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第2章 異世界帰還でざまぁ編
第85話 おっさん、議員候補と会う
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「御手洗さん、今日はなんです」
「政治家の伝手が欲しくはありませんか」
「賄賂を贈れというのなら無し。合法の範囲ならオッケーだ」
「いえね、まだ政治家ではないのですが、議員候補を紹介したいのです」
「それは、是非紹介してほしいな」
伝手は大事だ。
紹介があるのとないのでは雲泥の差がある。
異世界でも冒険者になるために苦労したっけ。
地球でもそれは同じだ。
政治家と付き合ってみるか。
◆◆◆
俺は待ち合わせの河豚料理店の中に入る。
らっしゃいと威勢の良い掛け声が掛かった。
今は昼飯時だ。
午前中はダンジョンで運動しているので空腹感が凄い。
「哲候先生と待ち合わせだ」
「こっちです!」
三十代後半ぐらいの爽やかな感じの男が和室から襖を開けて手を振っている。
気さくな性格らしい、嫌味な野郎でなくて良かった。
「初めまして哲候政幸です。先生は要らないです。まだ議員じゃないので」
「山田無二です。よろしくお願いします」
俺達は名刺交換をして挨拶を交わした。
「無二さん、気軽にいきましょう。私は4年前までサラリーマンだったのですよ。恥ずかしい事に今は無職です」
「では哲候さんとお呼びします」
「まだ硬いですね。ささっ冷酒でも一杯」
「すいません、お酌してもらって」
俺は冷酒を一口飲み杯を置いた。
「応援は頂けるのですか?」
「ええ、会社前で演説してもらえば、気を回す社員なら投票するでしょう」
「献金が無いのは残念ですが、良しとしますか」
「個人献金なら出来ますけど」
「ありがたいですが、何をして欲しいのですか?」
「山田ダンジョンカンパニーを乗っ取ろうと思ってます」
「ほう、豪気な事ですね」
「親父達があんまり無茶をするのでお灸をすえてやろうと思ったのですよ」
「それは凄いですね。買収は相当な額になるのでは」
「ええ、時価総額3千億ですから」
「ダンジョン関連は守備範囲以外なので、あまりお役に立てないですが」
「どういった物に詳しいのですか」
「医療関連ですね。厚生労働省になら伝手があります。実家も医療法人ですし」
てっちりが美味そうに煮込まれたのを店の人が運んできた。
食事を始めると哲候さんは良いペースで飲み始める。
そして、こんな事を言って来た。
「それはそうと聞いて下さい。私の父は国会議員をしてたのですが、任期中に倒れまして。弔い選挙にうって出たのですが、不徳の致すところで落選しました。今度の選挙で負けるともう次はないのです」
「それは、苦労なさってますね」
「実は新興の会社の力を借りるのに反対されたのですが、事情ができまして」
「事情ですか?」
「駅前にスーパーチェーンがあったでしょ。あそこはうちの支援者だったのですが、潰れてしまいました」
「そういえば潰れましたね」
「ボンボンの社長が性質の悪い女に引っ掛かりまして。ギャンブルに誘われ。仕舞いには違法カジノで大負けです」
「もしかして、女もグルだったのでは?」
「そうなんですよ、お金が無くなったとたん女も消えました」
「ありそうな話ですね」
「あそこの家は元々庄屋の家系で、曾爺さんの時に無茶をしまして嫌われているのです」
「何をやったんです?」
「戦中戦後のどさくさの時に元小作農の家に金を貸したのです。そして、返還の期日の時に居留守を使って、後日、借金の担保にしてあった土地を取ったのです」
「それは恨まれますね」
「今回はスパイがいて内情が全て筒抜けだったみたいです」
「土地の住人だと誰が裏切り者でもおかしくない訳ですか?」
俺もスパイには悩まされた。
他人事じゃないな。
今も金に目がくらんで、スパイが生まれているかも知れない。
気をつけよう。
「そうですね。おかげで穴埋めに大忙しですよ」
「出来る事もあるので、気ままに連絡して下さい」
そう言って、哲候さんと別れた。
俺はある計画を思いついた。
青汁という名のポーションを薬として認定する事だ。
協力してくれるかも知れない。
それに買収の時に政治的圧力が掛かった時に緩和してくれる可能性もある。
「政治家の伝手が欲しくはありませんか」
「賄賂を贈れというのなら無し。合法の範囲ならオッケーだ」
「いえね、まだ政治家ではないのですが、議員候補を紹介したいのです」
「それは、是非紹介してほしいな」
伝手は大事だ。
紹介があるのとないのでは雲泥の差がある。
異世界でも冒険者になるために苦労したっけ。
地球でもそれは同じだ。
政治家と付き合ってみるか。
◆◆◆
俺は待ち合わせの河豚料理店の中に入る。
らっしゃいと威勢の良い掛け声が掛かった。
今は昼飯時だ。
午前中はダンジョンで運動しているので空腹感が凄い。
「哲候先生と待ち合わせだ」
「こっちです!」
三十代後半ぐらいの爽やかな感じの男が和室から襖を開けて手を振っている。
気さくな性格らしい、嫌味な野郎でなくて良かった。
「初めまして哲候政幸です。先生は要らないです。まだ議員じゃないので」
「山田無二です。よろしくお願いします」
俺達は名刺交換をして挨拶を交わした。
「無二さん、気軽にいきましょう。私は4年前までサラリーマンだったのですよ。恥ずかしい事に今は無職です」
「では哲候さんとお呼びします」
「まだ硬いですね。ささっ冷酒でも一杯」
「すいません、お酌してもらって」
俺は冷酒を一口飲み杯を置いた。
「応援は頂けるのですか?」
「ええ、会社前で演説してもらえば、気を回す社員なら投票するでしょう」
「献金が無いのは残念ですが、良しとしますか」
「個人献金なら出来ますけど」
「ありがたいですが、何をして欲しいのですか?」
「山田ダンジョンカンパニーを乗っ取ろうと思ってます」
「ほう、豪気な事ですね」
「親父達があんまり無茶をするのでお灸をすえてやろうと思ったのですよ」
「それは凄いですね。買収は相当な額になるのでは」
「ええ、時価総額3千億ですから」
「ダンジョン関連は守備範囲以外なので、あまりお役に立てないですが」
「どういった物に詳しいのですか」
「医療関連ですね。厚生労働省になら伝手があります。実家も医療法人ですし」
てっちりが美味そうに煮込まれたのを店の人が運んできた。
食事を始めると哲候さんは良いペースで飲み始める。
そして、こんな事を言って来た。
「それはそうと聞いて下さい。私の父は国会議員をしてたのですが、任期中に倒れまして。弔い選挙にうって出たのですが、不徳の致すところで落選しました。今度の選挙で負けるともう次はないのです」
「それは、苦労なさってますね」
「実は新興の会社の力を借りるのに反対されたのですが、事情ができまして」
「事情ですか?」
「駅前にスーパーチェーンがあったでしょ。あそこはうちの支援者だったのですが、潰れてしまいました」
「そういえば潰れましたね」
「ボンボンの社長が性質の悪い女に引っ掛かりまして。ギャンブルに誘われ。仕舞いには違法カジノで大負けです」
「もしかして、女もグルだったのでは?」
「そうなんですよ、お金が無くなったとたん女も消えました」
「ありそうな話ですね」
「あそこの家は元々庄屋の家系で、曾爺さんの時に無茶をしまして嫌われているのです」
「何をやったんです?」
「戦中戦後のどさくさの時に元小作農の家に金を貸したのです。そして、返還の期日の時に居留守を使って、後日、借金の担保にしてあった土地を取ったのです」
「それは恨まれますね」
「今回はスパイがいて内情が全て筒抜けだったみたいです」
「土地の住人だと誰が裏切り者でもおかしくない訳ですか?」
俺もスパイには悩まされた。
他人事じゃないな。
今も金に目がくらんで、スパイが生まれているかも知れない。
気をつけよう。
「そうですね。おかげで穴埋めに大忙しですよ」
「出来る事もあるので、気ままに連絡して下さい」
そう言って、哲候さんと別れた。
俺はある計画を思いついた。
青汁という名のポーションを薬として認定する事だ。
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