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第1章 異世界転移でざまぁ編
第38話 おっさん、スライムにゴミ処理させる
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朝になり、シャワーを浴びすっきりする。
ダンジョンにゴミを廃棄するのはタブーだと言われている。
なんでも中のモンスターが強化されるとか。
ならば、小説ではスライムにゴミ処理させてたな。
でも、そんな都合の良いスライムなんているかな。
「アルマ出かけてくる」
「行ってらっしゃい」
アルマに見送られ俺は冒険者ギルドを目指した。
冒険者ギルドのエティの窓口に並ぶ。
「おはよう」
「おはようございます」
「今日は相談があってな」
「商売ですか?」
「いんや、モンスターの生態に詳しい人を紹介してくれ」
「良いですよ。今紹介状書きますね」
「また商売の話があったら気軽に持ってきて下さい。ここだけの話この間の魔石の充填、凄いボーナス出ちゃいました」
俺は紹介状を貰いギルドを後にした。
◆◆◆
確かここだったな、モンス研究所。
「ごめんよ。じゃまするぜ」
俺は声を掛けて中に入る。
「誰だ? 押し売りなら間に合っとる」
研究所の所長は白髪頭に口ひげを生やした初老の男性だった。
「モンスターの生態について聞きたい」
「そうか。わしの研究成果を聞きたいとな。どんな事を聞きたい」
俺の差し出した紹介状をみて、目をキラキラさせてこちらに迫る所長。
なんか暑苦しい人だな。
「スライムについて聞きたいのだが?」
「また、マニアックな話題だな。スライムは奥深いぞ」
「ゴミを食べるスライムなんてのがどっかに居るかい?」
「スライムは何でも溶かすが好んで金属や土とかは食わん。無機物の味が嫌いと分かっとる」
「じゃあ、駄目か。スライムにゴミ処理させたかったんだよ」
「新種に賭けるのだな。今もどこかで新種が生まれておる」
「そんな、悠長なこと出来ないよ。そうだ意図的に新種を作るってのはどうだ」
「どうやって作るのだ?」
「えっと、金属が大嫌いなスライムから金属が少しでも好きなスライムを抜き出す。そして、掛け合わせて段々と好きにさせていく。最終的には金属を大好きなスライムを作り出すという訳だ」
「召喚魔法や調教のスキルを持っている者に協力してもらえば可能だな。確か念話で味の好みぐらい聞き出せるはずだ」
「うん、俺には無理だな。忙しいからな」
「研究費を出してくれれば、わしがやっても良いぞ。今の話は興味深かったからな」
「金なら出せる。なら決まりだな。今思いついたんだが、ゴミをスライムに食わせて有害物質が出ないものなのか?」
「スライムはな、魔石が無い。どうやって魔力を溜めているかというと肉体に溜めておる」
「人間と同じだな」
「そう人間と同じだ。魔力は食物から取る事が分かっとる。スライムはな、そこが進化しておる。金属でも何でも魔力に分解してしまう」
「溶かされた物は魔力になるという訳ですか?」
「そうなるのう。物質を作る魔法やスキルがあるから、世界は魔力で循環していると言う学者もおる」
「分かった。勉強になったよ」
詳しい条件を詰めて契約書を作り研究所を後にした。
◆◆◆
ムニ商会の店舗で自転車のサンプルを置く。
魔石の魔力が残り少ない。
炊き出しに行こう。
「ケイム居るか?」
俺がケイムの部屋に入ると子供が何人か留守番していた。
「ケイムのおっちゃんなら偏屈爺の所だよ。案内してあげる」
その中の男の子が一人、案内してくれる事になった。
細いスラムの道を歩き、スラムにしては綺麗な家の前に来た。
「ここだよ」
「ありがとよ」
お駄賃の銅貨5枚を渡すと子供は嬉しそうに駆けて行った。
「じゃまするぜ」
中にはケイムと腰の曲がった老人が居た。
「良いところに来た。この偏屈爺に何か変わった素材をやってくれ」
「わしは偏屈爺で通っている者じゃ。本名は言いたくない」
「俺はムニだ。偏屈爺さんと呼ばせてもらう。変わった素材とはどんな物だ」
「とにかく見たことの無い物をくれ。そうでないと創作意欲が湧かんのじゃ」
「ちょっと待っててくれ」
俺は一旦外に出て誰もいないのを確認してから、魔力通販で自分の魔力を使いアクリル板を出した。
「こんなのはどうだ」
俺は家の中に戻り色とりどりのアクリル板20枚を渡した。
「わしはそういうのを待っとったんじゃ」
「それ、なんだけど、熱に弱いんで気をつけてくれ」
「食器以外に使用すれば問題ないはずじゃ。変形。記念じゃ持ってけ」
赤い半透明のアクリル板で見事な造形の花瓶が出来上がった。
それを偏屈爺は投げて寄越し、俺は慌てて受け取る。
「ありがとよ、偏屈爺さん」
俺はケイムに炊き出しの金を渡して、家を後にした。
そろそろ、次の封印ダンジョンを探さないとな。
ダンジョンにゴミを廃棄するのはタブーだと言われている。
なんでも中のモンスターが強化されるとか。
ならば、小説ではスライムにゴミ処理させてたな。
でも、そんな都合の良いスライムなんているかな。
「アルマ出かけてくる」
「行ってらっしゃい」
アルマに見送られ俺は冒険者ギルドを目指した。
冒険者ギルドのエティの窓口に並ぶ。
「おはよう」
「おはようございます」
「今日は相談があってな」
「商売ですか?」
「いんや、モンスターの生態に詳しい人を紹介してくれ」
「良いですよ。今紹介状書きますね」
「また商売の話があったら気軽に持ってきて下さい。ここだけの話この間の魔石の充填、凄いボーナス出ちゃいました」
俺は紹介状を貰いギルドを後にした。
◆◆◆
確かここだったな、モンス研究所。
「ごめんよ。じゃまするぜ」
俺は声を掛けて中に入る。
「誰だ? 押し売りなら間に合っとる」
研究所の所長は白髪頭に口ひげを生やした初老の男性だった。
「モンスターの生態について聞きたい」
「そうか。わしの研究成果を聞きたいとな。どんな事を聞きたい」
俺の差し出した紹介状をみて、目をキラキラさせてこちらに迫る所長。
なんか暑苦しい人だな。
「スライムについて聞きたいのだが?」
「また、マニアックな話題だな。スライムは奥深いぞ」
「ゴミを食べるスライムなんてのがどっかに居るかい?」
「スライムは何でも溶かすが好んで金属や土とかは食わん。無機物の味が嫌いと分かっとる」
「じゃあ、駄目か。スライムにゴミ処理させたかったんだよ」
「新種に賭けるのだな。今もどこかで新種が生まれておる」
「そんな、悠長なこと出来ないよ。そうだ意図的に新種を作るってのはどうだ」
「どうやって作るのだ?」
「えっと、金属が大嫌いなスライムから金属が少しでも好きなスライムを抜き出す。そして、掛け合わせて段々と好きにさせていく。最終的には金属を大好きなスライムを作り出すという訳だ」
「召喚魔法や調教のスキルを持っている者に協力してもらえば可能だな。確か念話で味の好みぐらい聞き出せるはずだ」
「うん、俺には無理だな。忙しいからな」
「研究費を出してくれれば、わしがやっても良いぞ。今の話は興味深かったからな」
「金なら出せる。なら決まりだな。今思いついたんだが、ゴミをスライムに食わせて有害物質が出ないものなのか?」
「スライムはな、魔石が無い。どうやって魔力を溜めているかというと肉体に溜めておる」
「人間と同じだな」
「そう人間と同じだ。魔力は食物から取る事が分かっとる。スライムはな、そこが進化しておる。金属でも何でも魔力に分解してしまう」
「溶かされた物は魔力になるという訳ですか?」
「そうなるのう。物質を作る魔法やスキルがあるから、世界は魔力で循環していると言う学者もおる」
「分かった。勉強になったよ」
詳しい条件を詰めて契約書を作り研究所を後にした。
◆◆◆
ムニ商会の店舗で自転車のサンプルを置く。
魔石の魔力が残り少ない。
炊き出しに行こう。
「ケイム居るか?」
俺がケイムの部屋に入ると子供が何人か留守番していた。
「ケイムのおっちゃんなら偏屈爺の所だよ。案内してあげる」
その中の男の子が一人、案内してくれる事になった。
細いスラムの道を歩き、スラムにしては綺麗な家の前に来た。
「ここだよ」
「ありがとよ」
お駄賃の銅貨5枚を渡すと子供は嬉しそうに駆けて行った。
「じゃまするぜ」
中にはケイムと腰の曲がった老人が居た。
「良いところに来た。この偏屈爺に何か変わった素材をやってくれ」
「わしは偏屈爺で通っている者じゃ。本名は言いたくない」
「俺はムニだ。偏屈爺さんと呼ばせてもらう。変わった素材とはどんな物だ」
「とにかく見たことの無い物をくれ。そうでないと創作意欲が湧かんのじゃ」
「ちょっと待っててくれ」
俺は一旦外に出て誰もいないのを確認してから、魔力通販で自分の魔力を使いアクリル板を出した。
「こんなのはどうだ」
俺は家の中に戻り色とりどりのアクリル板20枚を渡した。
「わしはそういうのを待っとったんじゃ」
「それ、なんだけど、熱に弱いんで気をつけてくれ」
「食器以外に使用すれば問題ないはずじゃ。変形。記念じゃ持ってけ」
赤い半透明のアクリル板で見事な造形の花瓶が出来上がった。
それを偏屈爺は投げて寄越し、俺は慌てて受け取る。
「ありがとよ、偏屈爺さん」
俺はケイムに炊き出しの金を渡して、家を後にした。
そろそろ、次の封印ダンジョンを探さないとな。
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