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第3章 分解スキルでざまぁ編
第139話 おっさん、暴動を起こす
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「ヘイスティ、一体全体どういうことなの」
「すいません、パトリシアお嬢様」
「謝罪じゃなくて、どうしてこうなったのか聞きたいの」
「王都での仕事が忙しくて領地を管理できず、代官を雇ったのですが。それが失敗だったようです」
「そうなの。仕方ないわね」
「パトリシアお嬢様、俺にも説明してくれ」
「私はこの街の領主の姪よ。それに妾腹だから、貴族というのもおこがましいわね。貴族の血をひいていると言うだけの平民よ」
「ダカードとの関係は」
「私はお転婆だったから、武芸の嗜みがあって、ある貴族の子息の護衛を勤めていたわ」
「その貴族がダカードと関係があるのか」
「そうダカードは彼の学友だったのよ。ある日、友達に会うと言って護衛もつけずに飲みに行ったわ。帰りが遅いので探しに行ったら殺されていた訳」
「じゃあ、仇討ちって訳だ」
「違うわ。職務の遂行よ。危害を加える者を殺す役目のね」
「殺し屋も兼ねているのか」
「ええ」
「ダカードを殺したいのは職務の遂行の為か」
「そうね。それと、どじを踏んで護衛の任を全うできなかった辻褄合わせって所ね。貸しは取り立てないと。ちなみに殺せたら金一封が出るわ」
ああ、借金を取り立てるのに賭けをしたと言ったのがそれか。
「よし、ダカードの件は分かった。この街をなんとかしよう。ヘイスティさんは役人なんだろう」
「そうでございます」
「じゃあ、代官に証拠を突き付けて解任しよう」
「それが、軍事行動は不味いと。兵士を連れて来なかったのです。他人の領地を兵を率いて通るのはやっかいなもので」
「なんだ、そんな事か。俺が無双してやるよ。暴れても良いって事だよな」
「はい、お手柔らかに」
「殺しはしないさ。打ちどころが悪くなければな。さあ、街に乗り込もう」
俺はトイレのすっぽんを装備して、門に近づいた。
「入りたいなら、列に並べ。足税も忘れずにな」
「ふん、まかり通る」
俺は門番をトイレのすっぽんで殴った。
スパーンといい音がして門番は気絶した。
「門を破られるぞ。閉門だ急げ」
俺は向かってくる門番を手あたり次第、打ちのめした。
門が完全に閉められた。
「分解」
木で出来た門が文字通り粉々になる。
列になって順番待ちしていた人々が我先にと駆け込んで、その場の勢いに押され門番達をタコ殴りにし始めた。
これは暴動が起こるな。
俺の責任じゃないと思いたい。
代官屋敷に行くと門が閉じられ民衆が門を叩いて俺達の金返せと叫んでいた。
「分解」
鉄で出来た門が粉になる。
民衆が中になだれ込む。
悲鳴と怒号が飛び交うなか、俺はゆっくりと歩を進めた。
使用人らしき人間も兵士もいない。
どこに行ったんだ。
二階に上がると悲鳴が聞こえた。
現場に行くと兵士が陣を組んで、使用人と代官を守っていた。
切り捨てられた民衆がいて、怒りに震える民衆と兵士がにらみ合っていた。
「商人、よく来た。わしを助けろ。金ならいくらでも払う」
「寝言は寝て言え」
俺はトイレのすっぽんで兵士を叩きのめした。
「悪いな。代官は裁きにかけなきゃならん。お詫びにほれ」
俺は5ミリのジルコニア数十個を床にばらまいた。
「宝石だ」
「宝石が落ちている」
「でかした。わしを逃がせ」
「お前は寝とけ」
トイレのすっぽんで代官を叩くと、代官を担いで門の所まで戻った。
「大事になっちゃったが良いのか」
「仕方ありませんな。不徳の致す所で」
「民衆の不満は限界だったのよ。暴動に乗じて代官を捕らえた事にするわ。暴動が起こったから街に踏み込んだ。いいわね、ヘイスティ」
「はい、パトリシアお嬢様」
「これで一件落着か」
「それで、一つお願いがあるんだけど。魔力は用意するから、偽宝石を沢山頂戴」
「何に使うんだ」
「もちろんこの街の復興に使うのよ」
「しょうがないか。暴動を起こしちまったもんな」
ところで、一つはっきりさせたい事がある。
「これだけは聞きたい。貴族の子息が殺されたのは俺に会う何日前だ」
「2週間前ね」
親方が殺されるより前か。
という事はダカードが殺人を厭わなくなったきっかけは子息の殺害だな。
謎が解けたよ。
後はダカードがなぜ子息を殺害したかだな。
この謎は解かなくてもいいだろう。
俺には関係ない。
ヘイスティさんが呼び掛けた人達が列をなして魔力を売りに来る。
魔力を買うのにいくら払っても問題ない。
宝石の価値がそれ以上にあるからだ。
ダイヤと言っては売れないが、劣化品としては売れるらしい。
それでもダイヤの半値だ。
190の魔力と言うと約二人分だ。
それで金貨50枚が儲かるのだから、ウハウハ言ってしまうのも仕方ない。
「ヘイスティさん、俺の能力は秘密にしろよ。そうでないと俺が暴れる事になる」
「それはもう。親切なお方が街の暴動に心を痛めて寄付してくれた事にします。秘密を喋らない事が長生きの秘訣でして、はい」
いまいち信用できないが、パティもいるから大丈夫だろう。
さあ、出発しよう
「すいません、パトリシアお嬢様」
「謝罪じゃなくて、どうしてこうなったのか聞きたいの」
「王都での仕事が忙しくて領地を管理できず、代官を雇ったのですが。それが失敗だったようです」
「そうなの。仕方ないわね」
「パトリシアお嬢様、俺にも説明してくれ」
「私はこの街の領主の姪よ。それに妾腹だから、貴族というのもおこがましいわね。貴族の血をひいていると言うだけの平民よ」
「ダカードとの関係は」
「私はお転婆だったから、武芸の嗜みがあって、ある貴族の子息の護衛を勤めていたわ」
「その貴族がダカードと関係があるのか」
「そうダカードは彼の学友だったのよ。ある日、友達に会うと言って護衛もつけずに飲みに行ったわ。帰りが遅いので探しに行ったら殺されていた訳」
「じゃあ、仇討ちって訳だ」
「違うわ。職務の遂行よ。危害を加える者を殺す役目のね」
「殺し屋も兼ねているのか」
「ええ」
「ダカードを殺したいのは職務の遂行の為か」
「そうね。それと、どじを踏んで護衛の任を全うできなかった辻褄合わせって所ね。貸しは取り立てないと。ちなみに殺せたら金一封が出るわ」
ああ、借金を取り立てるのに賭けをしたと言ったのがそれか。
「よし、ダカードの件は分かった。この街をなんとかしよう。ヘイスティさんは役人なんだろう」
「そうでございます」
「じゃあ、代官に証拠を突き付けて解任しよう」
「それが、軍事行動は不味いと。兵士を連れて来なかったのです。他人の領地を兵を率いて通るのはやっかいなもので」
「なんだ、そんな事か。俺が無双してやるよ。暴れても良いって事だよな」
「はい、お手柔らかに」
「殺しはしないさ。打ちどころが悪くなければな。さあ、街に乗り込もう」
俺はトイレのすっぽんを装備して、門に近づいた。
「入りたいなら、列に並べ。足税も忘れずにな」
「ふん、まかり通る」
俺は門番をトイレのすっぽんで殴った。
スパーンといい音がして門番は気絶した。
「門を破られるぞ。閉門だ急げ」
俺は向かってくる門番を手あたり次第、打ちのめした。
門が完全に閉められた。
「分解」
木で出来た門が文字通り粉々になる。
列になって順番待ちしていた人々が我先にと駆け込んで、その場の勢いに押され門番達をタコ殴りにし始めた。
これは暴動が起こるな。
俺の責任じゃないと思いたい。
代官屋敷に行くと門が閉じられ民衆が門を叩いて俺達の金返せと叫んでいた。
「分解」
鉄で出来た門が粉になる。
民衆が中になだれ込む。
悲鳴と怒号が飛び交うなか、俺はゆっくりと歩を進めた。
使用人らしき人間も兵士もいない。
どこに行ったんだ。
二階に上がると悲鳴が聞こえた。
現場に行くと兵士が陣を組んで、使用人と代官を守っていた。
切り捨てられた民衆がいて、怒りに震える民衆と兵士がにらみ合っていた。
「商人、よく来た。わしを助けろ。金ならいくらでも払う」
「寝言は寝て言え」
俺はトイレのすっぽんで兵士を叩きのめした。
「悪いな。代官は裁きにかけなきゃならん。お詫びにほれ」
俺は5ミリのジルコニア数十個を床にばらまいた。
「宝石だ」
「宝石が落ちている」
「でかした。わしを逃がせ」
「お前は寝とけ」
トイレのすっぽんで代官を叩くと、代官を担いで門の所まで戻った。
「大事になっちゃったが良いのか」
「仕方ありませんな。不徳の致す所で」
「民衆の不満は限界だったのよ。暴動に乗じて代官を捕らえた事にするわ。暴動が起こったから街に踏み込んだ。いいわね、ヘイスティ」
「はい、パトリシアお嬢様」
「これで一件落着か」
「それで、一つお願いがあるんだけど。魔力は用意するから、偽宝石を沢山頂戴」
「何に使うんだ」
「もちろんこの街の復興に使うのよ」
「しょうがないか。暴動を起こしちまったもんな」
ところで、一つはっきりさせたい事がある。
「これだけは聞きたい。貴族の子息が殺されたのは俺に会う何日前だ」
「2週間前ね」
親方が殺されるより前か。
という事はダカードが殺人を厭わなくなったきっかけは子息の殺害だな。
謎が解けたよ。
後はダカードがなぜ子息を殺害したかだな。
この謎は解かなくてもいいだろう。
俺には関係ない。
ヘイスティさんが呼び掛けた人達が列をなして魔力を売りに来る。
魔力を買うのにいくら払っても問題ない。
宝石の価値がそれ以上にあるからだ。
ダイヤと言っては売れないが、劣化品としては売れるらしい。
それでもダイヤの半値だ。
190の魔力と言うと約二人分だ。
それで金貨50枚が儲かるのだから、ウハウハ言ってしまうのも仕方ない。
「ヘイスティさん、俺の能力は秘密にしろよ。そうでないと俺が暴れる事になる」
「それはもう。親切なお方が街の暴動に心を痛めて寄付してくれた事にします。秘密を喋らない事が長生きの秘訣でして、はい」
いまいち信用できないが、パティもいるから大丈夫だろう。
さあ、出発しよう
応援ありがとうございます!
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