レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太

文字の大きさ
上 下
3 / 248
第1章 異世界転移でざまぁ編

第3話 おっさん、ご褒美をもらう

しおりを挟む
 ドアの先には階段はなくポータルとダンジョンコアがあった。
 ここは最下層だったのか。キングミノタウロスは中ボスでなくて大ボスなのか。

 ちらりと頭にダンジョンコアを取るという考えが浮かんだ。
 駄目だ、勝手にダンジョンを討伐すると死罪になる。

 でもこんな機会は二度とないよな。
 そうだ、魔力を貰おう。

 俺はアイテムボックスから沢山の木片を出し並べ始めた。
 木片一枚一枚には魔法陣が書いてある。
 これは、スラムに流れてきた魔道具職人から教わって書いた物だ。
 ブロックを組み合わせて電気回路を作る玩具が好きで子供の頃良く遊んだので、それにヒントを得て木片で作ってみた。

 木片と木片を導線で繋ぐ。
 キングミノタウロスの魔石を端に繋いで、後はダンジョンコアを繋ぐだけだ。

 上手く行ってくれよ。
 少し経ち魔法陣の一つが光る。充填完了だ。
 魔石を使い魔力通販を使う。
 なんと2万1千円のものまで買える。
 上乗せの限界は元の魔力と同じ量が基本だと聞いていたのに。
 まあいい、多い分には損しない。

 まずは武器を買おう。1万5千円ぐらいのクロスボウを買う。
 これは邪魔なカラスを落とせないか考えた時にネット通販で調べた。
 クロスボウは10個あれば良いだろう。
 服もこの世界で問題ない物を買おう。

 それと唐辛子スプレーが欲しいな。
 それに食料だ。寿司や高級牛肉なんかも欲しい。
 換金できる商材も欲しいな、現代知識の塊の物も多数買った。
 異世界人とばれるとやっかいだが構うものか。
 死に掛けた事で変なテンションになった俺は充填と買い物を繰り返す。
 そして、気がついたら魔力の充填が出来なくなっていた。
 おお、もしかしてダンジョンコアの魔力が無くなったのか。

 体が妙に軽い。不思議に思ったのでステータスを表示してみる。

「ステータス」

――――――――――――――
名前:山田 無二 LV103
魔力:32/10300

スキル:
収納箱
魔力通販
――――――――――――――

 レベルが上がっているそれも100越えだ。
 100越えは冒険者Sランク相当だぞ。
 どうなっているんだ。
 俺のレベルって上がらないんじゃなかったのか。
 上がるんだな。驚愕して頬をつねったら凄く痛い。

 でもどう考えてもおかしい。
 仮にダンジョンを討伐したとしても100は上がりすぎだ。
 噂ではダンジョンを討伐しても10レベルぐらいしか上がらないはず。
 まあいいや上がりすぎても困らないだろう。
 問題なのはダンジョンを討伐してしまったということだろうな。
 不味いな。
 死罪は嫌だ。

 ダンジョンの入り口には門番が沢山いるから手ぐすね引いて待っているに違いない。
 惚ける一択だな。
 ダンジョンコアはこのままにしておく。
 そうしないと直ぐにばれるからな。

 俺を裏切ったあいつらをどうするかだが、悔しいが放っておくしかないか。
 なぜなら、あいつらが捕まると俺が最下層に落とされた事がばれる危険が増す。
 あいつらはモンスターを溢れさせた負い目もあるから俺が落ちた事を捕まらなければ言わないだろう。

 ポータルはダンジョンコアの魔力がなくて使えないから歩いて地上まで行こう。

 しばらく歩いて気がついた。
 モンスターが一匹もいない。
 これならポーターだけで脱出できた言い訳にもなる。

  ◆◆◆


 えっちらおっちら進む事9階層。
 外の太陽の眩しい日差しを浴びて人心地がついた。
 ああ、無事、地上に戻ってこれたんだな。
 囮にされて落とし穴に落とされた屈辱が湧き上がってくる。
 ちくしょう、どうしてくれよう。

「おや、まだ中に人がいたのかい?」

 鎧を着て剣を腰にぶら下げた門番が話し掛けて来た。

「ポーターなんですが、モンスターが突然大群で湧いてきてパーティとはぐれました。小部屋に立てこもり物音がしなくなったので出てきました」

 俺はしれっと嘘をついた。

「規則なんでね。アイテムボックスの中をボックス鑑定で覗くよ」

 門番はルーペみたいなドロップ品で俺を見る。

「ダンジョンコアは無いね。魔石は36個だね」

 やっぱりダンジョンコアを探している。
 ひやひやしながら、俺は机の上に魔石を全て出す。
 冒険者なら三つまでダンジョンの魔石を持ち帰ることが出来るが、ポーターは一個も持ち出せない。
 門番は魔石を秤に乗せ伝票に数値を書き込むとサインをした。
 俺に伝票を渡してきたので受け取り会釈する。
 早足にならないよう気をつけてその場を離れた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

おじさんが異世界転移してしまった。

明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか? モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~

シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。 目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。 『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。 カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。 ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。 ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

処理中です...