レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太

文字の大きさ
上 下
74 / 248
第2章 異世界帰還でざまぁ編

第74話 おっさん、闇冒険者を撃退する

しおりを挟む
 ベンケイが家の外の犬小屋で盛んに吠える。
 お客さんかな。
 物体を感知してライトが自動的に点く。
 窓から外を見たが人影はない。
 誤作動かな。

 突如、窓ガラスが粉々になった。
 身代わり人形が塵になり、床に弾丸が音を立てて落ちた。
 銃撃されたのか。
 敵はどこだ。

 見回すがいない。
 銃を撃つ音が正面から聞こえる。
 弾丸が魔力壁に当たりぽとぽと落ちる。
 透明になるスキル持ちの仕業か。

 俺は赤外線ゴーグルをかけてみた。
 むっ、いないな。
 パソコンに接続してある監視カメラの映像を見ると、銃を構えた人が映っていた。

 おお、噂の認識阻害って奴か。
 見ても見なかった事にするんだな。
 精神魔法の一種だろうか。

 俺は玄関から出ると、銃撃されるのも構わずにベンケイを解き放った。
 ベンケイが吠える方向に石を投げる。
 石が何もない所で跳ね返る。

 いることは確かなんだな。
 俺はロープをアイテムボックスから出して薙いだ。
 ロープが何もない空間で巻き付く。
 場所が分かればこんなの容易い。
 トイレのすっぽんを出して殴り掛かると、パスコンと乾いた音がして黒ずくめの男が横たわった姿を現した。

 さて、警察が来る前に尋問してみるか。
 例の糊を掛けると縛られた男は芋虫みたいにもぞもぞと動いた。
 そして、温度が下がる魔力回路を貼った。

「どうだ。かゆいだろ。雇い主は分かっているが、念のためだ。吐いてもらおう」
「くそう、こんなの依頼の情報にない。銃が効かないなんて。かゆい、かゆい、かゆい」
「早く依頼主を吐け」
「山田虎時とらときだよ」
「やっぱりな。どこに居る」
「闇冒険者のアジトだよ」

 アジトの住所を聞き出し、俺は庭の水道にホースをつなぎ、男に掛けてやった。

 銃声を聞いて近所の人が通報。
 警察がやってきて、男を逮捕していった。
 虎時とらときは脱獄してまだ日本国内にいるのだな。
 とっくに高跳びしていると思った。
 転移が出来るのでいつでも逃げられるいう自信もあるのだろう。

 もはや、俺を殺しても遺産は手に入らないのにな。
 遺言書が書き換えられた事実を知らないのかもな。
 それとも山田一族を全て殺せばいいとでも思っているのか。
 遺産相続で殺人をすると法律で遺産は手に入らない事になっている。
 どういうつもり何だか。

 魔力回路の電撃トラップなんだが、通り道には仕掛けていない。
 来客が掛かると問題だからな。
 道を通らずに敷地に侵入しようとすると発動するようになっている。
 今後は何か考えないといけないな。

 俺は段ボールで窓を塞ぎ、もう寝る事にしたい。
 したいが二段構えだと不味い。
 俺は異世界で寝る事にした。

  ◆◆◆

 翌朝。
 さあ、異世界にせっかく来たのだから、魔道具とポーションの知識でも漁ろうか。
 記憶には限界があるが、アルマ達を召喚する時に持ってきてもらえばいい。
 デジカメで撮影すれば複写はあっという間だ。

 おっ、これなんか良いんじゃないか。
 ふむふむ、これと現代の物を組み合わせれば。

 認識阻害に対する対策も本に載っていた。

 魔力を吸い取る結界の魔道具を設置すると、そこに入った人間はスキルが使えなくなるとの事。
 これなら、近所の人が間違って来ても問題ないな。
 異世界の城には設置してあるそうだ。
 解除できる人間も魔力パターンで限定出来るみたいだ。
 異世界の魔法科学も捨てたもんじゃないな。

「なぁ、もし家族が殺しに来たらどうする」
「うちのおとんはクズやけど、殺そうとはおもわへん」
「俺もなぁ。法律うんぬんの前に踏ん切りがつかん」
「殺すまではできへのやろな」
「難しい問題ですね」

「どっか遠い国で暮らしてくれたらいいと思うんだけどな」
「異世界に飛ばすことができればいいのに」
「まったくだ。あいつに異世界の苦労を味合わせたら、きっとまともになるはずだ」

 管理者にならできそうだが、やってはくれないだろうな。

「呪術付加」
「呪いなんてあるのか」
「伝説ではあるみたい」

 伝説じゃあな。
 俺がやるとしたら、魔力回路を入れ墨にして永久に作動させるとかだな。
 そういえば異世界では入れ墨を見ないな。
 やったとしても、地球には入れ墨を除去する手術もあるんだよな。
 それに強制的に入れ墨をするのに加担する彫師なんていないだろう。
 異世界の知識と現代知識の融合でなんとかならないだろうか。
 地道に探してみるか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした

鈴木竜一
ファンタジー
 健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。  しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。  魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ! 【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】  ※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~

シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。 目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。 『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。 カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。 ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。 ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~

夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。 が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。 それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。 漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。 生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。 タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。 *カクヨム先行公開

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

処理中です...