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第2章 異世界帰還でざまぁ編
第69話 おっさん、骨肉の争いを制す
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入ってきたのは虎時達、四人組だった。
「今なら冗談で済ましてやる。消えろ」
「叔父さん、もう後には引けません」
「そうか、やるって言うんだな」
俺はトイレのすっぽんをアイテムボックスから取り出した。
「予知。ラバーカップでトラを殴ってくる」
片貝がスキルを発動した。
こいつのスキルは予知か。
だが、甘い。
いちいち仲間に警告していたら、俺は違う手段をとる。
モンスター相手になら無双なのだろうな。
俺は標的を上泉に変えて殴り掛かった。
「念動」
ふん、少し体が重くなったが手加減には丁度いい。
バコンと音を立ててトイレのすっぽんが上泉に叩きこまれた。
いっちょ上がり。
「発火」
三俣の能力は発火か。
ふん、少しも熱くないな。
「なんで効かないんだ。寄るな化け物」
トイレのすっぽんが三俣に叩きこまれた。
こいつはちょろいな。
「予知。来るな、来るな。来ないで」
予知って役に立たないな。
やはり一撃のもとに地に伏した。
「叔父さんが悪いんだ」
虎時は鉄串を取り出して言った。
「トラ、さっさと掛かってこい」
「転移」
鉄串が虎時の手から消え、次の瞬間、虎時の腹に突き刺さっていた。
何だ、自滅したぞ。
俺は警備員を呼んだ。
四人は警察に引き渡された。
襲撃の様子はダンジョンレコーダーでしっかりと記録されていたので証拠はばっちりだ。
扉を破壊した時にスイッチが入ったのだろう。
馬鹿なやつらだ。
ノックすりゃいいものを。
◆◆◆
気を取り直して会長職に励むとしよう。
まず、青汁という名のポーション工場を作る計画を立てた。
薬草の栽培は農家に頼めばいい。
作り方は簡単で、薬草をミキサーにかけて魔法陣の上に置いたら、魔力を注げば出来上がりだ。
魔力を持っていれば誰にでも出来る仕事だ。
さて、ポーションはこれでいい。
問題はダンジョン制覇だ。
次も加速銃身つきピストルで一撃とはいかないだろうから、正攻法で臨む必要がある。
ゴミ問題もなんとかしないといけない。
山田家との確執も解消しないとな。
やりたくはないが、一週間後、俺は親父を呼び出した。
「お前の事を見損なったぞ。虎時を上手い事使って穏便に行くことを願ってた」
会った早々そう言われた。
喧嘩を売っているんだよね。
いくら親父でも許せない。
「親父が画策するからだ。虎時が刑務所に入って満足か」
「お前はなんということを。お前の勘当は一生解かん」
「いいさ、山田ダンジョンコーポレーションは頂く」
「臨時株主総会を開いて会長職から追い出してやる」
「ダンジョンとその周りの土地は俺の物だが、どうするんだ」
「決まっとるだろう。騙されて取られたと訴える。国の政治家に知り合いが何人もいる。分かっているな」
「そうか、じゃ俺が買った値段の倍出せば売ってやる。それと青汁部門と魔力回路部門は別会社にして貰っていく」
「よかろう。手切れ金だ」
ついに親父と決別する日が来たようだ。
俺は正攻法で山田ダンジョンを攻略する事を誓った。
ボス敵は虎時ではなく親父だったという事だろう。
山田ダンジョンコーポレーションの株を買い漁って正攻法で乗っ取ってやる。
時価総額3000億もなんのその。
そう決めた。
◆◆◆
「公国データバンクです。本日は何をお求めでしょうか」
公国データバンクは会員制の情報会社だ。
会社の情報から冒険者の情報やモンスターの情報など多種多様な情報を扱う。
「転移魔法の情報が欲しい」
「一件あたり百万円の情報料となりますが、よろしいでしょうか」
「頼む」
「転移は空間魔法の一つです。魔力の消費が高いのが特徴となります」
「弱点はないのか」
「下層のモンスターの体の中に物体を入れようとすると、不発に終わる事があります」
「はじかれたりするのか」
「ええ、そういう情報があります」
分かった。たぶん魔力壁を突破できなかったのだな。
俺の魔力壁が強固だったから、物凄い勢いではじかれて自滅したと。
発火も魔力壁を突破できなかったのだと思う。
「ありがとな」
「ご利用ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」
少し引っかかっていた疑問が解けた。
公国データバンク、良い物を紹介してもらった。
魔力回路さまさまだ。
魔力回路売買で得た伝手がかなり活きている。
やっぱり、御手洗さんには謝りに行こう。
縁は大切にしないとな。
そして、アエモ青汁株式会社を設立できたことだし、明日から青汁を売りまくるぞ。
ちなみにアエモは嫁三人の最初の文字をつなぎ合わせた。
「今なら冗談で済ましてやる。消えろ」
「叔父さん、もう後には引けません」
「そうか、やるって言うんだな」
俺はトイレのすっぽんをアイテムボックスから取り出した。
「予知。ラバーカップでトラを殴ってくる」
片貝がスキルを発動した。
こいつのスキルは予知か。
だが、甘い。
いちいち仲間に警告していたら、俺は違う手段をとる。
モンスター相手になら無双なのだろうな。
俺は標的を上泉に変えて殴り掛かった。
「念動」
ふん、少し体が重くなったが手加減には丁度いい。
バコンと音を立ててトイレのすっぽんが上泉に叩きこまれた。
いっちょ上がり。
「発火」
三俣の能力は発火か。
ふん、少しも熱くないな。
「なんで効かないんだ。寄るな化け物」
トイレのすっぽんが三俣に叩きこまれた。
こいつはちょろいな。
「予知。来るな、来るな。来ないで」
予知って役に立たないな。
やはり一撃のもとに地に伏した。
「叔父さんが悪いんだ」
虎時は鉄串を取り出して言った。
「トラ、さっさと掛かってこい」
「転移」
鉄串が虎時の手から消え、次の瞬間、虎時の腹に突き刺さっていた。
何だ、自滅したぞ。
俺は警備員を呼んだ。
四人は警察に引き渡された。
襲撃の様子はダンジョンレコーダーでしっかりと記録されていたので証拠はばっちりだ。
扉を破壊した時にスイッチが入ったのだろう。
馬鹿なやつらだ。
ノックすりゃいいものを。
◆◆◆
気を取り直して会長職に励むとしよう。
まず、青汁という名のポーション工場を作る計画を立てた。
薬草の栽培は農家に頼めばいい。
作り方は簡単で、薬草をミキサーにかけて魔法陣の上に置いたら、魔力を注げば出来上がりだ。
魔力を持っていれば誰にでも出来る仕事だ。
さて、ポーションはこれでいい。
問題はダンジョン制覇だ。
次も加速銃身つきピストルで一撃とはいかないだろうから、正攻法で臨む必要がある。
ゴミ問題もなんとかしないといけない。
山田家との確執も解消しないとな。
やりたくはないが、一週間後、俺は親父を呼び出した。
「お前の事を見損なったぞ。虎時を上手い事使って穏便に行くことを願ってた」
会った早々そう言われた。
喧嘩を売っているんだよね。
いくら親父でも許せない。
「親父が画策するからだ。虎時が刑務所に入って満足か」
「お前はなんということを。お前の勘当は一生解かん」
「いいさ、山田ダンジョンコーポレーションは頂く」
「臨時株主総会を開いて会長職から追い出してやる」
「ダンジョンとその周りの土地は俺の物だが、どうするんだ」
「決まっとるだろう。騙されて取られたと訴える。国の政治家に知り合いが何人もいる。分かっているな」
「そうか、じゃ俺が買った値段の倍出せば売ってやる。それと青汁部門と魔力回路部門は別会社にして貰っていく」
「よかろう。手切れ金だ」
ついに親父と決別する日が来たようだ。
俺は正攻法で山田ダンジョンを攻略する事を誓った。
ボス敵は虎時ではなく親父だったという事だろう。
山田ダンジョンコーポレーションの株を買い漁って正攻法で乗っ取ってやる。
時価総額3000億もなんのその。
そう決めた。
◆◆◆
「公国データバンクです。本日は何をお求めでしょうか」
公国データバンクは会員制の情報会社だ。
会社の情報から冒険者の情報やモンスターの情報など多種多様な情報を扱う。
「転移魔法の情報が欲しい」
「一件あたり百万円の情報料となりますが、よろしいでしょうか」
「頼む」
「転移は空間魔法の一つです。魔力の消費が高いのが特徴となります」
「弱点はないのか」
「下層のモンスターの体の中に物体を入れようとすると、不発に終わる事があります」
「はじかれたりするのか」
「ええ、そういう情報があります」
分かった。たぶん魔力壁を突破できなかったのだな。
俺の魔力壁が強固だったから、物凄い勢いではじかれて自滅したと。
発火も魔力壁を突破できなかったのだと思う。
「ありがとな」
「ご利用ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」
少し引っかかっていた疑問が解けた。
公国データバンク、良い物を紹介してもらった。
魔力回路さまさまだ。
魔力回路売買で得た伝手がかなり活きている。
やっぱり、御手洗さんには謝りに行こう。
縁は大切にしないとな。
そして、アエモ青汁株式会社を設立できたことだし、明日から青汁を売りまくるぞ。
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