貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太

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第156話 ファイヤージャイアント

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 第5階層は溶岩がそこらかしこに流れてる。
 出てきた巨人は全身燃え盛っているファイヤージャイアント。
 こいつともやったな。

 さて、弥衣やえ綺羅々きららはどう対処するかな。
 俺は連打でやったけど。

【ファイヤージャイアントか。こいつスタンピードでは大暴れしたんだよな】
【巨人とは和解したのに何で戦うんですか?】
【そりゃ、モンスターだからだろ】

「モンスター認定が解かれれば俺も考える。だが、スタンピードでまた被害を出せば、今度はこっちが巨人撲滅を訴える。本当に和解したのかさえ怪しい。今だって襲い掛かっているぞ」

 ファイヤージャイアントは炎を飛ばしてる。

【おっさんとしてはそうだろな】
【あれは仕方ないのです。ファイヤージャイアントの生理現象です】
【人を殺すような攻撃を生理現象と言われてもね】
【俺も巨人は擁護できない】
【ここの人達は文明人ではないようですね】
【もう来るなよ】
【埼京氏が改心するまでは何度でも来ます】

「おう、来るのは自由だ。とりあえずよほどのことがない限りはブロックはしない」

【戦いを始めるみたいだぞ】
【お手並み拝見だ】

 弥衣やえが黒い矢尻が付いた矢をバリスタに装填した。
 グラトニーマテリアルの矢だな。
 確かにあれは魔法も何もかも消しちまう。

 綺羅々きららはグラトニーソードを装備。
 討伐を始めた。

 綺羅々きららがファイヤージャイアントに斬り掛かる。
 足の止まったファイヤージャイアントにバリスタの矢が突き刺さる。
 ファイヤージャイアントは息絶えた。

【あっけないな】
【グラトニーマテリアルの矢はチートだからな】
【このエリアも楽勝で通過だな】

 討伐は順調に進んだ。
 そして、溶岩が固まっているエリアまで出た。
 少し進むと、一面氷に覆われていた。
 溶岩の次は北極かよ。
 極端だな。
 ダンジョンならこういう不思議もあるんだろう。

 今日の討伐はここまでにしておく。
 ダンジョンの外に出ると、巨人を守る会は何やら呼び掛けている。

「巨人を助けるために寄付金を!」

 寄付って真っ当な所もあるのは知っている。
 だが、胡散臭い所がやっていることもある。
 巨人を守る会はどうなんだろうな。

【こういう寄付の何割かが団体の懐に入るんだろうな】
【公表されない部分だな】
【巨人を守る会ってどうなんだろうな】

「現在、寄付を呼び掛けている。巨人を守る会だが、俺情報では反社との繋がりが疑われる」

 魔王は反社に違いない。

【本当か?】
【聞きましたか。この暴言。これは聞き逃せませんね】
【おっさんがいよいよ裁判で負けるのか】

「訴えたければすれば良い。こっちは証拠がある」

【そんな物はありません。捏造です】
【じゃあ裁判だな】
【いよいよ、この配信も裁判バトルか】
【裁判所内は撮影禁止】

「裁判になったら経過は配信する」

 あの命を狙われた男の証言はあてになる。
 嘘判別のスキルに掛けても大丈夫。
 証拠能力はあるはずだ。

 俺の想像が正しければ、巨人を守る会と巨人を橋渡ししたのは魔王。
 違っているかも知れないが、概ねそんなところ。

【このおっさん、チキンな所があるから、たぶん証拠に自信があるんだろうな】
【勝てる裁判しかしないとも言ってたからな】
【民事と刑事どっちでくるかな】
【両方だろ】

「99%の確率で訴えてこないとみた」

【凄い自信だな】
【証拠が何か気になる】

 俺はちょっと不安になった。
 弥衣やえに頼んで私立探偵を動かして貰った。
 巨人を守る会の背後関係を探るためだ。
 そう言えば敵のことを何も知らない。
 羽虫ぐらいの認識だったからな。

 家で報告を待つ。
 メールで報告書が送られてくる。
 ふんふん。
 設立資金の流れが分からない。
 刻印のない金塊を売ってその金を用立てたらしいが、金塊の出所が分からないとある。
 金塊というとヤクザ絡みかな。
 反社はそっちだったのかも。

 俺の見込み違いか。
 だが、そういう脛に傷があるのは確かだ。
 今度機会があったら、設立資金はどうしたんだと言ってやろう。

 バックが何なのか徹底的に調べる必要があるな。
 私立探偵に調査の延長を頼んだ。

 ふむ、魔王の線は消えたのかな。
 俺の勘ではこっちが本命なんだが。
 俺って馬鹿だから推理は苦手だ。

 悪は悪らしくしてほしい。
 俺が悪党アピールしているみたいに。
 賢い奴の考えは違うのかな。
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