67 / 248
第2章 異世界帰還でざまぁ編
第67話 おっさん、山田ダンジョン大暴落につけ込む
しおりを挟む
翌日の新聞の見出しは山田ダンジョンコーポレーション大暴落だった。
俺は株の収益で50億近い金を手に入れた。
この金の使い道は決まっている。
山田ダンジョンを買い取るのだ。
ダンジョンをどうして買い取るのかというと夢を見たのだ。
その夢は。
「地球初のダンジョン制覇、おめでとうございます」
「おう、ありがとよ」
俺の目の前にピクシーが浮かんでいた。
これが異世界の昔話にあった本物のピクシーか。
「ダンジョンをもっと制覇してほしいのです」
「今のレベルだと簡単だけどな。理由を聞かせてくれるか」
「ダンジョンは余剰魔力を消費する仕組みです。本当は植物がそれを担っていたのですが」
「植物は減少の一途だからな」
「ええ。それで地球の意思は人類に試練を与えました。ダンジョンを制覇すればモンスターの害を抑えようと」
「という事は、地上のモンスターが溢れるって事か」
「そうですね。悲しい事です」
「もしかして、ゴミをダンジョンに捨ててるのも相当まずいんじゃ」
「ええ、余剰魔力の量を増やしています」
「俺にはどうにもできないな。政治家じゃないし」
「ダンジョンを制覇すれば、余剰魔力が減って滅びの時が遠のきます」
「俺が合図したら山田ダンジョンを元通りに復活させられるか」
「可能です。管理者と念じて頂ければ話は伝わります」
ここで夢が覚めた。
俺は弁護士に頼んで山田ダンジョンの買取交渉をしてもらった。
その時、山田ダンジョンが復活したというニュースが流れた。
一時上がる山田ダンジョンコーポレーションの株。
俺はまたも空売りしまくった。
そして、産出される魔石が10銭ほどのくず魔石だと分かると大暴落。
100億ほどの金を手に入れた。
◆◆◆
気になる事があったので山田ダンジョンに入る。
ハツカネズミのモンスターが出てきたのでスライム溶解液をかけた。
なんともなかった。
対策されたのだな。
他のダンジョンも同じだろう。
糊も駄目だろうな。
まあいいさ。
レベル86もあれば楽勝のはずだ。
最下層に行くと警備員がラスボスの扉の前にいて人を寄せ付けないように警備していた。
ダンジョンコアを守っているのだろう。
俺は出口で意外な人物に会った。
姪の秋穂だった。
「おう、久しぶり」
「本当にお久しぶりです」
まさか殺しにきた訳ではないよな。
「なんの用だ」
「兄さんの事すみません」
「お前に謝ってもらってもな。どうして俺は狙われたんだ」
「遺産の受取人があなただったからです」
「俺? 俺は勘当されたはずじゃ」
「お爺様はおっしゃいました。山田家を継ぐのは無二だと。なんでも大統領を超える器だとかで」
「俺のどこにそんな雰囲気が……待てよ」
ああ、そうか。
異世界でドンパチやったから、戦国武将なみの覇気になったんだろう。
もしくは殺気の凄い奴じゃないだろうか。
「心当たりがおありですのね」
「ちくしょう。遺産なんて要らなかったのに」
「もう山田家は遺産はないでしょう。残ってもダンジョンが出来る前の状態だと思います」
「それで」
「ダンジョンレコーダーの映像からあなたがダンジョンを制覇した事は分かってます。兄さんが聞く耳持ちません。もう、誰にも止められないのでしょう」
「あー、俺は呪いに掛かっているんだ。トラにあったら言っておいてくれ。恨むなら神を恨めと」
ざまぁの呪いなんて言ったところで、どうにもならないのは分かっている。
だがな、神を恨みたくもなる。
「止まるかは分かりませんけど、伝えておきます」
「じゃあな」
弁護士に遺言状を調べさせた。
どうやら親戚中に公開したようで、映像として記録していた者が何人もいる。
受取人は俺で、俺が死んだらトラが受け取る事になっているそうだ。
勘当は試練のつもりだったのだろう。
親父もいらんことを。
いや、遺産に目がくらんで殺人に走ったトラが悪いな。
山田ダンジョン買取計画は続けよう。
事ここに至ってはダンジョンを元通りにして済む話じゃないだろう。
一番いいのはトラが遺産の何分の一かで納得してくれる事だ。
俺は金ならいくらでも稼げる。
だから遺産は均等に分けるのが一番いいと思う。
それが穏便な解決方法だと思うが、そうはいかないのだろうな。
◆◆◆
「ベンケイ。俺を慰めてくれ」
庭で腹を見せるベンケイ。
そうか、もふっていいのか。
もふりながら思った。
異世界に帰ろう。
アルマ達の顔が浮かんだ。
「次元移動」
懐かしの異世界だ。
「泣きそうな顔してるやん」
「ほんとどうしたの」
「事案存在」
「飲もう。飲んで忘れる」
その前に服を着ないと。
俺は株の収益で50億近い金を手に入れた。
この金の使い道は決まっている。
山田ダンジョンを買い取るのだ。
ダンジョンをどうして買い取るのかというと夢を見たのだ。
その夢は。
「地球初のダンジョン制覇、おめでとうございます」
「おう、ありがとよ」
俺の目の前にピクシーが浮かんでいた。
これが異世界の昔話にあった本物のピクシーか。
「ダンジョンをもっと制覇してほしいのです」
「今のレベルだと簡単だけどな。理由を聞かせてくれるか」
「ダンジョンは余剰魔力を消費する仕組みです。本当は植物がそれを担っていたのですが」
「植物は減少の一途だからな」
「ええ。それで地球の意思は人類に試練を与えました。ダンジョンを制覇すればモンスターの害を抑えようと」
「という事は、地上のモンスターが溢れるって事か」
「そうですね。悲しい事です」
「もしかして、ゴミをダンジョンに捨ててるのも相当まずいんじゃ」
「ええ、余剰魔力の量を増やしています」
「俺にはどうにもできないな。政治家じゃないし」
「ダンジョンを制覇すれば、余剰魔力が減って滅びの時が遠のきます」
「俺が合図したら山田ダンジョンを元通りに復活させられるか」
「可能です。管理者と念じて頂ければ話は伝わります」
ここで夢が覚めた。
俺は弁護士に頼んで山田ダンジョンの買取交渉をしてもらった。
その時、山田ダンジョンが復活したというニュースが流れた。
一時上がる山田ダンジョンコーポレーションの株。
俺はまたも空売りしまくった。
そして、産出される魔石が10銭ほどのくず魔石だと分かると大暴落。
100億ほどの金を手に入れた。
◆◆◆
気になる事があったので山田ダンジョンに入る。
ハツカネズミのモンスターが出てきたのでスライム溶解液をかけた。
なんともなかった。
対策されたのだな。
他のダンジョンも同じだろう。
糊も駄目だろうな。
まあいいさ。
レベル86もあれば楽勝のはずだ。
最下層に行くと警備員がラスボスの扉の前にいて人を寄せ付けないように警備していた。
ダンジョンコアを守っているのだろう。
俺は出口で意外な人物に会った。
姪の秋穂だった。
「おう、久しぶり」
「本当にお久しぶりです」
まさか殺しにきた訳ではないよな。
「なんの用だ」
「兄さんの事すみません」
「お前に謝ってもらってもな。どうして俺は狙われたんだ」
「遺産の受取人があなただったからです」
「俺? 俺は勘当されたはずじゃ」
「お爺様はおっしゃいました。山田家を継ぐのは無二だと。なんでも大統領を超える器だとかで」
「俺のどこにそんな雰囲気が……待てよ」
ああ、そうか。
異世界でドンパチやったから、戦国武将なみの覇気になったんだろう。
もしくは殺気の凄い奴じゃないだろうか。
「心当たりがおありですのね」
「ちくしょう。遺産なんて要らなかったのに」
「もう山田家は遺産はないでしょう。残ってもダンジョンが出来る前の状態だと思います」
「それで」
「ダンジョンレコーダーの映像からあなたがダンジョンを制覇した事は分かってます。兄さんが聞く耳持ちません。もう、誰にも止められないのでしょう」
「あー、俺は呪いに掛かっているんだ。トラにあったら言っておいてくれ。恨むなら神を恨めと」
ざまぁの呪いなんて言ったところで、どうにもならないのは分かっている。
だがな、神を恨みたくもなる。
「止まるかは分かりませんけど、伝えておきます」
「じゃあな」
弁護士に遺言状を調べさせた。
どうやら親戚中に公開したようで、映像として記録していた者が何人もいる。
受取人は俺で、俺が死んだらトラが受け取る事になっているそうだ。
勘当は試練のつもりだったのだろう。
親父もいらんことを。
いや、遺産に目がくらんで殺人に走ったトラが悪いな。
山田ダンジョン買取計画は続けよう。
事ここに至ってはダンジョンを元通りにして済む話じゃないだろう。
一番いいのはトラが遺産の何分の一かで納得してくれる事だ。
俺は金ならいくらでも稼げる。
だから遺産は均等に分けるのが一番いいと思う。
それが穏便な解決方法だと思うが、そうはいかないのだろうな。
◆◆◆
「ベンケイ。俺を慰めてくれ」
庭で腹を見せるベンケイ。
そうか、もふっていいのか。
もふりながら思った。
異世界に帰ろう。
アルマ達の顔が浮かんだ。
「次元移動」
懐かしの異世界だ。
「泣きそうな顔してるやん」
「ほんとどうしたの」
「事案存在」
「飲もう。飲んで忘れる」
その前に服を着ないと。
47
お気に入りに追加
1,187
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした
鈴木竜一
ファンタジー
健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。
しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。
魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ!
【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】
※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おじさんが異世界転移してしまった。
明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか?
モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる