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第3章 分解スキルでざまぁ編

第104話 おっさん、パーティを結成する

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 俺はダンジョンに一緒に行ってくれるパーティを探し求めて色々なパーティを渡り歩いた。
 ダンジョンに行くパーティでダンジョンコアを目指しているパーティはほとんど存在しない。
 それにダンジョンコアに辿り着いて、討伐を俺にやらしてくれるところなどない。
 そりゃそうだよな。
 一番美味しい獲物を他人に譲るなんて、大金でも積まれないと有り得ない。
 ただ、金はある程度貯まった。
 発掘品と偽って100均の製品を売りまくったからだ。
 電卓とかペンライトや時計が人気商品になった。

「よし、トラップだ。仕事だぞ、分解屋」

 現在、俺は駆け出しパーティと一緒にダンジョンの1階層にいる。

「えっと、このトラップは鉄の槍が飛び出す奴だ。分解ディサセムブル
「儲けたな。鉄の槍は金になる」

 トラップを見つけては分解。
 鉄材を確保する毎日だ。
 アイテムボックスを持っているので、重い鉄の槍を抱えてひいこら言わなくても良いのは助かった。

「そろそろ、ステップアップしたらどうかな」
「俺達としては遺跡探索をしたい」
「それなら付き合いもここまでだな」

 万事こんな感じだ。
 駆け出しのパーティに入ってダンジョンで鉄材集め。
 そしてパーティは遺跡探索をやり始める事になってしまう。
 ダンジョン探索の人気がないのは魔石が売れないからだ。
 外付けの魔力タンクの以外の活用がされてない。
 魔道具の制作とかあったらまた話は違うのだろうけど。
 それとこの世界のダンジョンはドロップ品もしょぼい。
 そんな訳で装備が整えられるとみんな遺跡探索に行ってしまう。

 どこかにダンジョン攻略をする剛の者がいないかな。
 ギルドに行くとトラップを解除できる人間の募集の張り紙を見る。
 全部駆け出しパーティだ。
 たまに熟練パーティの募集が在っても斥候を兼ねるという条件が付いていた。

 俺は腹をくくった。
 パーティリーダーとしてメンバーを募集する事にした。
 集まったのは剣士、魔法使い、銃士、騎士の四人だった。

 剣士の男がブライム。
 でっぷりと太っていて俊敏には動けそうもない。
 前のパーティを首になった理由は太っているからだ。
 まあ筋肉はそれなりにあるようだから、問題ないだろう。

 魔法使いの女がジェリ。
 塩魔法を操る。
 塩魔法は塩を飛ばしたりする魔法だ。
 威力は土魔法と大差ないが、塩は高い。
 それが理由で前のパーティを首になった。

 銃士の女がヴィス。
 接近戦はレイピアで、遠距離は銃で狙い撃つ。
 なんで前のパーティを首になったかと言えば、命中率が悪い。
 コストパフォーマンスが悪かったのだ。

 騎士の男がダカード。
 騎士は馬に乗っていなければ騎士とは言えないという男だ。
 駆け出しパーティに馬なんぞ要らんと言われ首になった。

 みんな見事なまでに首になった奴らばかりだ。
 俺はそんな奴らを率いてダンジョン攻略に乗り出した。

「よし、今日からダンジョン探索だ。手順は分かっているよな」
「モンスターに出会ったらヴィスとジェリが遠距離攻撃。撃ち漏らしたら、俺とブライが接近戦」
「その通りだ」
「しかし、リーダー頭良いね。塩を弾丸にするには溶かしてから結晶させるしかないと思ってた。糊で固めるなんて」
「こんなのすぐに思いつくよ」
「この糊は凄いね。モンスターに当たってもほとんど崩れない」

 魔力通販で買った現代の接着剤だからな。
 ちなみに魔力は暇な時にパーティメンバーから集めた。

「喋ってないで、そろそろ行くぞ」

 通路の角からゴブリンが現れる。
 アルリーのゴブリンは角がないのだが、この世界のゴブリンは角がある。
 体の色も若干違うが些細な事だ。

 ヴィスがライフルを撃つが外れる。
 ジェリが塩の弾丸を飛ばすも致命傷には程遠い。
 ブライムがゴブリンの頭を剣で叩き割った。
 ブライムは強いな。
 ゴブリンは魔石を残して消えた。

「ちょっと待て。トラップがある。これは矢を発射するやつだな」
「リーダーは運がねぇな」

 ブライムが吐き捨てるように言った。

「そうだね。矢じりでは金属がいくらも取れない。ミスリルでも使ってくれればいいのに」

 残念そうなダカード。

「ほら、そこ踏むなよ落とし穴がある」
「ますます、運がないねぇ、リーダー。落とし穴じゃ分解してもしょうがない」
「いや、馬鹿に出来ないぞ。ばねとか歯車とか取れる」

 こんな感じで俺達のダンジョン探索は始まった。
 問題は色々とあったが、幸い金に余裕があったので、金銭で方がつく問題は解決。
 ブライは痩せなかったが、筋肉はついた。
 いわゆる相撲取り体型だな。
 ヴィスは数をこなすうちに命中率が上がり、ダカードの馬は金食い虫だが遠征に役立ち、ジェリは魔力通販で買う塩が大のお気に入りになった。
 なんでも俺の塩は魔法のキレが違うそうだ。
 接着剤で固めたのは例外として、不純物が少ないからだな。

 そんな訳で俺以外はガンガンとレベルが上がる事に。
 そして3年経ち、俺達は中堅パーティになれた。
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