90 / 248
第2章 異世界帰還でざまぁ編
第90話 おっさん、脂肪を力に変える
しおりを挟む
モンスター退治の人間をどう育成しよう。
死骸を持ってくる人間はぼちぼちとは出ているが一般に普及したとは言い難い。
そうだ、レベルを上げると寿命が延びるのだった。
俺は御手洗さんと会う事にした。
「今日は薬などとは関係ないけど、ある事実を伝えたい」
「なんです。改まって」
「モンスターを倒すとレベルが上がるだろ。あれは寿命も延びる効果がある」
「それはまた微妙な学説ですね。寿命が延びるという事は、病気に掛かり難くなるという事ですよね。薬を売る立場としては微妙と言わざる得ない」
「製薬会社としては損する要因か」
「ええ、情報はありがたいですけど。この先、薬の需要が減るとなると色々と考えないといけません」
「レベル上げの実験に協力はしてくれないよな」
「会社の立場としては協力はしかねますね。ですがレベルアップ需要という物が生まれるかもしれません。ここになんらかの商品で食い込めれば、或いは」
レベルアップして得になる要素はある。
だが、製薬会社としては損だ。
これを得にする要素としてはポーションだな。
力を増す、パワー・ブースト・ポーションは作れる。
これを飲めば非力な人間も中猿鬼ぐらい倒せる。
『ポーション飲んでモンスター退治して健康生活』なんてスローガンでモンスター退治を普及出来ないだろうか。
「力を増す青汁があるが、これを使ってモンスター退治なんてどうだと思う」
「良いですね。それならレベルアップ需要に食い込めます」
「他にも打たれ強くなったり、素早く動けたりと、色々な青汁があるよ」
「ますます良いですね。レベルアップと寿命の関係を証明するには時間が掛かります。しかし、病気に掛かり難くなるかはすぐにデータが取れます。上の人間に掛け合って研究するのも良いですね」
御手洗さんの考えでは遅い。
もっと早くなんとかしないと。
「もし、何んでも作り出せるとしたら、御手洗さんなら、どんな機能を持った青汁を作ります?」
「そうですね。体脂肪をパワーに変える青汁ですか。ダイエットの市場はかなり大きい。男女関係ないですから」
なるほどな。
生贄の禁書にそういうのがある。
体内の栄養、主に脂肪をパワーに変えるのが。
なぜ禁書かと言うと脂肪が少ないと飢餓に弱いからだ。
異世界でこれを使ってモンスター退治を村ぐるみで行っていた所があって、冷夏が訪れほんの少ししか作物が取れない年に全滅したらしい。
気候が悪いと地上のモンスターも減る。
その少ないモンスターを得る為に更にポーションを使って悪循環に陥ったと書いてあった。
地球では食料需要は異世界ほどひっぱくしてない。
いけるんじゃないだろうか。
『モンスター倒してダイエット』これでいこう。
「脂肪を力に変える青汁がある。これとモンスター退治をセットにしてはどうかな」
「モンスター退治は危険ですから、女子などが食いつくかどうか」
「そこは力を増す青汁と併用だよ。危険はないと約束できる」
「サンプルを貰ったら、試してみる事にします」
俺はそれから青汁各種を生産に掛かった。
結果はどうなったかだって。
脂肪を力に変える青汁に意外な副作用も判明した。
バストが目減りするのだ。
腹筋は見えるようになるが、洗濯板になる。
そこで、女性向けは諦めた。
男性にターゲットを絞ったら、もうバカ売れ。
やばいぐらい売れた。
上手くコントロールして服用する女性はいたので、それなりに女性にも人気にはなった。
モンスター退治の人間も徐々に増えた。
しかし、激増とまでは行かない。
あと一押しなんだよな。
モンスター退治の利点が何かあれば。
テレビ番組に頼るか。
うちの会社でスポンサーをやって、アイドルあたりにモンスター退治させる。
なかなか良いんじゃないだろうか。
これが効力を発揮するまでには時間が掛かるだろう。
金は惜しくないのでやる事にする。
即効性がある方策は思いつかない。
気分転換に開発部の社員を集めた。
「何か面白い商品のアイデアはないか」
「そうですね。今流行のダイエット青汁にあやかって、体重の軽くなる魔力回路なんてどうです」
「なるほどね。でも重力を軽減して何か良いことがあるのか」
「そこは使いようです。例えば買い物袋に仕込むとか。ごにょごにょに仕込むとか」
ばっちり聞こえたぞ。
ブラジャーに仕込むのか。
女性下着は高価だから、需要はあるだろう。
「いいぞ、やってみろ」
「私は宇宙開発に軽くなる魔力回路を使わせたいですね」
「いいな。会社の名前が上がる」
車に仕込む事も考えたが、魔力が切れるといきなり重くなる。
事故になる可能性もあるから、これはボツだな。
そして、恐れていた事が起きた。
中猿鬼が大猿鬼に進化。
徒党を組んで人を襲い始めたのだ。
ニュースによると海外でも猛獣が巨大化。
やはり人を襲い始めた。
死骸を持ってくる人間はぼちぼちとは出ているが一般に普及したとは言い難い。
そうだ、レベルを上げると寿命が延びるのだった。
俺は御手洗さんと会う事にした。
「今日は薬などとは関係ないけど、ある事実を伝えたい」
「なんです。改まって」
「モンスターを倒すとレベルが上がるだろ。あれは寿命も延びる効果がある」
「それはまた微妙な学説ですね。寿命が延びるという事は、病気に掛かり難くなるという事ですよね。薬を売る立場としては微妙と言わざる得ない」
「製薬会社としては損する要因か」
「ええ、情報はありがたいですけど。この先、薬の需要が減るとなると色々と考えないといけません」
「レベル上げの実験に協力はしてくれないよな」
「会社の立場としては協力はしかねますね。ですがレベルアップ需要という物が生まれるかもしれません。ここになんらかの商品で食い込めれば、或いは」
レベルアップして得になる要素はある。
だが、製薬会社としては損だ。
これを得にする要素としてはポーションだな。
力を増す、パワー・ブースト・ポーションは作れる。
これを飲めば非力な人間も中猿鬼ぐらい倒せる。
『ポーション飲んでモンスター退治して健康生活』なんてスローガンでモンスター退治を普及出来ないだろうか。
「力を増す青汁があるが、これを使ってモンスター退治なんてどうだと思う」
「良いですね。それならレベルアップ需要に食い込めます」
「他にも打たれ強くなったり、素早く動けたりと、色々な青汁があるよ」
「ますます良いですね。レベルアップと寿命の関係を証明するには時間が掛かります。しかし、病気に掛かり難くなるかはすぐにデータが取れます。上の人間に掛け合って研究するのも良いですね」
御手洗さんの考えでは遅い。
もっと早くなんとかしないと。
「もし、何んでも作り出せるとしたら、御手洗さんなら、どんな機能を持った青汁を作ります?」
「そうですね。体脂肪をパワーに変える青汁ですか。ダイエットの市場はかなり大きい。男女関係ないですから」
なるほどな。
生贄の禁書にそういうのがある。
体内の栄養、主に脂肪をパワーに変えるのが。
なぜ禁書かと言うと脂肪が少ないと飢餓に弱いからだ。
異世界でこれを使ってモンスター退治を村ぐるみで行っていた所があって、冷夏が訪れほんの少ししか作物が取れない年に全滅したらしい。
気候が悪いと地上のモンスターも減る。
その少ないモンスターを得る為に更にポーションを使って悪循環に陥ったと書いてあった。
地球では食料需要は異世界ほどひっぱくしてない。
いけるんじゃないだろうか。
『モンスター倒してダイエット』これでいこう。
「脂肪を力に変える青汁がある。これとモンスター退治をセットにしてはどうかな」
「モンスター退治は危険ですから、女子などが食いつくかどうか」
「そこは力を増す青汁と併用だよ。危険はないと約束できる」
「サンプルを貰ったら、試してみる事にします」
俺はそれから青汁各種を生産に掛かった。
結果はどうなったかだって。
脂肪を力に変える青汁に意外な副作用も判明した。
バストが目減りするのだ。
腹筋は見えるようになるが、洗濯板になる。
そこで、女性向けは諦めた。
男性にターゲットを絞ったら、もうバカ売れ。
やばいぐらい売れた。
上手くコントロールして服用する女性はいたので、それなりに女性にも人気にはなった。
モンスター退治の人間も徐々に増えた。
しかし、激増とまでは行かない。
あと一押しなんだよな。
モンスター退治の利点が何かあれば。
テレビ番組に頼るか。
うちの会社でスポンサーをやって、アイドルあたりにモンスター退治させる。
なかなか良いんじゃないだろうか。
これが効力を発揮するまでには時間が掛かるだろう。
金は惜しくないのでやる事にする。
即効性がある方策は思いつかない。
気分転換に開発部の社員を集めた。
「何か面白い商品のアイデアはないか」
「そうですね。今流行のダイエット青汁にあやかって、体重の軽くなる魔力回路なんてどうです」
「なるほどね。でも重力を軽減して何か良いことがあるのか」
「そこは使いようです。例えば買い物袋に仕込むとか。ごにょごにょに仕込むとか」
ばっちり聞こえたぞ。
ブラジャーに仕込むのか。
女性下着は高価だから、需要はあるだろう。
「いいぞ、やってみろ」
「私は宇宙開発に軽くなる魔力回路を使わせたいですね」
「いいな。会社の名前が上がる」
車に仕込む事も考えたが、魔力が切れるといきなり重くなる。
事故になる可能性もあるから、これはボツだな。
そして、恐れていた事が起きた。
中猿鬼が大猿鬼に進化。
徒党を組んで人を襲い始めたのだ。
ニュースによると海外でも猛獣が巨大化。
やはり人を襲い始めた。
13
お気に入りに追加
1,103
あなたにおすすめの小説
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
超時空スキルを貰って、幼馴染の女の子と一緒に冒険者します。
烏帽子 博
ファンタジー
クリスは、孤児院で同い年のララと、院長のシスター メリジェーンと祝福の儀に臨んだ。
その瞬間クリスは、真っ白な空間に召喚されていた。
「クリス、あなたに超時空スキルを授けます。
あなたの思うように過ごしていいのよ」
真っ白なベールを纏って後光に包まれたその人は、それだけ言って消えていった。
その日クリスに司祭から告げられたスキルは「マジックポーチ」だった。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
超文明日本
点P
ファンタジー
2030年の日本は、憲法改正により国防軍を保有していた。海軍は艦名を漢字表記に変更し、正規空母、原子力潜水艦を保有した。空軍はステルス爆撃機を保有。さらにアメリカからの要求で核兵器も保有していた。世界で1、2を争うほどの軍事力を有する。
そんな日本はある日、列島全域が突如として謎の光に包まれる。光が消えると他国と連絡が取れなくなっていた。
異世界転移ネタなんて何番煎じかわかりませんがとりあえず書きます。この話はフィクションです。実在の人物、団体、地名等とは一切関係ありません。
虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~
すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》
猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。
不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。
何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。
ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。
人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。
そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。
男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。
そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。
(
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる