれで一杯飲んでくれ」
そう言って銀貨を押し付け研究員を帰した。
「最悪ね」
「どういう事だ」
「フェビル子爵家ってのはダカードの実家よ。殺された子息の話では勘当されているはず。戻ったのね。許されたとすれば手出しできないわ」
「ふん、構うものか。俺はやるぞ」
「どうやって」
「おびき出せばいいだろう」
「上手くいくかしら」
「やってみるまでだ」
さて、どうする。
古代文字の研究家が依頼に応じれば、フェビル子爵家に呼ばれるはずだ。
金属板は今もダカードの手の内だろう。
俺は一計を案じる為に古代文字科を訪ねた。
「悪い事は言わない。フェビル子爵家の依頼に応じてのこのこと行ったりすると解読した瞬間にばっさりだ」
「えっ、そんな。どうしたら」
「古代文字の写しを送れと言うんだ。学園を離れる事はできないとな」
「そうですね。それなら、失礼にもならないかと」
「時間稼ぎしている間に俺が決着をつけてやる」
そう言って俺は古代文字科を後にした。
そして、迎えの馬車が来ている所に行った。
この馬車は俺達が使っていた奴だ。
ええと、車輪の跡を取った透明なテープがあったはずだ。
照合すると新しい傷は増えてはいるが、確かにこの馬車だ。
やっぱりダカードは実家に帰ったのだな。
これで確信が持てた。
作戦を立てる必要があるな。
「パティ、古代文字の研究家として乗り込んでみたらどうか」
「駄目よ。私はダガードと面識があるから、会った途端にばれるわね」
「うーん、それはあてが外れたな」
さて、どうしようか。
研究家を名乗れないとすると、別の手が必要だ。
それは後で考えるとして、向こうにとりあえず行くとするか。
案外ダガードは護衛もつけずに遊び歩いているかも知れないし。
研究員は依頼に応じないだろうから、時間は稼げた。
急いで行く必要もないな。
よし、ダンジョンを攻略しよう。
きっと切った張ったの展開になるはずだから、レベルは高い方が良い。
近場で良いダンジョンは蟻の巣ダンジョンだな。
「よし、蟻の巣ダンジョンに行くぞ」
「分かったわ、戦力増強ね」
ビッグスクーターを走らせるとダンジョンまではあっという間だった。
さてと、まずは中に入って。
出て来た蟻のモンスターの足を折って動けなくして生贄の魔力回路の上に置いた。
その魔力でホウ酸と砂糖と小麦粉と水を買うのだ。
一時間ほどで攻略に必要な材料は揃った。
「まさかダンジョンで団子作りをするはめになるとはね」
「これを撒けば蟻なんてイチコロさ」
通路にホウ酸団子を撒くと蟻のモンスターが群がって食べた。
毒に弱った所を生贄にして魔力を吸い取る。
ホウ酸団子を作るの無限ループだ。
ボスは流石にホウ酸団子に見向きもしなかったが、100レベルを超えた俺の敵じゃなかった。
通路のモンスターはホウ酸団子で一掃。
ボスはレベルに任せたごり押しの攻略。
簡単だった。
まあ、こんな攻略を金を払ってやれば破産すること間違いなしだ。
「この豪華な扉を見るに、ここがラスボスだな」
「団子を見るのはもう嫌よ」
「よし、入ろう」
ダンジョンのラスボスは女王蟻だった。
次々に産み出される兵隊蟻。
「ホウ酸団子が効くかな」
「えー、こねるのはもう嫌よ。腕がパンパン」
「仕方ない。まずは今まで作ったホウ酸団子を全てばら撒いて」
よしよし、食ってる食ってる。
「パティは弱った兵隊蟻を生贄にしてくれ」
「任せて」
生贄により魔石に魔力が十分に溜まった。
「魔力通販。発電機に電動かくはん機、カモン」
本来ならセメントをこねる奴だがいいだろう。
よし、こねるのが追いつかなくなるか勝負だ。
「バリバリ、ホウ酸団子作るぞ」
「こういうのがあるなら早く出しなさいよ」
「まあ事情があるんだよ」
兵隊蟻にホウ酸団子を食わせる闘いが始まった。
そんな攻防を二時間ほど続け。
遂に女王蟻は兵隊蟻を産み出さなくなった。
メイスで女王蟻の頭をかち割り、ダンジョン攻略完了。
「ステータス」
――――――――――――――
名前:山田 無二 LV271
魔力:18158/27100
スキル:
収納箱
魔力通販
次元移動
分解
想像強化
――――――――――――――
よし、レベル300近くなった。
「パティもレベルが上がったか」
「ええ、5上がったわ」
「よし、フェビル子爵領に乗り込もう」
古代文字科の研究員がそう言って来た。
「遂にダカードの尻尾を掴んだのね。これで実家に迷惑を掛けずに済むわ」
「パティ、慌てるな。誰の依頼か聞いてからだ。それで誰からの依頼だ」
「フェビル子爵家からです」
「そうかありがとう。世話になったこれで一杯飲んでくれ」
そう言って銀貨を押し付け研究員を帰した。
「最悪ね」
「どういう事だ」
「フェビル子爵家ってのはダカードの実家よ。殺された子息の話では勘当されているはず。戻ったのね。許されたとすれば手出しできないわ」
「ふん、構うものか。俺はやるぞ」
「どうやって」
「おびき出せばいいだろう」
「上手くいくかしら」
「やってみるまでだ」
さて、どうする。
古代文字の研究家が依頼に応じれば、フェビル子爵家に呼ばれるはずだ。
金属板は今もダカードの手の内だろう。
俺は一計を案じる為に古代文字科を訪ねた。
「悪い事は言わない。フェビル子爵家の依頼に応じてのこのこと行ったりすると解読した瞬間にばっさりだ」
「えっ、そんな。どうしたら」
「古代文字の写しを送れと言うんだ。学園を離れる事はできないとな」
「そうですね。それなら、失礼にもならないかと」
「時間稼ぎしている間に俺が決着をつけてやる」
そう言って俺は古代文字科を後にした。
そして、迎えの馬車が来ている所に行った。
この馬車は俺達が使っていた奴だ。
ええと、車輪の跡を取った透明なテープがあったはずだ。
照合すると新しい傷は増えてはいるが、確かにこの馬車だ。
やっぱりダカードは実家に帰ったのだな。
これで確信が持てた。
作戦を立てる必要があるな。
「パティ、古代文字の研究家として乗り込んでみたらどうか」
「駄目よ。私はダガードと面識があるから、会った途端にばれるわね」
「うーん、それはあてが外れたな」
さて、どうしようか。
研究家を名乗れないとすると、別の手が必要だ。
それは後で考えるとして、向こうにとりあえず行くとするか。
案外ダガードは護衛もつけずに遊び歩いているかも知れないし。
研究員は依頼に応じないだろうから、時間は稼げた。
急いで行く必要もないな。
よし、ダンジョンを攻略しよう。
きっと切った張ったの展開になるはずだから、レベルは高い方が良い。
近場で良いダンジョンは蟻の巣ダンジョンだな。
「よし、蟻の巣ダンジョンに行くぞ」
「分かったわ、戦力増強ね」
ビッグスクーターを走らせるとダンジョンまではあっという間だった。
さてと、まずは中に入って。
出て来た蟻のモンスターの足を折って動けなくして生贄の魔力回路の上に置いた。
その魔力でホウ酸と砂糖と小麦粉と水を買うのだ。
一時間ほどで攻略に必要な材料は揃った。
「まさかダンジョンで団子作りをするはめになるとはね」
「これを撒けば蟻なんてイチコロさ」
通路にホウ酸団子を撒くと蟻のモンスターが群がって食べた。
毒に弱った所を生贄にして魔力を吸い取る。
ホウ酸団子を作るの無限ループだ。
ボスは流石にホウ酸団子に見向きもしなかったが、100レベルを超えた俺の敵じゃなかった。
通路のモンスターはホウ酸団子で一掃。
ボスはレベルに任せたごり押しの攻略。
簡単だった。
まあ、こんな攻略を金を払ってやれば破産すること間違いなしだ。
「この豪華な扉を見るに、ここがラスボスだな」
「団子を見るのはもう嫌よ」
「よし、入ろう」
ダンジョンのラスボスは女王蟻だった。
次々に産み出される兵隊蟻。
「ホウ酸団子が効くかな」
「えー、こねるのはもう嫌よ。腕がパンパン」
「仕方ない。まずは今まで作ったホウ酸団子を全てばら撒いて」
よしよし、食ってる食ってる。
「パティは弱った兵隊蟻を生贄にしてくれ」
「任せて」
生贄により魔石に魔力が十分に溜まった。
「魔力通販。発電機に電動かくはん機、カモン」
本来ならセメントをこねる奴だがいいだろう。
よし、こねるのが追いつかなくなるか勝負だ。
「バリバリ、ホウ酸団子作るぞ」
「こういうのがあるなら早く出しなさいよ」
「まあ事情があるんだよ」
兵隊蟻にホウ酸団子を食わせる闘いが始まった。
そんな攻防を二時間ほど続け。
遂に女王蟻は兵隊蟻を産み出さなくなった。
メイスで女王蟻の頭をかち割り、ダンジョン攻略完了。
「ステータス」
――――――――――――――
名前:山田 無二 LV271
魔力:18158/27100
スキル:
収納箱
魔力通販
次元移動
分解
想像強化
――――――――――――――
よし、レベル300近くなった。
「パティもレベルが上がったか」
「ええ、5上がったわ」
「よし、フェビル子爵領に乗り込もう」
35
お気に入りに追加
1,187
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした
鈴木竜一
ファンタジー
健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。
しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。
魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ!
【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】
※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おじさんが異世界転移してしまった。
明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか?
モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる