151 / 170
第151話 5円玉
しおりを挟む
巨人のダンジョン、遺跡フィールド。
いたのは蔦を纏った巨人。
こいつは見たことある。
アイビージャイアント。
蔦で首を絞められ、多数の被害者が出した奴だ。
まあ、バリスタの敵じゃないな。
射程でも勝ってるし、酸を塗ったりすればさらに凶悪だ。
【おー、バリスタ無双】
【相性の問題だな】
【まあそうなるよな】
【綺羅々ちゃんとシロガネが暇そう】
【あの蔦は厄介だから、接近戦はお勧めできない】
【蜘蛛モンスターみたいな奴だからな】
【毒はないけど概ねそうかもな】
「今回は俺の出番はないようだ」
【いつものことだがな】
【立ってるだけで大儲けできるのなら俺もやりたい】
【偽業者、訴えたらしいな。サイトのいくつかは閉鎖してる。金払ったのに商品が届かないと苦情多数らしい】
【逃げたな】
「ふふふ、逃がさんぞ」
コボルトとケットシー達に俺は匂いを追わせた。
全員の居所は分かっている。
詫びを入れてきたら、金をむしり取って許してやろう。
惚ける奴はあれだな。
久方ぶりのあれだ。
遺跡フィールドの攻略は簡単だった。
遺跡を抜けるとそこは沼地。
今度は水対策か。
まあ、弥衣が何か考えるだろう。
ダンジョンから出ると、巨人を守る会が復活してた。
どうやら炎上は収まったらしい。
巨人の風習として、人骨を弄ぶのは許せませんと。
巨人に啓蒙するためにも支援を下さいとある。
唾棄すべき風習は改めさせるというスタンスに切り換えてなんとか乗り切ったらしい。
「巨人は言わば幼子。現代人が文明をもたらして手を引いてやらねばならないのです」
なるほどね。
そんなことを言うのか。
「じゃあ巨人に食われた家族の前でもそれ言ってみろ」
【まあそうだよね】
【無視してるな】
【ある意味で敗北を受け入れたんだろうな。おっさんを刺激するとよくないと】
【配信にアンチコメいれなくなったのはそういうことか】
【だけど無視しても、おっさんは突っつくだろう】
【弱い奴には強いからな】
「これから、俺は悪徳業者を訪ねる」
【偽ファンクラブのあれね。訪ねてどうするんだ。文句をいうのか】
【金の力でなんとかするのかな。色々と調べ上げれば弱点のひとつやふたつ】
【CGの時に呪いとかあったが】
「おう、それをやる。あれの種は5円玉なんだよ」
【催眠術か。普通に傷害罪】
【5円玉としか言ってない】
【5円玉を投げるのかも】
業者はアパートにいた。
チャイムを鳴らす。
しつこく何度も。
「新聞なら要らないんだよ! しつこいと警察呼ぶぞ」
「おたくを訴えてる埼京だ」
「なんの用だ」
「顔を見に来ただけ。気が変わったら電話してくれ」
俺は名刺を渡して、呪いを解き放った。
【催眠術が掛ったのか】
【きっと催眠光線が出るペンでも使ったのさ】
【金の力って恐ろしい】
何軒もの業者を訪ねた。
「おい、助けてくれ。末期癌だってよ。ノアフォロが唯一の救いなんだ」
さっそくきたな。
電話でも良いのに。
【末期癌だと思い込まされているのか】
【催眠術恐るべし】
【証拠を残さない所なんか悪辣だ】
「よし、悪事を働いて稼いだ金を吐き出してもらおう」
「払うよ。助けてくれ」
【あー、術中に嵌っているな】
【まあいいんじゃね。俺には関係ない。金の返金にも応じるだろうし】
【おっさん、悪だな。だがそれが良い】
「おっ、また来たな」
「お前、癌になる毒を盛ったな」
「証拠があるなら、訴えてみろ。民事でも刑事でもいいぞ」
【証拠がないんだよな】
【催眠術は証拠が残らないのか。他の催眠術士なら破れるんじゃないのか】
【そこらへんはなんともな。催眠光線ならどうなるか分からん】
「くっ」
「まごまごしてると病死するぞ。さあ選べ。俺の軍門に降るかな」
「治るんだな」
「ノアフォロで検索すれば分かる」
【こいつらこの配信を知らないのかな】
【知ってても暗示が解けなきゃそれが真実】
【おっさんの幻想の世界は凄い。CGの時、おれも暗示に掛かってたんじゃないかとさえ思うぜ】
【催眠術を使っておっさんはエロいことしないのかな】
【ヤエちゃんで間に合っているのだろうな】
「分かった。好きな様にしろ」
【またひとりカモが】
【分かっていても駄目だろうこれは。掛かったら最後だと思われ】
【こんなの無敵じゃん。ファントムやばいかもな】
【結局、おっさんは最強か】
業者の半分は示談に応じ、悪質なのはもれなく呪いに掛かってもらった。
やがて全員の始末が付いた。
悪徳業者だったやつらには正規のファントムファンクラブを手伝って貰っている。
こいつらのグッズ開発力は目に見張るものがある。
それにグッズを作る業者を安く使う。
こんなに仕事ができるんなら、普通に仕事しろよと思う。
いたのは蔦を纏った巨人。
こいつは見たことある。
アイビージャイアント。
蔦で首を絞められ、多数の被害者が出した奴だ。
まあ、バリスタの敵じゃないな。
射程でも勝ってるし、酸を塗ったりすればさらに凶悪だ。
【おー、バリスタ無双】
【相性の問題だな】
【まあそうなるよな】
【綺羅々ちゃんとシロガネが暇そう】
【あの蔦は厄介だから、接近戦はお勧めできない】
【蜘蛛モンスターみたいな奴だからな】
【毒はないけど概ねそうかもな】
「今回は俺の出番はないようだ」
【いつものことだがな】
【立ってるだけで大儲けできるのなら俺もやりたい】
【偽業者、訴えたらしいな。サイトのいくつかは閉鎖してる。金払ったのに商品が届かないと苦情多数らしい】
【逃げたな】
「ふふふ、逃がさんぞ」
コボルトとケットシー達に俺は匂いを追わせた。
全員の居所は分かっている。
詫びを入れてきたら、金をむしり取って許してやろう。
惚ける奴はあれだな。
久方ぶりのあれだ。
遺跡フィールドの攻略は簡単だった。
遺跡を抜けるとそこは沼地。
今度は水対策か。
まあ、弥衣が何か考えるだろう。
ダンジョンから出ると、巨人を守る会が復活してた。
どうやら炎上は収まったらしい。
巨人の風習として、人骨を弄ぶのは許せませんと。
巨人に啓蒙するためにも支援を下さいとある。
唾棄すべき風習は改めさせるというスタンスに切り換えてなんとか乗り切ったらしい。
「巨人は言わば幼子。現代人が文明をもたらして手を引いてやらねばならないのです」
なるほどね。
そんなことを言うのか。
「じゃあ巨人に食われた家族の前でもそれ言ってみろ」
【まあそうだよね】
【無視してるな】
【ある意味で敗北を受け入れたんだろうな。おっさんを刺激するとよくないと】
【配信にアンチコメいれなくなったのはそういうことか】
【だけど無視しても、おっさんは突っつくだろう】
【弱い奴には強いからな】
「これから、俺は悪徳業者を訪ねる」
【偽ファンクラブのあれね。訪ねてどうするんだ。文句をいうのか】
【金の力でなんとかするのかな。色々と調べ上げれば弱点のひとつやふたつ】
【CGの時に呪いとかあったが】
「おう、それをやる。あれの種は5円玉なんだよ」
【催眠術か。普通に傷害罪】
【5円玉としか言ってない】
【5円玉を投げるのかも】
業者はアパートにいた。
チャイムを鳴らす。
しつこく何度も。
「新聞なら要らないんだよ! しつこいと警察呼ぶぞ」
「おたくを訴えてる埼京だ」
「なんの用だ」
「顔を見に来ただけ。気が変わったら電話してくれ」
俺は名刺を渡して、呪いを解き放った。
【催眠術が掛ったのか】
【きっと催眠光線が出るペンでも使ったのさ】
【金の力って恐ろしい】
何軒もの業者を訪ねた。
「おい、助けてくれ。末期癌だってよ。ノアフォロが唯一の救いなんだ」
さっそくきたな。
電話でも良いのに。
【末期癌だと思い込まされているのか】
【催眠術恐るべし】
【証拠を残さない所なんか悪辣だ】
「よし、悪事を働いて稼いだ金を吐き出してもらおう」
「払うよ。助けてくれ」
【あー、術中に嵌っているな】
【まあいいんじゃね。俺には関係ない。金の返金にも応じるだろうし】
【おっさん、悪だな。だがそれが良い】
「おっ、また来たな」
「お前、癌になる毒を盛ったな」
「証拠があるなら、訴えてみろ。民事でも刑事でもいいぞ」
【証拠がないんだよな】
【催眠術は証拠が残らないのか。他の催眠術士なら破れるんじゃないのか】
【そこらへんはなんともな。催眠光線ならどうなるか分からん】
「くっ」
「まごまごしてると病死するぞ。さあ選べ。俺の軍門に降るかな」
「治るんだな」
「ノアフォロで検索すれば分かる」
【こいつらこの配信を知らないのかな】
【知ってても暗示が解けなきゃそれが真実】
【おっさんの幻想の世界は凄い。CGの時、おれも暗示に掛かってたんじゃないかとさえ思うぜ】
【催眠術を使っておっさんはエロいことしないのかな】
【ヤエちゃんで間に合っているのだろうな】
「分かった。好きな様にしろ」
【またひとりカモが】
【分かっていても駄目だろうこれは。掛かったら最後だと思われ】
【こんなの無敵じゃん。ファントムやばいかもな】
【結局、おっさんは最強か】
業者の半分は示談に応じ、悪質なのはもれなく呪いに掛かってもらった。
やがて全員の始末が付いた。
悪徳業者だったやつらには正規のファントムファンクラブを手伝って貰っている。
こいつらのグッズ開発力は目に見張るものがある。
それにグッズを作る業者を安く使う。
こんなに仕事ができるんなら、普通に仕事しろよと思う。
116
お気に入りに追加
712
あなたにおすすめの小説
リフォーム分譲ダンジョン~庭にダンジョンができたので、スキルを使い改装して、分譲販売することにした。あらぬ罪を着せてた奴らにざまぁしてやる~
喰寝丸太
ファンタジー
俺はソフトウェア開発会社の社員だった。
外注費を架空計上して横領した罪に問われ会社を追われた。
不幸は続く。
仲の良かった伯父さんが亡くなった。
遺産が転がり込むかと思われたら、貰った家の庭にダンジョンができて不良物件に。
この世界は10年前からダンジョンに悩まされていた。
ダンジョンができるのは良く聞く話。
ダンジョンは放っておくとスタンピードを起こし、大量のモンスターを吐き出す。
防ぐ手段は間引きすることだけ。
ダンジョンの所有者にはダンジョンを管理する義務が発生しますとのこと。
そして、スタンピードが起きた時の損害賠償は所有者である俺にくるらしい。
ダンジョンの権利は放棄できないようになっているらしい。
泣く泣く自腹で冒険者を雇い、討伐する事にした。
俺が持っているスキルのリフォームはダンジョンにも有効らしい。
俺はダンジョンをリフォーム、分譲して売り出すことにした。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
元探索者のおじいちゃん〜孫にせがまれてダンジョン配信を始めたんじゃが、軟弱な若造を叱りつけたらバズりおったわい〜
伊藤ほほほ
ファンタジー
夏休み。それは、最愛の孫『麻奈』がやって来る至福の期間。
麻奈は小学二年生。ダンジョン配信なるものがクラスで流行っているらしい。
探索者がモンスターを倒す様子を見て盛り上がるのだとか。
「おじいちゃん、元探索者なんでしょ? ダンジョン配信してよ!」
孫にせがまれては断れない。元探索者の『工藤源二』は、三十年ぶりにダンジョンへと向かう。
「これがスライムの倒し方じゃ!」
現在の常識とは異なる源二のダンジョン攻略が、探索者業界に革命を巻き起こす。
たまたま出会った迷惑系配信者への説教が注目を集め、
インターネット掲示板が源二の話題で持ちきりになる。
自由奔放なおじいちゃんらしい人柄もあってか、様々な要因が積み重なり、チャンネル登録者数が初日で七万人を超えるほどの人気配信者となってしまう。
世間を騒がせるほどにバズってしまうのだった。
今日も源二は愛車の軽トラックを走らせ、ダンジョンへと向かう。
底辺ダンチューバーさん、お嬢様系アイドル配信者を助けたら大バズりしてしまう ~人類未踏の最難関ダンジョンも楽々攻略しちゃいます〜
サイダーボウイ
ファンタジー
日常にダンジョンが溶け込んで15年。
冥層を目指すガチ勢は消え去り、浅層階を周回しながらスパチャで小銭を稼ぐダンチューバーがトレンドとなった現在。
ひとりの新人配信者が注目されつつあった。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる